見出し画像

年初の目標とは180度違った結末となった2023年

集大成の2023年となるはずだった! 
2021年に大きな転職をした。10年以上勤めた大企業を辞め、まだ世に何も出したことのない小さなスタートアップ会社へ転職した。その小さな会社ではがんの新薬を開発していた。有望な薬があり、2023年に承認申請できる予定とのことだった。大企業でひとつの大きなプロジェクトを終えたばかりだった僕には、とてもよいタイミングだった。転職して会社初の新薬開発に関わり、もうひと山当てようと目論み、転職を決意した。10年以上暮らしたカリフォルニアを離れ、転職先のボストンへ大移動した。

2023年は大きな期待で始まった。有望な新薬プロジェクトは承認申請に向けて、順調に臨床試験のデータを蓄積しているかに見えた。新たに2つの新薬候補の研究・開発にも関わり、臨床試験に進めた。従業員の数も100名から200名以上に倍増していた。会社全体が元気で勢いがあった。自分自身も自分の目標を順調に進めていると感じていた。新薬を申請し、承認を勝ち取り、自分の部署をさらに発展させ、自分も昇進するのだ。とうとう集大成の年が来たかと。。。

2023年前半は大忙しとなった。新薬承認申請資料の自分が担当する部分は、すでにデータがそろい、ほとんど書き上げた。予想外の2つの大きな安全性の問題が起こった。しかし、新薬開発の世界では、予想外の問題は想定内だ。新薬開発成功に向けての問題解決だ。やりがいがある。どんとこい!と思って、全然苦にならず、問題解決に向けて、がむしゃらに取り組めた。

ところが、7月、2023年後半に入ったところで、衝撃のニュースが舞い込んできた。新薬申請に向けて進めていた臨床試験のことだった。ふたを開けてみると、ぜんぜん効果が認められていなかったのだ。以前の結果とは全く異なっていた。この結果では、とても申請はできない。プロジェクトは即刻中止となった。同時に半数となる約100名の社員がレイオフされることとなった。レイオフされることになった社員の中には一緒にずっと頑張ってきた仲間もたくさん含まれていた。

僕は会社に残って、立て直しに協力してくれと頼まれた。しかし、たくさんの仲間を失い、集大成となるはずだった1年が吹っ飛び、同じ会社内で自分自身を方向転換させることは容易ではなかった。転職して新たな挑戦を探すと決めた。

幸い転職活動は順調に進んだ。どうせ転職するなら、けじめとして、これまでとは大きく異なる挑戦をしたいと思った。これまでの経験を活かせつつ、これまでとは違う会社を、自分のワクワク度を基準に選んだ。選んだのは、これまで経験のない治療領域、薬の形態を研究・開発する会社だ。これまで住んだことのないサンフランシスコ・ベイエリアにある会社だ。しばらくはボストンからリモートで働くが、来年早々にはボストンからカリフォルニアへ大移動だ。

2023年は、集大成の年となるはずだった。ところが、それが180度変わり、新たなスタートを切る年になった。すごろくゲームで、ゴールにもう少しというところまで来ながら、絶対止まってはならない「スタートに戻る」のマス目に止まってしまったため、またスタートに戻った感じだ。ただ、すごろくゲームと違い、人生でのやり直しは、全くゼロに戻ることはない。思い出、経験、仲間、たくさんのものが残り、自分の人生を豊かにしてくれる。予想だにしなかった展開だが、これだから人生は面白い! 
2024年もどんな展開になることやら。。。


#今年のふり返り

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?