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ジェンダー論争に思う事

ぴこん!

LINEの受信音が鳴り、主人から何やらリンクが送られてきました。

主人の仕事に関する業務連絡をしている最中のやりとりだったので、仕事の内容かと思いきや、放送作家の鈴木おさむ氏の記事。急に何なん。

(パンチのある記事なので是非リンクに飛んで読んでいただいてから続きを読んでほしいです)

主人とは毎夜晩酌しながら議論(時に愚痴やくだらなすぎるバカ話も多い)を重ねているのでジェンダー問題にはかなり理解が深いと思っているけれど、その夜は『俺、わかったつもりでわかってなかったかもなーって思った』のですって。

う・・・嘘でしょ。私との議論はよ。

鈴木おさむ氏に嫉妬しながらも、私だって主人に言われて反発した後、同じ内容を友人に言われ素直に受け入れてました。夫婦とはそういうものだな、うん。

主人は私が経営者になるときも、政治の世界に足を踏み入れる時も、背中を押してくれるどころか私の前に走っていって手を引っ張ってくれた人。自信が持てず躊躇する私を説得し全力で応援してくれた人です。
女性蔑視どころか女性崇拝に近い男性ですが家庭を一緒に運営していくにあたってはめちゃくちゃ喧嘩もします。

だからこそ上記の鈴木おさむ氏VS森三中大島さんの夫婦論争は痛いほどによくわかるのです。これは女性蔑視問題ではなく私の話を聞けーーーー!という話です。
夫を辞任しませんのくだりはもはや哀愁さえ漂ってきますもん。可愛げでおさめちゃうあたり素晴らしいオットですね。

『女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります』

この発言について私が感じたことを正直に言うと、『端的に短く伝える技術、手に入れたいな』でした。いつも会議や打ち合わせが長くなる度に反省しているので。

反省しているのになかなか改善しないのは女性だから、ではないと思っています。私よりも話の長い男性だってたくさんいますし、これは伝える技術の違い、個性だろうな、と思っています。背景やなぜその意見に至ったかを伝えたり、相手が興味を持つよう、工夫しているつもりなのです。でも話が長いと揶揄されてしまうのなら改善すべき、と思ったから、先述の思いに繋がったのです。

しかし、世論は全く違いました。これは女性蔑視だ!と攻撃的な発言が日に日に多くなり、連日のメディア報道。もともとはコロナ感染拡大のため、やむなく延期されたはずのオリンピックなのに、ジェンダー議論によって開催が危ぶまれるまでになった事に驚きました。

ここまで何としても開催したい、と会議を重ねてきた組織委員会です。IOCはもとより、世界を巻き込み、怒りで包み、オリンピック出場までの過酷な練習を耐え抜いてきた選手をさしおいてまで開催を危機的状況にした責任はどこにあるのか?

私は問題となった森喜朗氏の一言に限っては女性蔑視だ、とは思えず、聞き手が行間を読んだ事が原因だと思っています。そして、女性は行間を読むことが得意です。女性のいる会議は長い、の後に『そこが女の悪いところだ』と言ったように読んでいるのです。

私の知っている限りですが、森喜朗氏は、これまでの発言からも(リップサービス含め)行間を気にせず発言している方なので、後の謝罪会見からもわかるように、反省しようにもできないのではないか、と思っています。『女の悪いところだ』などとは言っていないから

そしてこの怒りに満ちた一連の騒動に対して、女性の社会進出にプラスになるのか、疑問を感じています。女性のエンパワーメント、女性リーダーの輩出、家庭と仕事の両立の厳しさなど、立ち向かうところはたくさんあるのに、今回の騒動はむしろ、男性、女性どちらも苦めているのではないか、と感じてしまったのです。

政治や改革、社会運動など制度改正などは怒りのパワーが必要な事もわかります。既に大きなムーブメントとなり、女性活躍に至っては追い風が吹いている事も政治に関わる者として、利用価値は存分にあります。
しかし、怒りだけでは何も解決しません。強い力で押さえつける事はむしろ問題をややこしくします。女性は押さえつけられてきた辛さは十分わかっているはずです。だからこそ、今回の、目には目を、のような運動は私には理解しがたい。今回森会長が辞任する事で社会が変革するのか、女性差別がなくなるのか、むしろ大きな溝をつくってしまったような気がしてしまうのです。

男女は対立するものではなく、能力を認めあい、できない事を補い合い、協力を求め、理解を深くして、共に働き、時に愛し合う存在なのに。権利を主張することも、女性の苦労を訴えるのも理解して協力してもらうための手段なのです。相手を責める道具ではないし、最終的な目標を見誤っている気がしてしんどいのです。

最後に、私が政治の世界に飛び込んだのは社会に対する怒りの気持ちではなく、光を見たからです。私は女性として侮蔑されてきたとは思っていません。軽んじられる事はありましたが、それは自らの努力の糧にもなります。まだ理解できないだけ、いつか認めてもらうのだ!という強い信念に変わります。これまで主人に幾度となく訴えて理解してもらったのと同様に。

私たち女性の能力は自分たちで認識しているよりずっと高く、子供を産み育てる偉業をやりながら、社会に貢献できる熱意も精神力もある、素晴らしい存在であると教えてくれたこの本を紹介したいと思います。

”何でもできると信じさせてくれた両親とすべてを可能にしてくれた夫へ捧ぐ”

この言葉から始まるシェリルサンドバーグ氏のキャリアに向けた努力と解決への試行錯誤の術、そして、子育てもキャリアも諦めず前進する姿に光を感じ、立ち上がる勇気をもらいました。 

FacebookのCOO(最高執行責任者)ですら、私と同じ悩みを持っているなんて!と打ち震えた私の人生を変えた一冊です。

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TEDでは要約したスピーチも聞けるので是非こちらも。

私はここで何が正しいか、のジャッジはしたくありません。正解を探すのではなく互いが耳を傾けること、尊重しあう事で成長しつづけると考えています。

そしてやっぱり端的には伝えられず、長いブログになってしまっている・・・

まだまだ私たちは旅の途中です。

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