見出し画像

都政と小池とスタバ

学歴の問題なのか?

2024年現在、私は東京に住んでいる。
いまのところ、東京都知事は小池百合子である。
自分のところの首長ぐらい知らないといけない。
私は彼女の評伝「女帝」を読んだ。

小池百合子のネガティブ情報というと、学歴詐称疑惑である。
カイロ大学主席卒業と自称しているが、本当は主席どころか卒業していないというか、そもそも入学すらしていないのではないかというものだ。

正直、出身大学なんて実際の生活や仕事の上では血液型に毛が生えたぐらいの価値しかない。
というのは求められる能力というのは立場や環境によって大いに方向性が異なるからだ。

大学での有能さと知事職での有能さは性質が違う。
よって仮に彼女がカイロ大学卒じゃなくとも、それが直ちに都知事能力の疑義につながるとは思わない。

ただあえていうが、そもそも首長の能力いかんで都政が滅びたり栄えたりすることはないのである。

都知事有能でなくて良い説

トゥイッターでどなたかがつぶやいてらした。
中国の明という国は、無能な皇帝がわんさか出現した。
それでも200年以上滅びなかった。
国は官僚が運営していたからである。
皇帝が何をしようが、それとは関係なく国は官僚パワーで正常運転できたのだ、と。

東京もそれと同じである。
都知事の能力ごときでは、東京は滅びない。

ただ細かな影響はある。
むかし、都立高校は偏差値が低かった。
都立最強の日比谷高校も普通の高校になってしまった。
というのが1967年に学校群制度なるものが導入されたからという。

これはどういった仕組みか。
中学生は高校ではなく学校群というものを受験する。
学校群は複数の高校を適当にグループ化したものである。
それで合格すると、学校群のなかの高校のどれかに勝手に振り分けられる。

がんばって希望の高校が入っている学校群に合格しても、別の高校に入れられてしまうかもしれない。
そのため優秀な子は私立に行くようになった。
あるいはやむを得ずいろんな都立高校に散らばっていった。
1981年に廃止されたので、今はない。

というわけで、日比谷高校の偏差値の高さを利用してご飯を食べている人は、都政によって大きな影響を受けたわけである。
そういった人がいればの話だが。

個人的には大した話ではなかったと思う。
優秀な子の絶対数は変わらない。
彼らの進学先が変わっただけであった。

都知事マスコット説

都知事の役割はどちらかというと、マスコット的な役割ではないか。
江戸時代の殿様に近い。
あれこれ指図するよりも、何もしないでニコニコしている方が官僚機構は円滑に回る。

であれば都知事は有能な人ではなく、人格者を選んだほうがいい。
都の職員17万人も、人格が爽やかで楽しげな人がトップになったらハッピーであろう。
都の職員がハッピーであるということは、都の働きもハッピーになるということだ。
都の働きがハッピーとなれば、その働きの恩恵を受ける都民もまさにハッピー化する。

都民の水たるスタバがますますおいしくなるというものだ。

我々は知らぬ間に、政治哲学としてプラトンや孔子を学ぶ時代に突入していたのである。
人格陶冶を目的とした彼らの思想が、今都知事に最も求められているのだ。

小池百合子は都職員のマスコットになれるか

しかるに小池百合子は人格者であろうか。
残念ながら違う。
「女帝」を読んだらわかるが、彼女の道程は性格の悪さ・不義理・日和見主義・権力への欲望で貫かれている。
ちょっとお友達には、なれなそうである。

性格の悪そうな例を上げると、彼女はなんとなく高邁なことをふっかけて人をバカにし、相対的に自分を高めようとするくせがある。

2024年の都知事選もそうであった。
当時、都知事候補者4名の公開討論があった。
その中で、石丸伸二に経済政策を問われた小池百合子が、なぞの返しをした。

「経済というのは太陽黒点も関係しておりますから。あなたご存知? ご存知でない」

石丸は正直に知らないと答えたようで、小池は満足気に皮肉な笑いを浮かべた。
なんとも嫌な感じではないか。

それに黒点とはなんだろう。
確かに黒点が増えるか減るかすると経済が良くなるみたいな話があるらしい。

しかしそれが都政に関係あるのか。
小池は太陽黒点をコントロールする部署を都に設置するのか?
でないと政策をぶつけ合う公開討論の場で、黒点を引き合いに出した理由がわからない。

黒点コントロール室を設置しないのであれば、この話は石丸を下げて、自分の知的な雰囲気をアピールするためのものだったと思わざるを得ない。

こんな彼女の下で働いていたら、都の職員はイライラしてしまい、ハッピーが下がってしまうのではないか。
彼らのハッピーが下がると、先ほど申し上げた仕組みにより都民のハッピーも下がってしまう。

いま都民がすべきこと

都の有権者はよろしく上記のことを考えて、つぎの都知事選に望んでもらいたい。
それか都民一致して巨大念力を発し、その力で小池都知事を2500年前の中国の孔子宅にワープせしめ、人格形成修業をさせるかである。

前述の通り、都知事がいなくても都政は回るから、3年くらい修行させても問題ないのである。

参考図書

女帝 小池百合子 石井 妙子(著/文) - 文藝春秋 | 版元ドットコム (hanmoto.com)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?