CC7は、インカレの代わりとなりえるか?
ES関東C 加藤弘之
自己紹介
ES関東Cの加藤と申します。2016年のアドベントカレンダーで記事を執筆して以来の記事執筆となります。自己紹介は過去の記事をご覧ください。今回は裏ですが、記事を執筆したいと思い、筆をとりました。今回は、クラブカップ7人リレー2020を契機として考えた、私が考えるCC7のとらえ方について、文章を書きたいと思います。
今回記事を書こうと思った背景
前回は、発起人の方から依頼を受けたのですが、今回は、今年のオリエンアドベントカレンダーの田邊君の記事を読んで、心を動かされ、本記事を書こうと思い立ちました。自分が、田邊君の記事を読んで、心を動かされたように、今回の私の記事を見て、誰かが何かを感じ、来年のCC7が今年以上に盛り上がっていくことを期待して、記事を書くことにしました。
日本一のクラブを決める大会でもあるCC7は、インカレにも勝るとも劣らないイベントであり、大学卒業後、最も応援を受けて走れるイベントであると思っています。このイベントが、インカレと同様にオリエンテーリング競技者の心に火をつける一つのきっかけになり、ひいては、オリエンテーリング界全体の盛り上がりにつながってくれればと思っています。
また、今回のような文章を公開し、アウトプットすることのメリットとして、自分がこういう人間だということを発信することで、同じ興味を持つ人を引き付ける という作用があると思っています。私自身、オリエンテーリングと距離をとってしまった時期が長かったこともあり、すっかり知り合いが少なくなってしまいました。私はこういう人間ですよということを知ってもらうことで、世界のどこかにいる、私と波長の合う方との出会いにつながればと思っています。
私は、2017年に日本に帰国して、すぐに子供が生まれ、1年半ぐらいオリエンテーリングはおろか、トレーニングもやめてしまいました。そんな生活から、もう一度オリエンテーリングを復活しようと思ったきっかけ、その時に考えたことをつづりたいと思います。一部は、インカレがなくなってしまったオリエンテーリング競技者や、社会人になって、またオリエンテーリングを再開しようかなどうしようかなと思っている人の参考になればと思います。
<CC7 2020を振り返る>
1. 前回優勝~今回の優勝の間のES関東C
2020年のCC7で、ES関東Cは、9年ぶりの優勝を成し遂げました。ES関東Cは、2003年の初優勝から、2009年、2011年の優勝に引き続きの4回目の優勝です。そのころのES関東Cの紹介させていただくとすると、ES関東Cは、2003年から2011年の間は、山口大助さん、渡辺円香(現・小暮)さん、藤沼崇さん、そして、私という当時の日本代表を中心とする戦力で、2003年の優勝以降、常に、優勝争いを繰り広げてきました(9年間で、3回優勝、4回2位という、戦績)。
しかし、2011年の優勝以降、山口さん、藤沼さんがオリエンテーリングをやめてしまうなどの結果、戦力ダウンが響き、2012年の3位入賞以降は、優勝争いをすることができなくなってしまいました。私自身は、ES関東Cといえば、常にCC7の優勝争いをクラブであるという認識で育っていたため、優勝争いをしていないES関東Cの姿を見るのは、とても悲しい時期でした。
ちょうどそのころ、私は、仕事、育児などが忙しくオリエンテーリングをできない時期であったため、なおさら何もできず、口惜しい思いをしておりました。さらに2015年からカナダに二年間行くことになり、ES関東Cを休会することとなりました。カナダにいる間は、オリエンテーリングをしていたものの、2017年には第3子が生まれたこと、帰国後の仕事の多忙さなどから、帰国後は、オリエンテーリングをする気力を失っていました。ちょうどそのころから、ES関東Cに、徐々に、若いメンバーが加入していました。2018年には、一桁順位に入るなど、一気に世代交代が進んで行くのを遠目に見ていました。
2.私の話(2019年オリエンテーリング復帰)
上記のようにES関東Cにも若手が入会し、良い雰囲気になりつつあったことも大きく背中を押してくれました。そして、2019年5月ごろ、オリエンテーリングを再開する決意をしました。しかし、カナダから帰国して2年半の間、全くトレーニングをしていなかったので、4か月後に控えたCC7に向けては、自分自身の体を作り直すことに精一杯でした。何とか、Aチームで走れるレベルに戻し、7年ぶりの入賞メンバーとしてES関東Cに復帰することができました。7年ぶりの入賞、将来のある若手とのリレー、とても楽しかったです。でも、振り返ってみれば、優勝できる戦力があったにもかかわらず、優勝争いすらできずに終わってしまったなぁ。という感想を抱きました。とはいえ、ES関東Cに復帰するのも、5年ぶりで、右も左もわからず、クラブの様子をうかがって、新しい人と知り合うので精一杯で迎えたCC7でした。自分のことで精いっぱいで、チーム全体のことをケアする余裕はありませんでした。
3. 2020年のCC7に向けて
