生存対策とコスト削減の手法

中小企業は主要取引先の動向に左右されやすい。今回のコロナでは、資金繰り対策が最優先課題であるが、融資は一時的な延命措置に過ぎない。そもそもコロナに関係なく、あなたの会社では生存対策をしっかりできているだろうか。

私が10年前に出逢った井崎先生の経営セミナーで学んだ「経営の原理原則」をメモに残します。

参考情報:経営コンサルタント 井崎貴富さん

▶目次
・損益分岐点売上高の引き下げ
・生存の条件
・コストの概念
・コスト削減の3ステップ
・コスト削減の事例

◆損益分岐点売上高の引き下げ

企業経営において、第一にやるべきことは、コスト削減である。売上が20%減少しても黒字になる経営構図にするため、損益分岐点売上高の更なる引き下げを行う。

理由1) 中小企業が商品・サービスの値上げをしたり、仕入れの値下げを交渉するのは難しく、時間がかかるため。

理由2) 利益を出すために、売上を上げようと多くの経費をかけ、逆に赤字になるケースが多いため。

◆生存の条件

・無借金企業の場合 → 粗利>経費

・借金企業の場合 → 利益>返済

⇒限られた粗利や利益の中で、コストコントロールをしていくことが重要。

◆コストの概念

・コスト=作業の費用

・コスト削減=作業の削減

◆コスト削減の3ステップ

①作業を全て抽出する

②作業時間の多い順に並べる

③やめる、まとめる、外注する、お客にしてもらう、機械化・システム化、等できないかを検討する

◆コスト削減の事例 (ex.印刷会社)

ある印刷会社の話。経常的に赤字続きの会社。コスト削減をするために作業を全て抽出し、作業時間の多い順番に並べてみたら…。皮肉にも印刷費が最も大きいコストを占めていた。正直なところ、自社よりも大手の方が、より上手く、より安く、より早くできるのは事実。そこで、自社では1枚あたり2円20銭でやっていた印刷を「大手さん、大手さん、月間何十万枚というチラシが○○件ありまして、この印刷を1円80銭でやってくれるところに全部お願いします。」と声をかけ、大手2社を競争させた。結果はもちろん、黒字になり急成長。これまで時間をかけて印刷して赤字だったものを、印刷をやめ、外注で作業をゼロにし、1枚あたり粗利+40銭になった。

⇒当社は印刷する会社なのか?それとも印刷物を提供する会社なのか?

⇒社長は印刷を外注し、印刷物を提供する会社として存続する意思決定をした。自社で印刷するより低コストで顧客へより良い印刷物の提供を可能にし、自社の利益率を向上させた。

⇒ビジネスの世界は、努力する、頑張るだけでは報われません。原理原則を知り、実行しましょう。

◆かっちゃん侍の実践チェックポイント

【仕事編】
☑1日のうち最も多く時間がかかる業務は何か?

☑それは意味があるか?自分と他人がやるので価値は変わるか?組織のためには誰がやるのがベストか?

【プライベート編】
☑給料>支出になっているか?

☑一番大きい支出は何か?なくせないか?減らせないか?

☑二番目に大きい支出は何か?なくせないか?減らせないか?

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