『アジャイル』に何か運命じみたものを感じて、よくわかってもいないのにスクラムフェス三河に参加した感想(独り言)

はじめに

・自分は、これまでの社会人生活の多くをBtoBの営業/購買に費やしてきた。そんななか、うまく言語化できないながら、将来このままでよいのかと悩み、社内の新規事業に手を挙げて飛び込んだのがちょうど5年前。それが自治体向けDX事業だった。私が参画したときはまだ事業の形を模索しているところだった。責任者もメンバーもそれぞれ何をすべきかを日々悩み、みんな一生懸命だった。答えが分からなくて、チャレンジするしか仕方がなく、”幸運なこと”に私自身も今までやったことないことを次々とやらさせていただいた。30代後半にして、未経験職種への転職をしたようなもので、繰り返しだが本当に運が良かった。BPRコンサル、データ収集と分析、営業、自治体向けの入札、挙句の果てにはシステム開発と導入までさせてもらうことができた。長期出張で家族より一緒にいたメンバーと議論した日々は、さながら毎日が文化祭の前日のようで、辛いこともたくさんあったがそれ以上に充実していた。

・いまは新規事業から離れたのだが、そんな中、この春に社内のアジャイルコミュニティに出会った。初めはなんとなくで中を見に行ったのだけれど、『昨年度にシステム導入した時は目の前のことでいっぱいいっぱいだったがあの時は何も知らないなりに似たことをしたなぁ』とか、『あの時こういうことを知っていたらどうだっただろう』などを思い、興味がどんどん強くなった。実は4月にこれまた未経験業種に異動(転職ではない)したこともあり、そちらの本業でも覚えることが盛りだくさんだったのだが、なんというか、アジャイルは趣味みたいな感じで少しずつ調べたりした。そこで偶然にも家のすぐ近くでスクラムフェス三河が開催されることを知り、これは行かないとだめだと思った。(ということで長すぎたがここまでが前書き。長すぎる。)

初めてスクラムフェスに参加してみて

・全般通じて、参加者の熱気がすごかった。運営者、登壇者は言わずもがな、そうではない人も含めて熱意を感じた。そもそも、話をしているだけでは誰が登壇しているかは分からず、皆が登壇者に見えた(実際別会場で登壇していたりもしていたようだった)。

・この熱気は何だろうと考えてみて、自分なりの仮説は、『今よりも、もっと』。”もっと”が指すものは人それぞれで、例えば、事業の成長、個人の成長みたいなものもあれば、後輩に学んでほしいとか、社会が良くなってほしいみたいなものもあった。しかも、ここで具体的な”人それぞれ”を私が書けるように、参加者はそれぞれ自分なりの考え方を持っていて、かつ、あっけらかんと発信している。こんなこと言ったら何を言われるのだろうかと(実際は心配しているかもしれないが)いうような表情をおくびにも出さない。

・この集まりでは心理的安全性が確保されているとも言えるのかも。こんな人になりたい!こんなことしたい!うまくいった!うまくいかない!いま悩んでいる!あなたは最高だ!何を言っても否定されない環境は、シンプルに心地よかった。

・そもそも自分が不勉強すぎて、知らない言葉がたくさんあったため、会場で一回聞いただけでは理解が不十分なケースが多々あった。特に平鍋さんの講演は必ずもう一度見直さないといけないと感じた。一方で、アジャイル初心者、非エンジニアとしても勉強になることはたくさんあったと自信を持って言える。チームでの生産性の上げ方、普段リモート同士での対話の仕方(これは家からの業務ということだけでなく、会社の拠点が分かれているケースでも有用そう)、論理と感情の切り分け方、早い売上のあげ方、などあげればきりがない。もちろん、自社内にいても学ぶことは出来るが、1.5日間は非常に濃く、圧倒的インプット量だったことは間違いない。アウトプットしないといけないと今慌てている。

・さてどうするかとなって、終わった後、知り合った人や登壇した人を中心にX(Twitter)での発信を読み始めた。新しい発見がどんどん出てきて、自分はこれからどうする?と延々と考えている。早々に、そもそもアジャイルって何?ってなり、早々にアジャイルソフトウェア開発宣言に立ち戻ってきた。アジャイルはマインドセットであったり信念であり、何かを否定するものではないのだと改めて思う。思ったが、分かった気がしただけできっとわかってはいないのだとも思う。方法論や手法を勉強しようと思った自分がいきなり否定された気もするが、勉強し始めはこんなものかもしれない。やってみないとわからないことはいまだに多い。自分をあまり時間を置かずに、アジャイル(が本当に)分かっていない人としての発信をして、恥をかきながらもがいていきたいと思った。

