なぜ、営業と制作はすったもんだしがちなのか。
先日Twitterで呟いた、「営業と制作のミッションの違い」について、思っていた以上に共感してくださった方が多かったので、書いてみることにしました。
営業とは、誰よりも制作者を買っている人間である。
様々なプロジェクトに関わる中で、制作者の困っていることNo.1を上げるとするならば。
それは、「自身の仕事の対価をいくらにするのか」ということ。
他に挙げるとすると、クライアントのオーダーが不明瞭で結局何をすべきなのか不明、などでしょうか。(これはディレクターが解決してくれますね)
営業について色々な考え方はありますが、求められているところは、「製品・サービスに適正な対価を得るために、交渉する人」なのではないかと思っています。
何を当たり前なことを、と思われるかもしれませんが、意外にこれが難しい。
なぜなら、適正ってどう決めるの?って話もあるし、見えない前提としてクライアントが思っている相場観や、案件に対する思い入れや重要度と優先順位、へたすりゃ今日の機嫌なども関わってきてしまう、非常に変数の多い交渉ごと、だから。
三方よしの合意に至るまでには、制作にかかるコスト(時間、パワーを含め)を見えていなければいけないし、クライアントがどの程度の案件として捉えているかを知る必要もある。客観的な事実が並んだテーブルを俯瞰して、ちょうどよく気持ちいい落としドコロ、納得解を導き出し、価格を決める。
自分では何も生み出せないことをわかっている営業だからこそ、
チームの誰よりも制作者を買っている。
これこそが、健全な営業の介在価値なのだと思っています。
なのに、営制間でなぜか起こるすったもんだの理由
例えば、「イベント告知のチラシを納品する。」
この仕事を営業の視界で捉えると、「クライアントが(できるだけ)気持ちよくお金を払ってくれる」までが仕事になります。
すごく極論ですが、例え諸事情で納品まで至らなかったとしても、納得してお金を払ってもらえれば仕事として成立するということです。
これは、制作者からすると何を言っとんねん?納品できひんかったらそりゃお金もらえへんやろ。という世界なんですよね。
これ。対価を得るまでのミッションが違う。ここがお互い見えていないから、コミュニケーションロスが生じる。このことを言葉にして理解し合うまでに、私は結構時間がかかりました。
改めて明確にしておきたい、信頼残高を増やす通貨とは。
制作者にとって対価を得られるかどうかの判断は「納品」が全てですよね。
なので、要件通りにミスなく、スケジュール内に納品ができるかという観点で仕事を受ける/受けないをジャッジする必要があり、納品ができたなら、対価を頂かないといけない。
対して営業は、クライアントの納得度の高さと純度を重視しており、少々不本意なクリエイティブであったとしても、クライアントがOKならOK、(手段は選ばない)という考えを持っているという。
お互いを尊重しながらクオリティの高い仕事をするために、役割とミッション、通貨について会話しておくことを、おすすめしたいと思います。
最後に
いいディレクター、制作に恵まれて、たくさんのことを学ばせてもらいました。
すったもんだで板挟みになり悩んだこともありましたが、(死ぬほど怒られてきました)ミッションは違えど目的は同じ、ということを忘れずにいたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?