なんで”せかいがわらう”のか

”こどもがわらうとせかいがわらう”という名前で活動していると
よく聞かれるんですよね
ちょっと世界観出しちゃってたいそうな名前になってるから
揶揄したくなる気持ちもわかります
なぜ”せかいがわらう”になったのかというちょっとまじめなお話です

15年前に私は母親になりました。
その時に思ったんです
お母さんは小さな世界で生きなければいけないのかなぁと

みんなお母さんになる前は会社へ勤めたり、学校へ行ったり、
社会の中で生きているんですよね
私の場合、若さと勢いで好きな事をやってたからかもしれないけど
割と自由で広い世界で生きていました

そして子供を授かり結婚しました
当時頑張っていた事が仕事になるチャンスを捨てたのはとても悔しかったけれど
産まれてきた子供は何にも代え難い宝物でした
本当にこの世のものとは思えないほど可愛い息子のいる生活は幸せすぎたし
主人のおかげで母親という存在になれたことにも感謝しました
私の小さな世界は、はじめましての赤ちゃんを育てる事でいっぱいに満たされ
家族にご飯を作ること、家事をするのも幸せで
そのための時間はたくさん与えられました

でも私は母親一年生の時点で起業することになりました
その生活に不満があったというよりは
自分がその小さな世界だけで生きていい存在だと思えなくなってしまったんです
主人は朝早くから会社で働きお金を稼いでくれているのに対し
自分にできることはこれだけなのか、と
ちっぽけな存在に感じてしまったんです

補足をすると、主人は決して亭主関白なタイプではないし
私の母親業を見下すなんてことも全くありませんでした
むしろよく褒めてくれたと思います
それなのに、です

社会の中で仕事をする事が専業主婦より優っているという事ではありません
ただ、その小さな世界だけで生きている事が不安になってしまう私がいました
こどもといっしょに過ごしたり
ご飯を作ったり、家事をしている生活に対して
何か申し訳ない気持ちを大きくしていったのです

その後ちょっとした旅行をきっかけに私は唐突に起業したいと言い
あっさり家族も認めてくれました
本当にあっという間の出来事で熟考もせず勢いだけの私に
とても寛容な家族だったと思います
それからの15年は決して楽ではなかったけれど
少し広い世界で生きられる事に安堵し育児と家事と仕事を頑張る事で
少しづつ自信を取り戻していきました

もしかしたらそんな事に不安を感じたのは
私だけだったかもしれない
結婚を夢見たり、家庭に入ることが夢だという女の子もたくさんいます
お母さん、の理想像は24時間365日寄り添ってあげられる専業主婦
というのも日本の社会では強くイメージがありますよね
私も子供の頃はそんなお母さんのいる家庭が
なんとなく羨ましかったんですけどね

でも今、時代や働き方も変わって、小さな世界で生きていることが
不安になってしまう私のような母親もいるんじゃないかな
と思えてきたのです
お母さんになる前に頑張ってきたからこそ
生活のお金のためにという仕事も
習い事をしてよりよいお母さんになる勉強も
きっと小さな世界から一歩出たいという思いも含まれていると思うのです

そうやって少しづつ広い世界に生きると
とても人生がカラフルに見えてきて
家庭の中の色とは違う色んな人との関わりが混じり合い
とても綺麗な深い色合いになっていくのです

うちの子さえ笑っていてくれたら、から
子供のお友達もみんなで笑っていてくれるように、になり
うちの家族さえ楽しんでいられたら、から
他の家族も一緒に楽しんでくれるように、になり
いい学校にさえ行けたら、から
学ぶことの大切さや楽しさがわかるように、になり
与えられる仕事が良ければ、から
自分のチームや会社全体が良くなるように、になり
自分たちの住む地域さえよければ、から
社会全体が良くなるように、になり
この国さえよければ、から
この世界が良くなるように、になる

一人の母親が世界平和を願うなんて、と笑う人もいるかもしれない

でも、自分と世界を分けるボーダーなんてどこにもないし
責任はいつも自分自身にあります
小さな世界で生きなければいけない理由もないのです

私のこどもたちはこの幸せな世界で笑えるんだ、と思えるからがんばれる
これが私の考える母親の仕事

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