エブリスタ連載「兵站貴族」今日も更新

今朝も更新されております。

兵站とタイトルに入っているだけあって、今日は軍用馬の飼い葉をどうするかという話とか、フォワーダーや専門商社からの情報を作戦立案に使う話とか、とにかく地味。

魔法使いも美少女もモンスターも転生チートも出てこない異世界ものです。申し訳ございません。

「1頭の馬は兵士10人分の食料を必要とする。もしも川から離れた悪路を進撃するとなれば、140台の四頭引き馬車を調達しなければならない。連隊が連れていく馬は560頭である。兵士5600人分の食料が、日々、上積みされるわけだ。そして、馬は飼い葉しか食べられない。飼い葉は穀物と違ってやたらと嵩張る上に、穀物ほど保存が効くものでもない。しかも、冬なのだ。道端に生えている草は当てには出来ないだろう。

 幸いというべきか、ウィシチェ川のすぐ側を大きな街道が走っていることがわかった。グディニャに穀物を輸出している商社の話では、この街道沿いの農村地帯は、内陸部ほど荒廃してはいないらしい。アルソウム地方から輸出した穀物がグディニャのどの地域でどれくらい買われるかによって、なんとなくわかるのだという。

 イガルパ飛脚会社からも、現地の道路や治安についての情報は届けられた。連合王国内ほどではないが、イガルパ飛脚会社はグディニャでも物流事業を展開していた。イグリム港とグディニャ君主国の首都ペヴェク、ウィシチェ川中流の中心都市ツパヌフまでは書状や商品の輸送の需要が大きいため、イガルパ飛脚会社が包括的に輸送を引き受けているのである。もちろん、全てが自社便というわけではなく、海上輸送はマトゥエカ海運会社を中心に個人船主も使うし、グディニャ君主国では現地の水運業者や馬借を使ってはいるが、だからこそ、現地の最新の情報も、エルベス通りの本店には入ってくるのだ。」

https://estar.jp/novels/25508878/viewer?page=73

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