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【年間ベスト】「活弁シネマ倶楽部」スタッフが選ぶ2020年映画ベスト10

2020年4月から映画の鑑賞環境が大きく変わり、新作映画を鑑賞することがメンタル的にとてもキツい時期もありました。
当たり前にすぐそこにあった映画/映画館が突然消失してしまうような感覚とそれに付随する渇望よりも、新しい価値観をぶつけられる精神的な衝撃を受け止めたくない気持ちが勝っていたような記憶があります。
 
それでも番組内で優れた映画の作り手に話を聞き、産業構造も含めた映画に向き合うことで見えてきた景色もあります。
そんな気持ちの中で選んだ10本です。
 
選者:菊地陽介
【外国映画】
1『ドミノ 復讐の咆哮』ブライアン・デ・パルマ監督
2『行き止まりの世界に生まれて』ビン・リュー監督
3『死霊魂』ワン・ビン監督
4『屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ』ファティ・アキン監督
5『レ・ミゼラブル』ラジ・リ監督
6『燃ゆる女の肖像』セリーヌ・シアマ監督
7『マティアス&マキシム』グザヴィエ・ドラン監督
8『はちどり』キム・ボラ監督
9『その手に触れるまで』ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督
10『スキャンダル』ジェイ・ローチ監督
 
【日本映画】
1『許された子どもたち』内藤瑛亮監督
2『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』大林宣彦監督
3『初恋』三池崇史監督
4『泣く子はいねぇが』佐藤快磨監督
5『君が世界のはじまり』ふくだももこ監督
6『VIDEOPHOBIA』宮崎大祐監督
7『his』今泉力哉監督
8『無頼』井筒和幸監督
9『37セカンズ』HIKARI監督
10『とんかつDJアゲ太郎』二宮健監督
 
【総評】
コロナ禍が良くも悪くも映画の国籍と枠組みを融解させてしまった2020年において、それでも日本映画と外国映画で区分することの意味について悩みましたが、今年も分けて選びました。
さらに加えるなら、劇場公開/配信という区分もあり、「それを混在させない(配信オンリーの作品を加えない)ベスト10なんて意味が無い」と言い切る方もいるでしょう。
ですが、「映画館で」「新作映画」を観ることが全く別の意味を孕むようになってしまった2020年にベストを選ぶとしたら、「映画館で鑑賞した新作映画」以外はありえませんでした。
映画館で新作映画を観ることが当たり前の日常では無くなり(詳細は書きませんが、それはコロナウイルスの感染防止がすべての理由ではありません。自分たちが享受してきた文化の加害性と向き合う事態が多々あったからです。)、映画は一気に文化存続の危機に晒されています。
それでもなお映画を観ることの歓びを再確認させてもらったを選んでいます。「こんな時にこそ明朗快活な娯楽映画を」という気持ちにもなれず、社会の有り様をまざまざと見せつけてくれた作品と個人的な偏愛で固めた10作品です。
 
選者:徐昊辰
【外国映画】
1『The Metamorphosis of Birds』カタリーナ・ヴァスコンセロス監督
2『ラヴ・アフェアズ』エマニュエル・ムレ監督
3『ノマドランド』クロエ・ジャオ監督
4『ファースト・カウ』ケリー・ライヒャルト監督
5『わたしのプリンス・エドワード』ノリス・ウォン監督
6『Never, Rarely, Sometimes, Always』エリザ・ヒットマン監督
7『The Painter and the Thief』ベンジャミン・リー監督
8『国葬』セルゲイ・ロズニツァ監督
9『The Salt of Tears』フィリップ・ガレル監督
10『An Old Lady』イム·ソンエ監督
次点『オクトパスの神秘:海の賢者は語る』ピッパ・エアリック監督、ジェームズ・リード監督
 
【日本映画】
1『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』大林宣彦監督
2『37セカンズ』HIKARI監督
3『喜劇 愛妻物語』足立紳監督
4『風の電話』諏訪敦彦監督
5『泣く子はいねぇが』佐藤快磨監督
6『スパイの妻』黒沢清監督
7『精神0』想田和弘監督
8『生きちゃった』石井裕也監督
9『無頼』井筒和幸監督
10『アンダードッグ』武正晴監督
次点『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』高橋栄樹監督
 
森直人さん、月永理絵さん、SYOさん、折田侑駿さんを招いての2020年ベスト映画議論も公開されましたので、ぜひご覧ください!
皆さんの視点から見る2020年の映画、どれもこれも刺激を受けます。
 
2020年ベスト映画は!?レギュラーメンバーが珠玉の映画を語り尽くし!!

 https://youtu.be/WHbCvNq6e00

 


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