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「はじめての出版④〜きみに読むビジネス書」

あなたは今まで「ビジネス書」をどれくらい読んだ事がありますか?
それはどれくらい実際に役立ちましたか?
人に薦めたくなるようなビジネス書に出会った事がありますか?
人生がビジネス書で変わった事はありますか…?

さて、前回出版企画書をなんとか書き上げ、
タイトル(仮)、内容(仮)、章立て(仮) 
の極めてフワフワした状態でスタートした僕の執筆生活。

会社の仕事を終えた夜半、
机に座りそれを書き始めてすぐに気づいた事がありました。

「あ、俺、ビジネス書をほとんど読んだ事ないや…」

考えてみれば、仕事関係の読み物って日経新聞とかビジネス雑誌とか、
あるいは仕事に役立ちそうな雑学集などは読んでいましたが、
書店の「ビジネス書」のコーナーに置いてある書籍を全くと言っていいほど読んだ事がありませんでした。

その理由は…?ハッキリ言いましょう。

「ビジネス書を読むくらいなら小説を読んだ方が有益!」

と考えていたのです。完全な喰わず嫌いでした。

しかし、今から自分が書こうとしているのは紛れもなく
「ビジネス書」なわけです。

「勝浦さんといっしょにつくる書籍は「広告本」ではありません。
「ビジネス書」です。最も競争の激しいカテゴリーですから、
気合いを入れて書いてくださいね(ニヤリ)」

インテリ(風)の東大卒担当編集者の涼やかな声が心の中で響きます。
ううむ…。

皆さんは、広告業界で「クリエーティブ」の名刺を初めて持つ若手が、
まずすべき事は何かわかりますか?

それは「過去の古典的名作にできる限りふれる事」です。

広告でも、映画でも、美術でも、ファッションでも、
すべての表現物には起源があり、歴史があり、
文脈(コンテクスト)があり、最新があります。

その一連の流れを知らなければ、
本当に芯を食った表現はできないわけです。

そこでとりあえずこの日本で「ビジネス書ベスト100」のように、
時の洗礼を経てなお今も賞賛されている国内外の古典的ビジネス書の名作をとにかく読み込んでみることにしました。

やはり、そのカテゴリーの書籍を書く以上、
先人へのリスペクトは大事なのです。

が、買い込んだ数十冊の、
「100万部超えのベストセラー」
「世界中で○千万冊売れてます」
といった謳い文句の書籍を読んでみて、
わりと早く一つの結論にたどり着いてしまったのです。

「あれ?ビジネス書って、新しい事が何も書いていないのでは…」

いや、しかしそれは正しいのだろうか?
新しさが無いのにこんなに次から次へとビジネス書籍が生まれるわけがないだろう。僕の読み込みが足りないだけでは?底の浅い錯覚では?
ですが、読めば読むほどその感覚は強まっていきました。

思い悩んだ末に、担当編集者にこんなメールを打ちました。

「原稿を書き始める前に、過去の名作と呼ばれるビジネス書を数十冊読んでみました。しかし、何冊読んでも「鮮烈な新しさ」「未知の発見」というものを得る事が出来ませんでした。
これはもしかして『ビジネス書に全く新しい事は書いていない』という事ではないでしょうか?
ただ、一つ仮説があります。書いてある事が同じでも二つ差異が生まれる要因があると思います。
それは、①作者の唯一性②時代性だと思うのです。著者が時代を編集し、読者はその著者を買うのでは?

ここにしか勝機は無いような気がするのですが…」

返ってきたメールはひとこと、こんな感じでした。

「おっしゃる通りです。原稿、お待ちしています」

<つづく>

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