DAOとかの前に株式会社をおさらい

僕はファントークンとかDAOに興味があってその辺りを仕掛けていこうと思っているのですが、その前にまず株式会社の仕組みをわかっていないといけないなと思ったので株式会社のおさらいをしていこうと思います。
株式会社の仕組みを理解することでファントークンとかDAOでさらに何ができるようになるかが見えてくると思います。

株式会社をざっくり説明

詳しいことは別サイトを参照してもらうとしてここではざっくり説明すると、お金を持っていない人が初期費用のかかるビジネスをする時にお金を持っている1人もしくは複数人に出してもらう仕組みです。
借金との違いは出資してもらったお金は返さなくて良い代わりに儲かったら出資額に比例して出資者に配当されるということです。
この仕組みによって自分で事業をやりたいけどお金がないせいで諦めてた人が諦めなくてよくなり、事業主が増え経済が加速的に成長するようになりました。

株式会社でできること

株式会社は大きく分けると「経営と資本の分離」と「権利の分割」の二つの機能があります。

「経営と資本の分離」はざっくり説明したように事業にチャレンジしたい人がお金を出さずにチャレンジをして、お金持ちの人がお金を出すという感じで、「権利の分割」というのは複数名が株主になることで権利やインセンティブ（配当）を分割することです。

例えば複数名で株式を持ち合えば責任者である社長が30株、CTOが20株、商品を広めてくれるインフルエンサーに10人に3株ずつ、初期のスポンサー2社に10株ずつのような形で、元々予定している貢献度に応じて権利やインセンティブを設定することができます。

株式会社でやりにくいこと

株式会社でやりにくいことが二つがあって、一つが「権利の分割」に振り切った場合に「経営と資本の分離」がしにくい、もう一つが流動性を持たせにくいです。

「権利の分割」に振り切った場合に「経営と資本の分離」がしにくい

仮に初期費用が1億円かかる事業だったとして「社長が30株、CTOが20株、商品を広めてくれるインフルエンサーに10人に3株ずつ、初期のスポンサー2社に10株ずつ」と権利の分割をしようとした場合、社長は3000万円払わなければいけないし、インフルエンサーも全員が300万円ずつ払わなければいけないです。

普通インフルエンサーという立場でプロジェクトに参画する人は宣伝を頑張るつもりであって、お金を出そうとは思ってないはずなので、実際は上記のような配分で権利を分割するというのは現実的ではありません。
初期費用がかかる事業の場合は「初期費用を出す担当」がとても重要であり、通常この役割の人が多くの株を持つことになります。

流動性を持たせにくい

株式の売買がしやすいタイミングというのは通常株式上場の時かM&Aが成立した時です。
ただ、この二つはこれ自体がとても大きなイベントであり滅多にないことなので、株を持って役割を全うして価値を出したとしても個人的に収益が得れる機会は中々訪れないし、最悪訪れない可能性もあります。
そうするとよっぽどその株式会社に賭けてる人以外は「権利の分割」によって権利を持つよりも普通に報酬をもらう方が良くなります。

あともう一つが「権利の分割」は元々予定している貢献度によって決めるので実績によって決まるわけではないということです。

対処法もあるが面倒

あえて「できない」ではなく「やりにくい」と書いたのは一部をストックオプションにしたり、細かい別契約を交わすことで可能になる部分もあるからです。
なのでいちいち別契約を交わせば解決する部分もあるのですが、複雑になって面倒です。

パーソンリンクの取り組み

ここ2,3年でパーソンリンクは「権利の分割」に比重を置いた組織設計にしました。
逆に「経営と資本の分離」はあまりできていないのですが、うちの場合はそこまでの大きな資本が必要のない事業が多いのでこの体制を取ることができています。

基本的には一事業一法人という考え方で、むしろ一事業の中で法人が複数ある場合もあります。
まだ一部なのですが、各事業で責任と役割に応じて「株式＝権利」を分割して持ち合うようにしています。

理想は例で書いた「責任者である社長が30株、CTOが20株、商品を広めてくれるインフルエンサーに10人に3株ずつ、初期のスポンサー2社に10株」のような状態なのですが、流動性が生み出せていない現在ではここまで細かく多くの人に株を渡すことはできていません。

この辺りはファントークンとかDAOがキーになってくると思うので、これらの普及や法改正に合わせて組織構造を見直していこうと思います。

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