伝統美のテーマパーク「高麗屋展」に行ってきた。
雨粒が満開の桜を散らす3月最後の日曜、日本橋高島屋なんて縁遠いビルディングに足を踏み入れたのは、開店90周年の節目を祝して「松本幸四郎家 高麗屋展」が開催されていたからである。
松本白鸚、松本幸四郎そして市川染五郎。演劇はもちろん、映像作品でもファッション誌でも圧倒的な魅力を放つ三世代の俳優の歩みを入場無料で見られるナイスなイベントとあって、会場は大賑わいであった。キービジュアルの写りの良さだけで心躍るので、日本橋にまで行けませんよという皆さんにもぜひサイトを見てほしい。
しっかし染五郎は見るたびに美しくなる。展示の中では2歳の初舞台からつい先日の歌舞伎座公演まで染五郎の主要な出演作を振り返ることができるのだが、これがファンにはたまらん。
舞台写真を見て回ると、あれもあったな、これもよかったなとその時々のときめきが新鮮に蘇ってくる。金太郎時代のあどけない表情から眼力バキバキの「市川染五郎」に進化していったこの6年、同じ時代を生きてくれてありがとうという気持ちばかりが先行して冷静に観劇できなかった私に、彼が役者としてどれほど成長したかを語る資格はないのだろう。
私はだいたい3階席からオペラグラス越しにその姿を追っている。次こそは一等席から肉眼で拝みたいといつも思うのだが、金銭的なハードルをクリアしたとて「自分はまだ染五郎の視界に入るに値しない」という変な自意識があるうちは無理だろう。
3月26日は高麗屋展に行く前に歌舞伎座で幸四郎主演の『花の御所始末』を観た。この日は三月大歌舞伎の千穐楽で、市川染五郎17歳最後の日でもある非常にメモリアルな一日だった。
来年には鬼滅の刃の歌舞伎化が決まっている。出演者は染五郎と團子、幸四郎、猿之助の4人しか発表されていないが、染五郎が炭治郎、團子が善逸だとしても主要キャストの席はまだまだ空いている。おそらく猿之助は鬼舞辻無惨だし、幸四郎は見せ場的に冨岡義勇が濃厚だけど、冨岡義勇には隼人を入れてほしい、というかそうじゃないとおかしくない?ピンチの時に駆けつけてくる冨岡隼人見たくない?あーもう想像だけでかっこいい。
あんまり想像膨らませると寝れなくなるのでこのくらいにしておきます。歌舞伎が気になったらいつでもお声がけください。喜んで連れて行きます。
大好きなリンツのチョコレート「マンゴー&クリーム」で明日の元気をチャージします。