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映画「流浪の月」レビュー

評点:100点

公開初日、舞台挨拶のライブビューイング付きの回を観賞してきました。本編、舞台挨拶とほんとに充実した時間を過ごさせていただきました。

李相日監督と「パラサイト 半地下の家族」の撮影も携わられたホン・ギョンビョさんが撮影監督としてタッグを組んだ話題作で、スタッフだけでなく出演キャストの方々も豪華な作品です。

観終わって、とにかく衝撃がすごかったです。デリケートな部分へかなり深く切り込んだ作風は、最近観た映画のなかでも考えさせる何かがありました。

作品のとらえ方は人それぞれあり、登場人物それぞれが抱える葛藤や根本の部分の深みがすごく、一見理解できなさそうだけど、実は共感できるところもあり、映画が進むにつれてだんだん感情移入していきました。

キャストのみなさんの演技もすばらしく、特に主演の広瀬すずさんと相手役の松坂桃李さんは、難しい役どころながらも役へ自然にフィットしている感じがみれてよかったです。  

広瀬さんも松坂さんも、目力がすさまじく、役が目の奥深くに宿っている感じを終始感じることができました。横浜流星さんの役も、今までの横浜さんにはない役どころでしたが、衝撃的なシーンも合わせてしっかり演じられていたのが印象的でした。

ホン・ギョンビョさんのカメラワークも、他の映画と一味違うのを随所に感じられて、特にボカシを使用した演出が何度かあり、物語の雰囲気が臨場感あふれるものになっていました。

解釈やとらえ方がなかなか難しい作品ですが、考えさせることはとても多く、一度に限らず二度三度と観ることで、新しい発見や考え方が生まれてくる感じがするので、ぜひまた観賞したいと思います。 

映画のクオリティと舞台挨拶での監督や出演キャストの方々の映画や役への熱くて深みのある想いに感銘を受けまして、「ドライブ・マイ・カー」以来の満点をつけさせていただきます。

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