●参加したイベントについて

製造業でのアジャイル、悩みと光(株式会社永和システムマネジメント 平鍋さん)

https://speakerdeck.com/hiranabe/agile-in-automotive-industry-puzzles-and-lights
・のっけから『チームトポロジーって何?』となったが、平鍋さんの話が面白く何とか筋だけはついていった(ホントに?)
・アジャイル適性を考えるところは面白い。適正を考える要素の例として、メンバー数や経験メンバの割合、企業文化、要求変化、(欠陥に対しての)クリティカルさを挙げていたが、事業の状況や置かれた環境によっては他にもありそう。つい最近、このイベントについて友人と話をしたとき、『アジャイルは必要だからやるもの(で、ウォーターフォールで出来るならウォーターフォールでやる)』と言われて、確かにそれはそれでなるほどと思った。必ず売れるものが計画表通りに作れるなら、それは効率的だ。ただ、一方で、正解が分からないことが多いので、やはりアジャイルの考え方を学ぶ意味があるのだろう。手法が云々という話は別として。
・気になった言葉を自分なりの言葉でメモ:製造業にアジャイルの手法をそのまま突っ込めばいいわけではない。過去(製造業の伝統)にリスペクトを持ちつつ、『Unknownな市場と課題を味方につける』『チームの力を最大に』というアジャイルの強みをどう生かしていくか?アジャイルは『人間賛歌』であり、現場で働く人たちがモチベーションとやりがいをもって良い仕事をして利益を出すことが重要。やらされアジャイル(ゾンビアジャイル)やアジャイルごっこはダメ。

◆OSTという文化を組織に根付かせてみた(sansan株式会社 光川さん)

https://speakerdeck.com/sansantech/sansan-20240914
・自走するOSTという言葉が印象的。組織交流の手段はOST以外にもあると思うが、一つのモデルとして大変参考になる話だった。ただし、ある程度主催側の熱量も必要であると感じた。主催者がやらされではうまくいかないのだろうなと思ったため。

必要なのは客観性。組織変革をもたらす、より良い「対話」を生み出すための活動(株式会社ヌーラボ 足立さん 藤田さん)

https://speakerdeck.com/nulabinc/scrum-fest-mikawa-2024-workshop
・シンプルに、自分も対話のワークショップやってみたいなと思った。なんとなく集めれば何とかなると思っている人に見せたい。あと、対面での良さについて質問してみたところ、『対面だと、その人の周りにある空気感なども含めて感じることができる。情報量が違う』(堀部意訳)という回答を得て、上手に言語化してもらって、腹落ちした。私も対面の良さを説明するときに真似しようと思った。
・非常に具体的なTIPS満載なので、みんなにスライド見てほしい。

(ワークショップ)それでは肯定的意図を始めよう 〜気軽に、慎重に、日常的に〜 ワークショップ版 beginner編 (中さん)

・あらゆる行動にはポジティブな感情がある、という概念に基づくワークショップに参加。
・おそらく私がとったメモをそのまま書き記してもミスリードしてしまうと思うので、中さんの『今日の成果物は、皆さんが得たものです』という言葉に従って、私が受け取ったものを以下記載する。
・ワークショップの中で、自分や他人の行動の裏に何があるのか?を掘り下げていく場面があった。お手本のような感想にはなってしまうが、『ああ、私はこんなことを思っていたのか』と素直に驚いた。と、同時に、他人が何を考えているのかをあまり真剣に考えてこなかったのでは?とも感じた。考えてもわからないのだから、言葉の通りにまずは受け取ろう、とした結果、考えることから逃げていたのだろう。ビジネスシーンでは言葉の裏にある感情や思いを読んでいたが、それは単純なビジネススキルであって、人間力とも違うように感じる。他人と比べて相対的にできているとかできていないとかはこの際だから横置きし、少なくとも自分自身がそのように感じたことを大事にしたいと思った。言葉以外にも人は雄弁に物事を語っているはず。自分や友人やかかわりのある皆さんの行動(behavior)はどのようにして顕現したのかを考える努力から始めよう。このアプローチが正しいかどうかはまだ分からないけれど、少なくともこの行動を起こすことには価値があると思うから。

スクラムフェス初登壇, そしてとあるセッションとの出会いから1年が経ち, アジャイルコーチを名乗るのを辞めて "わからない" ひとになりました(NRI 長谷川さん)

https://miro.com/app/board/uXjVKm9DsfM=/
・アジャイルコーチという肩書を持つことで『わからない』と言えなくなった登壇者が『わからない』と言えるようになっていく話。肩書に振り回されることなく、肩書を使いこなす立場でいたいと感じた。高齢プログラマーの若宮さんが言っていた『フォルダ型ではなく、ハッシュ型になる』ということを思い出した。自分のタグを増やして、好きなものは近いジャンルのタグも増やしていければ、人生はより充実するのかな、と。そして、肩書は自由になる。

おわりに

たくさんの刺激に触発されて、今まで読むだけだったnoteのアカウントも作って見た。Xのアカウントも作ってみた。使い方間違ってたらごめんなさいするので教えてください。


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