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実家から送られてきた初物のスイカは母の好物である ／かとうなみさ
青空の澄み渡るを文鳥の瞳に映して部屋で夏待つ ／かとうなみさ
雲が泣く冷たい朝の窓際で「ホットコーヒーお願いします」 ／かとうなみさ
先人の憧憬収めた絵画見てポストカードを5枚も買った ／かとうなみさ
寒い日にアイスコーヒー背伸びして飲む愛すべき大人ごっこだ ／かとうなみさ
「あれあれ」が口癖である君の「あれ」だけを頼りに散歩する夜 ちゅうしてるみたいな君の口元…
自転車が花に埋もれて待ちぼうけ ここだけ遠い未来の世界 ／かとうなみさ
反射した光眩しい白い花 初夏の匂いが届きました ／かとうなみさ
汗だくで蒸籠(せいろ)の湯気を見ている 気だるい朝の小さな戦い ／かとうなみさ
真夜中のとても自然な腕まくら ずるい私への戒めだね ／かとうなみさ
食べられ待ちの食材がもうダメかもと弱音吐いてる冷蔵庫 ／かとうなみさ
食洗機のモーター音だけ聞こえる雨降りの朝ひとりで泣く ／かとうなみさ
髪色を青く染めたら空映る鏡みたいと太陽が言う ／かとうなみさ
新じゃがの煮っ転がしがばぁちゃんを思い出させる泣きながら食う ／かとうなみさ
