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呪われたデザイン

わたしのスマホの”design”というフォルダーには、ちまちまとスクショして保存してきたお気に入りのデザインやグラフィックの画像がある。
でもあるとき、その時期別れの予感がすごかった当時の彼から、「スマホが壊れて全部データが消えた」というのを聞いたことで、私は怖くなり、その人との思い出の写真を、だいぶ更新していなかった”思い出フォルダー”に一気に選択して保存した。でも、慌てていたから間違えて”design”のフォルダーに保存してしまったのでした。
その写真たちは瞬く間にそのdesignのフォルダー内へ散らばっていってしまい、別れも瞬く間にやってきた。その人のスマホからデータは全部消えたそうなので、その人と過ごした日々というのは、この世でその中にしか存在しないものになってしまった。いつか、一枚一枚なんの感情もなく取り除いてまた”design”のフォルダーを整理していきたい。今はまだ、本当にどうしてもそのフォルダーを見る用事があるときに、「もう大丈夫かな?」と開けては、全然まだ苦手なブラックコーヒーを飲んでいるみたいに胃が荒れてしまう。

さて、こうなったら恋愛の話をします。
先ほどの、”思い出フォルダー”というものですが、私はそのとき、生まれて初めてそういうものを作ったのでした。自分のスマホではそういう区分けをしているんだよと聞いて、当時自分もドキドキしながらそうしてみたのですが、結果的には全部の意味で更新されることはなくなり、ついでに私の”design”フォルダーは呪われました。

とはいえ、私は恋愛でしか起こらないこと、しないこと
みたいなことが大好きでした。
まずはデート。生ていて一番楽しいことは?という質問には、何の迷いもなくデートと答えるくらい、あんなに楽しいイベントはこの世に存在しないと思っていました。待ち合わせして、ご飯を食べて、目的を達成して、またご飯を食べる。
夜は酔っ払ってタクシーに乗ったり、逆に何駅分か歩いて帰ったり。
何と言っても、夜景をただ見るというイベントも大好きです。イルミネーションも、水族館の魚も、ただ見る。

それとお土産とか、記念のものを買うのも、行き過ぎるとペアルックとかなんだろうけど、なんでそんなバカなことをしたくなったり、大真面目に花束を買ったり、普段絶対しないことをやりたくなるんだろうっていうあの感じが一番楽しいと思っていました。

普段の趣味とかを差し置いて、真っ赤な薔薇の花束とか、指輪のケース付きの指輪とか、プレゼント包装とか、あんなにキラキラして見えてしまうのは何故だろうか…
あるとき一つ答えが出たのは、小さい頃に刷り込まれたシンデレラ、セーラームーンの影響でした。タキシード仮面て、未だに検索して確認してしまいます。”女の子は、ウエディングドレスを着るもの””誕生日は、苺のショートケーキを食べるもの””クリスマスは、クリスマスツリーを飾るもの”そういうものの呪縛の中に、何故未だに自ら居ようとするのだろうか。クリスマスとかの刷り込みは、百貨店とか、デパートの戦略の刷り込みかもしれません。あとコカコーラとかケンタッキーとかかなぁ。

自分は幼少の頃から、いつだってどこの所属もない、浮き続けてきた鼻つまみ者で、一丁前な言い方をすれば、いつだってマイノリティーで生てきてしまったのに、幸せの在り方だけ、なぜいまだに分かりやすい方に憧れてしまっていたのだろう。そんな風な違和感を、少しずつ感じさせてくれたもののそばに、今は居ます。

映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』が大好きで、あの悲しい話の中では、愛に固執した人たちの脆さや弱々しさをたくさん浴びて、とても共感して自分も救われてしまいます。あとは単純にディカプリオが好きなのもありそうですが、、、何故なら私はロミジュリでも、もはやアロハシャツのディカプリオの「ジュリエット」と叫ぶシーンを思い浮かべただけでもわぁ〜となって、キャッチミーイフユーキャンでの、ネタバレだから詳しく言えないですが、あんな風に急に感情を出されたらちょっともう可哀想で見てられないよという瞬間も、大体同じようなわぁ〜を感じるので、ちょっと怪しいです。

でもやっぱり、キャッチミーイフユーキャンのあのシーンは特別です。
あれは、なくなった愛というもう二度と手に入らないものを認めて、急に立っていられなくなってすごいか弱い少年になる瞬間で、そこで「そういえば、ただの幼い少年だったんだ」と思い出す瞬間でもあります。

やっぱり無理だった。本当は分かっていたのに、期待してしまっていた。
そんなことも自分で忘れるくらい、嘘を重ねまくった16歳の少年に、

自分を重ねることでなんとかまだ生きていこうとする姑息な自分は本当に愚か者ですが、だから好きなものというのもたくさんあります。

山下さんに借りたさくらももこさん著『永沢君』を読んで、「本当に嫌なやつだ」と言っていたのは同族嫌悪だと思います。でも名著です。

恋愛対象として永沢くんを好きになることはありません。
自分みたいなやつは嫌です。
普通に花輪くんが好きです。あれもなんか変わってるけど。

何かいきすぎた人が大好きで、河村隆一とかビジュアル系という存在に堪らなくうれしくなるのはまた別のお話です。

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