コロナの法律情報を無料提供する理由

オーストラリアにもコロナの波が押し寄せ、政府がどんどん政策を打ち出し始めた2020年3月半ば、事務所にも、大量のお問い合わせが届くようになり、すぐさま「コロナの法律情報の共有サイト」(www.lawshare.community)を立ち上げました。

配信登録いただければ、ご利用は完全に無料です。

コンテンツは情報提供だけではありません。質問にも回答しますし、動画で質疑応答のコミュニケーションもあり、テンプレートも公開しています。しつこいですが、これらのコンテンツは無料です。

事務所としては、一人でも多くの経営者の方に利用してもらおう!と目標を立てて運営しているのですが、どうもここにきて、無料であることが「うますぎる話」であり、敬遠する原因にもなっているようだと気づきました。
#「弁護士は高い」イメージはよく浸透している

「どこから料金は発生しますか?」「登録したら課金されますか?」「お金かかると思って登録しませんでした」という声がチラホラ聞こえるようになったからです。

せっかく共有サイトを訪れてくれた人が、課金を疑う「勘違い」で利用しないのはもったいないので、なぜ無料にしているのかをつらつら書くことにしました。
(※初めにお断りしておきますが、カッコよかったり、美談のような理由ではないです。とにかく無料であるということが伝わればよいです)

(理由1)
共有サイトは「弁護士共有サービスーLawShare」のパイロット版である

事務所がこれから取り組むビジネス構想の中に、「弁護士を共有する」サービスがあります。イメージとしては、弁護士が提供する情報やノウハウ、テンプレなどをコミュニティーにいる大勢で共有することで、リーズナブルに良質の情報にアクセスできる環境をお届けするサービスです。
#法律サービスは、1対1だけではない
#共有ビジネスを、法律事務所でやってみる

コロナで皆さんが正確な情報を求めている時に、「弁護士を共有するーLawShare」のコンセプトを実行しない選択肢はむしろなく、必然的にすぐさま共有サイトを立ち上げました。「ライブ動画で質疑応答」や「テンプレ共有」も既にあった案を実行しているだけです。経営者の方々には、この機会にLawShareのコンセプトを体験していただきたいです。共有サイトはLawShareのお試しなので、運営側としても反響を確かめながらあれこれ試行錯誤させていただいています。発展途上のパイロット版なので無料です。

(理由2)
人の役に立つー弁護士の原点に戻る

私自身、2004年に留学生としてオーストラリアに来てから、ワーホリを挟んで貧乏学生時代も長く、弁護士資格を取り独立開業に至りました。現在安定した事務所経営ができるようになるまでの全てのフェーズで、日系コミュニティーの皆さんにたくさん応援してもらっています。夢や活動を後押ししてくれる人、ビジネスの相談に乗ってくれる先輩経営者、独立直後の私にまずは小さな案件から任せてくれた企業の方々など。法律で人の役に立つことを目指している間に、気が付けば助けられてばかりです。

今、事務所はコロナの打撃をさほど受けておらず、体力があります。今まで支えてもらったことを思いだしながら、恩返しできる場がきたという気持ちで共有サイトを運営しています。だから無料です。

まとめ

つらつら書く、と言った割には2つにまとまりましたが、ここに書いたことが大きな理由です。無料なので、安心してご利用、ご参加いただければ幸いです。

(理由・番外編)
無料にできる理由

「無料にする理由」ではないですが、「無料にできる理由」は、間違いなく、日頃からカツダ・シナジー法律事務所を信頼してご依頼くださるクライアント様がいるからです。クライアント様からの法務費用で事務所は成り立ち、共有サイトを無料で運営するだけの体力を持つことができています。新しいチャレンジをする機会を与えてくれたクライアントの皆様にこの場をお借りして、感謝の気持ちを伝えさせていただきます。いつもありがとうございます。

そして、忘れてならないのが、事務所のスタッフです。共有サイトはスタッフの手作りです。「私が作ります!」と手を挙げてくれたからプロジェクトが決定し、ものの数日でサイトを完成させ、今も進化を続けています。また案件だけでも手いっぱいのところに、共有サイトの運営でマニュアル無しの業務を毎日こなしてくれるスタッフがいます。共有サイトの目的を理解し、人の役に立つことの重みを一緒にかみしめてプロジェクトを実行できるスキルと意識の高いチームに、改めて感謝する日々です。

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