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2022年01月07日

民主主義の限界は3万人ぐらいだと、youtubeで宮台真司さんが言っていたんですが。ソースは知らないですが、宮台さんが言うならそうなんでしょう。で、まぁそうだろうなと思うのは、150の2乗が22500ですから。子供とかの、政治参加しない人を含めたら、3万人ぐらいの集団になるでしょう。150人ぐらいが、直接、知れる人の限界ですから、3万なら2段階で繋がるということです。3万人集団だったら、その統治者(王様)は、誰にとっても「知り合いの知り合い」までに入る、ってことです。

逆に統治者側も、集団の全ての人が「知り合いの知り合い」という範囲ですから、それなりの共感性を持って政治を行えます。だから3万人ぐらいまでは、民主主義で運営可能なのでしょうね。江戸時代の「藩」は、300ぐらいあって、日本列島の人口が3000万くらいですから、一つの藩あたり10万。このぐらいになると、150の2乗を超えますから、2段階で共感できる範囲を超えて「悪政」が出るんだと思います。さらに、徳川将軍目線で言えば、4段階ありますから。知り合いの知り合いの知り合いの知り合い、になる。となると、他人です。

共感を利用できる範囲以上になると、共感が発動されないので、一部への贔屓とかが始まり、社会全体の富の分配がうまく働かなくなる。政治が腐敗する、というやつです。じゃあ、どうすればいいのかというと、本能では対応できないことは「教育」するしかなくて。例えば、飛行機の操縦とかも、本能で出来るわけじゃないけれども、教育すれば出来るわけで。同じように、政治にコストをかけないといけない。そのほうが、社会全体での利益が増すので。

じゃあ問題は、どうやってコストを支払うか、その費用対効果を考えるべき。僕のおすすめは、100人集団を作り、その中で1人の「政治家」を選ぶという方法です。

これは100人集団なので、必ず「知っている人」から選ぶことになります。で、知っている人から選ぶ場合は、人格とかも知っていますから、「良い人」が選ばれる確率が高い。人間は基本的に「良い人」です。これは当たり前の話で、普通の人間の価値観が「良い」となるのだから、大多数が「良い人」になるのは当たり前なんです。言葉の定義レベルの問題です。大多数=良い、ということなんですから。だから、直接知っている人の中での多数決だと「良い人」が選ばれます。

学級委員の選挙みたいなものです。学級委員が面倒くさい仕事だから、嫌なやつに押し付けちゃおう、というケースもありますが。まぁ、それは学級委員が「嫌な仕事」だからそうなるわけで。本当に、学級委員の仕事が、クラスメイトの生活に関わっており、尊敬される仕事なら、ほとんどは「ちゃんとした人」が選ばれます。そういうことです。

で、政治の話に戻しますが。任期を4年にして、選ばれた人は大変だけど、政治家として強制的に働いてもらう。徴兵制みたいなものです。徴兵制も、集団サイズが大きくなった結果、防衛のために兵隊が必要になったわけで。同じように、集団サイズが大きくなったからこその、支払うコストです。

100人に1人が政治に携わる。選ばれた人が100人集まり、1万人集団での統治を行う。100人の会議で、1万人の自治体を統治する。また、その100人の中から1人を選び(つまり1万人に1人の代表)、これが100人集まれば100万人の統治が出来る。もし第二段階でも選ばれてしまったなら、プラス4年やることになります。第三段階でも選ばれたら、プラス4年。第四段階(1億人の1人)にも選ばれたら、合計16年。そのうちの、13年〜16年目を「1億人の統治」を行うために費やす、ということです。

という選び方だと、必ず「知っている100人」の中から選ぶので、現行制度よりベターだと思うんですよ。さて、他の「政治コスト」の形として、よく挙げられるのは、インターネットを使った直接民主主義というアイデア。でも、これは「知らない人」から選ぶので、うまくいかない、というか、悪い意味でのポピュリズムになるんです。僕は、それよりは間接民主主義の方がうまくいくと思います。「直接の知り合いから選ぶ」という選択を繰り返していく、間接民主主義です。1億人なら4段階、100億人なら5段階の間接民主主義でいけます。

政治に携わらなければならない人は、それなりに大変なんですが、先ほど言ったように、徴兵制のようなもので、ある程度の個人の犠牲は仕方ない。徴兵制みたいに死ぬわけじゃないし。で、もっと言えば、このシステムだったら、匿名でも出来るんです。直接民主主義だったら、政治家が匿名になるわけないんだけど、間接民主主義なら匿名でもOK。その前段階の100人だけが知っていればいいわけですから。というか、もっと言えば、投票結果をちゃんと監査して信用担保すれば、前段階の100人ですら「誰が選ばれたか知らない」ことも出来る。

第一段階の選抜での匿名性は担保できませんが(だって、本当に知っている人だから)、第二段階以降なら匿名(仮名)も出来ます。裁判員制度みたいなものですね。番号で呼び合う、みたいな。となると、虚栄心とか功名心と縁遠い政治を行うことが出来るので、まぁ、マシになるだろうなと。で、100億人集団だとしても、5段階の選抜なので、最長20年働けば良いということです。まぁ、そのぐらいしょうがないんじゃないですか。世界の1人が20年、公の政治のために奉仕するという、最大でもその程度のコストです。

で、そもそも1段階で選ばれない99%の人にとったら、国家の行く末とか、世界の問題とかを「考えなくて済む」のです。直接民主主義だと、全ての人が知識を得て、世界の問題について、政治について「考えるべき」なのですが、大変じゃないですか。コストが高い。教育はコストですから。それよりは、よく知っている100人のうちから「あいつなら任せられる」という人間を選ぶだけなので、とても楽です。99%の人は、身の回りの生活、幸せを重視できます。どうですか、そんな政治システム。うまくいくと思いますが。またあした。CIAO。

04/01/07 10:05 N.Kato :D

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