見出し画像

読書記録 フロスト警部シリーズ

イギリスの警察小説でフロストという滅茶苦茶な警部が登場するシリーズがあります。

「クリスマスのフロスト」などが、東京創元社からでています。

フロストの滅茶苦茶ぶりは度が過ぎるところがあり、また次から次へと発生する事件は、身の毛のよだつほどの残虐なものです。

私は、映画でも小説でも残虐な描写は苦手なのですが、このシリーズは不思議にもあまり抵抗がありません。

フロストの下品なジョークとふざけた行動が悲惨さの度合いを薄めているのです。フロスト自身も冗談でも言わないとやっていられない、というようなことを言っています。

さて、この小説にはフロストの相手役でマレットという署長が登場します。

マレット署長は嫌な人物として描かれていますが、私はマレットが登場すると楽しくなります。

私自身は、フロストのような下品なジョークが言えません。というかジョークそのものが不得意です。

フロストのように身なりが気にならない人間でもありません。

人を平気で待たせることもできません。

なので、私自身はフロストとは程遠く、どちらかと言えばマレット署長に近いタイプのような気がします。

なぜ、自分に似ているマレットがコケにされているのに面白いのか、と考えました。

おそらく、こういうことでしょう。

もし、フロストのような部下がいたら、私なら病気になってしまうかもしれません。しかし、マレットは決して病気になりません。いつも意気軒昂です。

ここがポイントだと思います。フロストも痛快ですが、読み進むにつれ、マレット署長のメンタルの強さに感嘆してしまうことが、この小説にひかれる点だと思います。

フロストのドラマ版をみたことがありますが、小説のフロストとはイメージが違います。

ここまで書いて、警察小説つながりでもう一つの小説を思い出しました。

私が20代のころ読んだマルティンベックシリーズです。「刑事マルティン・ベック ロセアンナ」など、角川文庫ででています。中古だったら見つかると思います。

作者はスウェーデン人の夫婦で、舞台はストックホルム警視庁です。こっちは全く下品ではありません。

ストックホルムの地図を買って照らし合わせながら読んだことはよい思い出です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?