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2021年10月17日

まぐまぐから発行しているメールマガジン『和噺』の過去ログです

なんだろうね、衆院選の公示前なんですけど、もう普通に皆さん、選挙運動しているじゃないですか。ここで「一票をお願いします」みたいなことを言うと、これは選挙運動になり、NGワードだから、お縄になっちゃうんだけど、そこは「今こそ、国民のための政治を!」とかいう街頭演説をすればセーフというね。これは、選挙運動じゃなくて「政治運動」になるんです。意味不明の、有名無実の法律ですが。

はい、結婚の話します。結婚率が下がっているとか、晩婚化とか、山ほど世間にある話ですが。なんかね、そもそも、自分のことを考えたら、ほとんどの人は結婚したく無いですよ。損得で考えたら、そういう話になると思います。結婚を「買い物」だと思ったら、またその一方で、自分を売るという、トレードになるわけですよ。最大利益を狙えば、当然、試行回数を重ねた上での最善の選択をしたい。一方で、大抵の人は、判断を先延ばしするごとに、自分の商品価値(若さ)が下がっていく。

商品価値が目減りしていく一方で、試行回数を重ねないと、適切な判断は出来ない。さらに、相手も最大利益を狙ってきますから、向こうとの利害が一致するとは限らない。両者が「得をした」と思える取引なんて、ほとんど無い。という、結婚を商品トレードと考えた場合、合意に至る方がレアケースだろう、って話になります。

そもそもね、結婚なんてものは、自分のためにするもんじゃないんですよ。昔の人だって、なんで結婚したかといえば、親の手前とか、家のためとか、でしょう。孫の顔を見せたいから結婚する、みたいな話ですよ。人のためなんですよ。もしくは、結婚相手を幸せにしてやりたいから結婚する、とかね。人のためにするものであってね。これを、自分のためにと思ったら、そりゃ、しない方がマシですわ、となる。

結局、個人化するとね、これは、自分の幸せのために生きる、っていう文化(価値観)ですから。すると、結婚なんて、する理由が無くなるんですよ。結婚ってのは、共同体(家族とか)のためにするものであって、自分のためにするものじゃ無いんですよ。都市化・個人化が進めば、非婚化が進み、人口減少していく。

人間は、個人では幸福にはなりにくい。毎度の話ですが、なんで個人化したのか(個人化の必要があったのか)というと、これは「強くなるため」なんです。集団(国)として、強くなるためには、国民が工場労働者になり、兵士になり、生産効率と軍事力を上げる必要があった。富国強兵、ですね(学校も、そのためにある)。富国強兵のためには、都市と、「個人」が必要だったんです。だから、まずは「個人」ありき。前提条件として、存在する。その上で、個人の幸せは何か、っていう話になるわけです。幸せの範囲が、個人の範疇を出ないんですよ。

だから、何を買うと幸せだとか、あなたの夢はとか、やりたいことをやろう、っていう話になるんです。そういう望みの出どころはどこかといえば、個人ですよ。でも、そういう個人の望みが満たされたから幸せかっていうと、普通はそうはならなくて、なぜなら、はい、毎度の話ですが、人間は「社会的動物」だからです。人のために何かをした方が、幸せになっちゃう動物なんですよ。そもそも利他的だし、利他的な方が幸せになるんですが、でも我々は「利己的」だと思っちゃっているんです。

ドーキンスの利己的な遺伝子論がありますが、まぁ、それも分かりますが。人間の場合は、利己的(遺伝子の保全)の手段として、利他的である、という性質があるのです。だから、主観的(人間の性格)には、利他的なんですよ。結果、トータルで、遺伝子保存のための利己的な行動にはなるんですが、主観的には、利他的どまりなんですよ。その先の、利己的な結果は、結果論であり、遺伝子のみが知るところ。我々の意識が把握できるところじゃ無いんです。だから、もっと手前の単純なところ、気持ちの赴くままに、利他的であればいいんです。

最も深いところ(最終目的)として、人類種保存、遺伝子保存、という意味での「利己的」があり。その前に、人間の本能、情動の赴くままの「利他的」があり。そのもっと手前に、浅っさい意識での「利己的(損得勘定)」があるのです、経済的人格、とかも言いますが。まぁ、ひょっとしたら、さらに人類種を超えたところでの、全生命的なバランス、ガイア的な話での利他的(か、利己的か、もう分からないね)の行動もあるかもしれませんが。それこそ、神のみぞ知る世界なので、関係ない話ですわ。

最後の、ガイア的な部分での利他的(か利己的か分からん)行動というのは、例えば、牛や豚がかわいそうだから、肉屋を襲撃して殺すような過激ビーガンもいるでしょう。これは、人類的にはマイナスの行動ですが、もっと大きな、生命バランスを見ると、ひょっとしたら人類種のためになるかもしれないし、また、人類種を滅ぼすことが全生命のためである、という、獅子身中の虫、みたいな話もあるかもしれない。スピ的な話ですが。我々の預かり知らぬ、そういう情動もあるかもね、ってな話。

まぁ、我々の日常生活でいえば、後先考えずに、損得を考えずに、情動の赴くままに行動した方が、本人も幸せになりやすいのだと思います。幸せってのも、情動と同じレベルの感情ですから、だったら幸せのためには情動に従った方がいいんですよ。損得で考えると、そりゃ金銭的には得するんですが、それだけであり、幸せにはならない、ってことです。はい。またあした。CIAO。

03/10/17 09:02 N.Kato :D

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