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かっちゃん浅田真央特番ヒストリー②

かっちゃん。

18年前から浅田真央さんは僕のことをこう呼んでくれます。ありがたいことです。

そして2021年5月23日日曜午後7時からBSフジにて特別番組「浅田真央 スマイルとともに」が放送されます。

特番のお供に、以前ツイッターに連投した特番制作ヒストリーをまとめます。その②はソチ五輪後です。


1年間の休養が僕にとっても大きな転機となりました。バンクーバー、ソチと大きな感動をくれた真央さん。これ以上何を求めるのか。考えた抜いた末にやっぱり最後まで映像として形に残したいという結論に至りました。2016年5月OA の4作目「めざすもの」。休養から数えての2年間、最も悩んだ時期でした。


悩んだこと。例えば成績がよくなくて苦しんだときにどうカメラを向けるつもりなのか。見ている人はそれを見たいのか。それがスポーツと言われればその通りですが…。覚悟を決めるには少し時間がかかりましたが最後には何があっても真央さんの輝きは色褪せないと信じて取材を続けたのでした。


2016年5月OA「めざすもの」は真央さんが平昌五輪という「めざす物」を強く再確認するコメントで締めくくられました。目標があるからがんばれる。これまでもそうだし、これからも「めざす者」であり続けたい。そんなメッセージを受け取ったつもりでした。五輪まであと2年。そんなタイミングでした。


2016-17シーズンは結果的にはラストシーズンとなる訳ですが僕としては終わることを考える ことなどなく取材。でもそんな密着取材が重圧になるだろうことも理解はしていました。引退するかも…と最初に聞いたときは目の前が真っ暗になるような、でも正直少しほっとしたような複雑な気持ちでした。


僕の複雑な心境など関係なく引退をどう伝えるのか、極秘ビッグプロジェクト(ちょっと大袈裟…)が動き出しました。誰にも言えない生きた心地のしない数日間を経て2017年4月10日に引退発表。そして4月12日の引退会見、さらに5作目「26歳の決断」の生放送へと続きました。


5作目「26歳の決断」は10年以上に渡って一緒に頑張ってきたフジテレビのフィギュアチームと制作。徹夜で生放送のOAギリギリまで細部にまでこだわってつくっただけに本当に思い入れが深いです。今も感謝の思いで一杯です。で、OA直後すぐに名古屋へ戻り6作目「ラストメッセージ」の制作に入りました。


6作目「ラストメッセージ」。お母様から預かったホームビデオ。泣きながらの編集作業。1番思い出に残っているのは4月10日、引退に関する取材を全てを終えたときに真央さんと固く握手をしたことです。話すだけ話しました、あとはお願いします、ということだとは思いますが鳥肌を禁じ得ませんでした。


「ラストメッセージ」。6作目にして初めてタイトルには悩みませんでした。ドキュメンタリーとはいえテレビ番組なのでナレーターに女優さんを起用するとか色々するものですがこの作品だけは信頼する局アナと真っ直ぐに思いのたけを全部込めて。真央さんがくれた勇気と希望、これだけを伝えたかった。

引退後に新しい番組をと思ってトークやら旅やらの企画書もいくつか書いたことをお伝えしておきます(汗)。それらはそっとなかったことになり新しいアイスショー制作に突入。再び密着取材が始まりました。最初の取材は姉妹で曲選び。深夜2時まで…。これは長い旅になるなと覚悟を決めたのでした。

ヒストリー③へ続く。

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