小説分析レポート
1.選んだ作品
(a)重松清「タオル」
2.あらすじ
少年の祖父が亡くなり、今まで来た人とは違う言葉を話す東京の人通夜の日の午前中にが来た。その人は昔祖父のことを雑誌で紹介するために取材したシライさんという人だということを後から知った。白井さんと少年は二人まとめてヤッカイバライされてしまい悲しかったが、少年はシライさんが宿泊することとなっている「みちしお荘」まで案内することになった。少年はシライさんに誘われ、「みちしお荘」の食堂に入ることになった。そこで少年は昔の祖父についてシライさんから聞いた。日が落ちてからシライさんと少年は家に戻ると、シライさんはすぐに大人の仲間入りしてしまい少し悔しかった。また居場所を無くした少年は、外でサッカーボールを蹴っていた。そこに父とシライさんはタオルをとりに納屋にやってきた。父やシライさんに勧められ、少年はタオルを頭に巻くことになった。頭にタオルを巻くと、少年に一気に涙が込み上げてきたのであった。
3.作品の分析
私はこの作品を分析するにあたっていくつかに分けて分析していこうと思う。
まず一つ目は、文章中に出てくる「タオル」の持つ意味に着目してみようと思う。そもそもこの「タオル」は少年の祖父が漁に出るときに毎回身につけていた物であり、文章中にもそのような表記があったことから、おじいさんの象徴であることがわかる。また、祖父が亡くなってしばらくは悲しかったり涙が込み上げてきたりすることのなかった少年が、タオルを巻くことにより涙が込み上げてきたことから、タオルは少年に祖父が亡くなったことを意味しているのではないかと考えられる。
次にそのタオルや持ってきた写真などを上手く活用して少年に現実を伝えようとしているシライさんの役割についてだ。シライさんは今まで悲しかったり、涙が出たりすることのなかった少年を写真を見せながら少年の祖父の昔の姿を語ってあげることで、少年は祖父が亡くなったという現実を理解したため、シライさんには少年のために過去と現実をつなげる役割があるということが考えられる。
最後に少年の将来についてである。この物語は少年が小学五年生であるときで物語が終わっているが、少年のその後についても考えてみようと思う。少年の祖父がシライさんに送った年賀状には「三代続けて船に乗れたら嬉しい」と書いてあった。また、少年の祖父は少年が中学生になったら船を新調しようという発言もしていた。今まで祖父に可愛がってもらっていた少年は祖父の意思を継いで将来漁師になると考えられる。また、少年は現在「Jリーガーになりたい」と反発しているが、昔反発していた少年の父も漁師になっていることから、少年も漁師になると考えられる。
以上が私が分析した結果だ。
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