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IPFS分散型ストレージ:インターネットを変えるテクノロジー①

おはようございます。FUELHASH代表の紺野です。
今日はIPFSInter-Planetary File Systems)というWeb3.0時代の新しい技術について触れていこうと思います。

Web3.0のおさらい

Web3.0についてはこちらのnoteで書いています。

こちらのnoteでも触れていますが、Web2.0の課題は、「個人情報が特定企業に集中するプライバシー問題」と「中央集権型によるセキュリティ問題」です。

こうしたWeb2.0の課題を解決する技術と言われているのが、「ブロックチェーン」になります。
つまり、「個人情報を特定企業に集中させずに分散管理していく」ということです。

ブロックチェーン技術により、非中央集権型となり、個人情報は特定の企業ではなくブロックチェーンに参加したユーザーによって分散管理されます。また、サービスを提供する基盤は特定企業に限定されず、ユーザー一人ひとりが参加するネットワークがサービスを提供する基盤となるのです。
個人情報が分散管理され非中央集権型となることで、不正アクセスや情報漏えい、データ改ざんのリスクが軽減し、Web2.0の問題点が解決します。

Webの概念: ロケーション指向

本丸のIPFSに行く前に、Web2.0の「Web」について説明します。

現代において、Web(ウェブ)って当たり前の言葉として使いますよね。
特にインターネット・ネイティブ、スマホ・ネイティブな世代の人々にとってはWebがない世界は考えられないと思います。

Webの説明は三井情報さんのサイトにわかりやすい説明があったので、拝借させていただきました。
三井情報株式会社ウェブサイト

■ HTTPの登場
ハイパーテキストによって情報提供する者はサーバを公開し、一般利用者はHTMLを解釈して表示するブラウザを介して情報を閲覧する仕組みができました。世界中を蜘蛛の巣(web)に見立てて「World Wide Web」、提供サーバを「Webサーバ」と呼びます。 そして、ハイパーテキストをやりとりするプロトコルを、HTTP(HyperText Transfer Protocol)と言います。
■ Webは場所を示す
現在インターネットで情報にアクセスする場合、https://www.xxx.com/aaa/index.htmlといったURLを指定してアクセスします。このURLの意味するところは「www.xxx.comというWebサーバにあるaaaというディレクトリの中のindex.htmlというファイル」で、つまりは取得したい情報がある「場所」(サーバの名前、ディレクトリの名前、ファイル名)を指定しているものです。このように欲しい情報が存在する「場所」を指定して情報にアクセスする方法は「ロケーション指向」と呼ばれ、HTTPはロケーション指向のプロトコルです。

Webはまさに場所を示す、という言葉の通り、みんなが見たい情報を指定した特定の場所(URL)に表示してアクセスさせるのが、Webの考え方になります。
このロケーション指向のWebには欠点もあります。
Webがデッドリンク(リンク切れ)にする性質があるのです。
また、サーバー側に障害が発生すると、システムが全停止する可能性もあります。

IPFSの登場

こうしたWebの欠点を補うために生まれた新たなイノベーションが、「IPFS」になります。

Inter
Planetary
File
System

直訳すると、「惑星間のファイルシステム」と呼ばれ、米Protocol Labsにより開発が進めれられているPeer to Peer(P2P)ネットワーク上で動作するハイパーメディアプロトコルを指します。
ファイルシステム版のAirbnbのようなものをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

IPFSの概念:コンテンツ指向

Webはロケーション指向で、場所を指定して欲しい情報にアクセスするものでした。
一方、IPFSはWebとは異なり、場所はどこでも良いから欲しいコンテンツにアクセスできれば良い、というコンテンツ指向のプロトコルになります。

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三井情報さんのサイトにこんなわかりやすい説明がありました。

例えば書籍、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を読みたいと思ったとき、その書籍が読めればそれをどこから入手したかを気にすることはありません。近所の本屋さんで買っても、Amazonで買っても、図書館から借りても同じ内容を読むことができます。

自分が欲しいコンテンツにアクセスできれば、入手する場所や経路は関係ない、ということです。たしかに、自分の行動を考えてみても、自分が欲しい情報をインターネットで探しにいきますよね。その情報がどこにあろうが気にしません。

たとえば、世界中のインターネット上の情報を整理したのがGoogleで、どこにどんな情報があるか、ロケーション指向で情報を整理したものと言えると思います。
まさに、Googleのミッション(使命)にもある通りです。

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まとめ

今日はWebとIPFSの概念的な違いについてまとめさせていただきました。
情報を特定の場所にまとめてその場所にアクセスさせるのがWebで、場所にかかわらず情報にアクセスさせるのがIPFSです。

WebがIPFSに置き換わっていくとどんな世界が構築されていくのか。
次回はIPFSの仕組みやIPFSを使うことのメリットなどをまとめていきたいと思います。


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