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【共有】“とある場”があるときに、僕が考えていること。

#このnoteは主に読書会メンバーのために書いています

最終回のトークの際に少し話したことですが、
僕なりに"場"について思うことをまとめて共有します。

このメモが役に立つ方も立たない方もいるかもしれないけれど
興味がある人はどうぞ。

※以下は重要度順に並んでいるわけではないので読みたいところだけ読んでもいいかも。言語化がちょっと精緻じゃないので笑、よくわからなかったら聞いてください。

場についての観点

1.グループサイズ
オンラインのコミュニティなんかは特にグループサイズの調整が意識されていない場によく出会う。
Zoomなどで多人数の場合はかなりお見合いが発生する印象。
これをファシリテーターの力量だけでどうにかするのはオンラインツールの制約的に結構厳しいと思われる。

ブレイクアウト を使うなど都度都度
小分けのグループ(3〜4名など)にすることで
一人ひとりの持ち時間を増やすことができる

グループワークの後に全体に戻ってくると少し居場所ができている感覚になることが多い。

また、ワークショップの場などでは
できるだけ早い段階で一人一人が声を出すタイミングを作りたい。

義務教育や様々な場面で単に話を聞くという形式に慣れすぎている人は
開始10分くらい聴講生モードを続けると口を開くハードルがどんどん高くなってしまう

「今日は聞いていればいいのね」という暗な合意は広めたくない。
一緒に作っていくんだという空気を早い段階でつくることが大切だと思う。
”参加”をいかにつくるかという話だと思う。

2.弾を込める時間を
個人でワークシートを書いたり、意見を書き出したりする時間を挟む。
「集まっているのに個人の時間を取るの?」と思うかもしれないけれど
思っていることをまとめる時間を持った上で話し合いに移ると
お互いの拳銃に弾がこめらていることをみんなが認識している状態になる。
しゃべくりがうまい、声の大きな人だけがマイクを占有することを防ぐ効果もあると思う。

3.1 on 1 の時間
グループサイズの調整はコミュニティの形成と不可分な要素だと思う。
特に1対1のコミュニケーションを基軸にするとネットワークの強度が上がるように思う。
少なくともその場に居場所ができてくる
相互にわかっている人が一人はいることの安心感よ
また、大勢の前では話題にできないことも
この人と1対1ならば話してみようか
という話題だってある
互いに聞く、話すをたっぷりできるのが1対1のめちゃくちゃいいところだと思う
お互いの世界経験を交換しながらインタラクティブに世界が練り上げられていく

4.居場所をつくる
ルールを使ってもいいし、上述のいろんな工夫で「ここにいて大丈夫」を
作ることに注力する。
「居れそうだ」というそれぞれの陣地が出来上がるように様々な企画と設計を考えていく

5.遊びをつくる
なんと言っても楽しいことやワクワクすることが大事
何が遊びになるのかはそこに集まっている人の属性にもよるから
それを考慮しながら「あ、それは楽しそうかも」をつくっていく。
予測不能性と、安定したルール、安全性、試行性、体験として残るものになるか?
等々
様々なインジケーターを調整しながら遊びを作り出す
楽しいってのが何より大事

6.制約をつくる
野放図の中では人は安定した気持ちになれない
場にはある程度のルールが必要で、それが土台となるのでクリエイティブになれる部分がある。
何もかもOKとするのではなく、ある程度のベクトルと、グランドルールで安定した空間をつくる。
建物でいうところの柱や、かべに相当するイメージ

7.プランしつつ、場当たり的にいる
何かを企画するときには綿密に考えて準備はしつつ、
最終的にはその場で起きていることを優先できるようにしておく。
プランは必要だけど、それにはこだわりすぎては良くない
場が優先。
そのために場を見る、感じる、聞く。
考えてきたことは過去、起きていることは今。
その場に生まれる流れやムーヴを察知しながら、勇敢さを持って動く

8.結局はホールドしている人の存在なんじゃね
いろいろ書いたけれど結局は場をホールドしている人のあり方や存在が
場にはよく反映されると思う。
それはファシリテーターとしての知識としていろんな技術を知っているとかそういうこと以上のものだと思う
人生経験であり、本当であり
生理であり、オリジナリティであると思う
文章で言えば文体のような。
beingとしてのその人がしっかり出ていること
通り一遍の対応ではなくホールドしている人がその人らしく
その場に耳をすましていることが
その場をユニークにそして温める

9.設計はあの手この手
コミュニティや場の設計はあの手この手だと思う
何か一つの解決策が全てを解決するようなことはなく
一つ一つの企画が、発話が、リアルな場が、複合的に組み上がりながら
ある空間を膨らませていくと思う
ある企画は扉くらいの役割かもしれないし
あるリアクションはネジ程度かもしれないけれど
そうやっていろんな部品が動的に組み上がりながら
場は芽吹いていくものだと思う


10.出口と入り口
場から出たい人が出れるようにしておくこと
入り口は開けっ放しというより、基本的には誰でも入れるけれど"招かれざる客"にとっては入る気が起きないように適切な設置をすること
何も考えずに間口を広げるのは結局場の力を失うことになるので

11.主が楽しむ
最大公約数的になりすぎないこと
主は、自分が本当に楽しむこと。これはある種のエゴというより、集団の中の個人に顕現するその場のヴォイスだと思っている。
声が降りてきている個人は思いっきり楽しむこと。嫌なことは断る。やりたいことをしっかりやる。エンジンがあったまんないと全てが冷えていってしまう

雑感。場は…
人間の注意(意識)で組み上がる部分と、物理的な空間(素材)の合わせ技だと思う。#オンラインの場合はウェブ空間の設計
(もっとも物理空間も最初は誰かの頭の中のイメージに物理努力と時間を加えたものなので、その意味においては全てが注意の産物ともいえる)

人の注意をいかに方向づけたり
受像的人格からの質感にするのか
内省可能な注意の粒子を誘引するのか
この辺りは技巧と存在感が必要かと思う

なので、まず大前提としてのbeingを整えること
場をホールドしている人間がその人らしくいること
そして場を見ていること聞いていいること
受けていること
リラックスしていること
本当であること

その上で構造についても考え尽くすこと
グループサイズや
参加のハードル
楽しみと誓約のバランス
タスクとゆとりのバランス
いろんなものをバランシングしながら

徐々に場の温度を良い湯加減にチューニングしていく


おわりに
ということで場に関する観点を並べてみました。
当然ながらこれは正解を掲示するものではなく、僕が観点として持っているもので、またみんなの話も聞いてみたいし、磨いていきたい。
今後のそれぞれのフィールドで活動するときに役に立つものが一つでもあれば嬉しいです。


お読みいただきありがとうございます!