2020年2月末から世界を襲ったコロナ禍の中、2020年7月ごろ?NishiProがCC7の開催を仮決定しました。「さて、今年はどうするかな」と思ったときに、去年の思いを思い出しました。今年で、41歳になる自分があと何回Aチームで走れるだろうか。自分が、走っている間に、もう一度優勝したい。そのために、できることをきちんとやりきらないと、後悔するなと思いました。CC7は、毎年ありますが、人それぞれのライフステージによって、オリエンテーリングにさける時間というのは限られているなと実感します。本気でオリエンテーリングをできる時期というのは本当に短い、そして、加齢と戦うことを加えると、今年は優勝できる最後のチャンスかもしれないなと思いました。そこで、「老害」といわれるかもしれないなと思いを振り切り、自分がなすべきと思うことをいくつか実施しました(詳細は、クラブ内秘のため割愛します)。
7月から9月までの準備期間は、個人的にもとても充実した時間を過ごせました。やはり明確な目標があること、その目標を一緒に目指せるクラブメートがいる幸せ。これはインカレの時に感じた感覚の一部を思い起こさせるには十分でした。CC7‗2020のレース展開は、Ok-Infoの記事に任せるとして、ES関東Cは、9年ぶりの優勝を果たしました。一回り以上年の離れた若者に混じってリレーを走り、CC7を優勝するという感覚は、これまで味わった幸福感とはまた違う物でした。若者たちが、うれしそうにしている姿を見れて、本当に良かったと、思うのでした。
と、実際に優勝をして思うのですが、優勝してしまったことで、燃え尽き感に襲われました。そして、目標が達成されることの幸せと、目標を達成させるために頑張っていた時間に感じた充実感、果たして、どちらのほうが幸せだったでしょうか。やはり、目標をもって過ごす日々の充実感は人生を豊かにします。とある研究によれば、人間のやる気がもっとも高まり幸福感が上がるのは、目標を達成したときではなく、「目標を決めてそこへ向かって進んでいる過程」らしいです。例えば、旅行を行く際も、旅行中、旅行後に感じる幸せ感よりも、その準備の期間でワクワクしている時間のほうが幸せを感じたりしませんか?オリエンテーリングを続けるにおいても、ワクワクとした目標を設定して、過ごすほうが充実したオリエンテーリングライフになるのだろうなと思います。
<インカレ卒業後に、何を目指してはしるか>
私は、大学を卒業した年に、ES関東Cに入りました。理由は、「チームメンバーに応援してもらいながら走る興奮を味わいたい」そして、「CC7で優勝すること」でした。なぜCC7を走りたいのか?それは、オリエンテーリング続けるうえでの大事な大事なモチベーションであったインカレ団体戦に変わるものを求めていたからだと思います。
大学卒業を気に、オリエンテーリングをやめる人はたくさんいます。確かにインカレは、日本オリエンテーリング界の最高の大会の一つです。4年という時限があり、一年間濃密な時間を過ごした仲間と、全国のライバル・友人と競う、そんな場は、一年をかけて準備するに足るそんな素晴らしい大会だと思います。一方、大学を卒業すると、そんな魅力に満ちた場は限られます。インカレが終わり、私には世界で戦うという目標がありました。運よく、様々な環境にも恵まれ、日本代表になり、日本チャンピオン、アジアチャンピオンにもなりました。つまり、インカレに求めていた「日本一を争う場」というものの代替物を見つけることができました。ただ、これは、多くの人にとって非現実的な目標です。インカレでは、毎年4年生が引退するため、実際に争うのは、自分の年齢±1の3学年分の相手をすればよいわけですが、実際に日本代表を目指すとすれば、毎年排出される歴代のインカレチャンプと戦わなければならず、それを目標にできるのは、インカレで入賞レベルの数名に限られることでしょう。では、インカレを終えた人は、競争するという喜びを得ることはできないでしょうか?
インカレがインカレたる所以を考えたことはありますか?「4年・計8回と限定されている」ことでしょうか?「同世代の仲間」でしょうか、「濃密な時間を過ごした仲間」の存在でしょうか?「熱い思いをもって準備しているというライバル」の存在でしょうか「日本一を争う」という場でしょうか?「応援してくれる仲間」の存在でしょうか?「○○大の××年続く伝統・歴史」というストーリーでしょうか?人によって、違うと思いますし、それらの要素が複雑に絡み合って、インカレというものの魅力が構成されていると思います。私も、大学4年間は、インカレに魅了され、インカレがすべての4年間を過ごしていました。あの熱い思いをすべて取り戻すことは難しいでしょうが、もし、インカレをインカレ足らしめている要素を、付加することができれば、CC7を、インカレの代替物として、オリエンテーリングを続ける理由足りえるのではないか?というのが私の仮説です。
<そもそも、オリエンテーリングの魅力とは?>
1.オリエンテーリングとは「冒険」である
私は、オリエンテーリングの根源的な魅力は「自分が知らない大地を、地図とコンパスのみで、自力で進むことができる」という冒険だと思っています。しかし、日本のオリエンテーリング界では、テライン資源の枯渇の問題もあり、テラインの再利用が積極的に使われています。すると、年を重ねるにつれて、「自分が知らない大地(テライン)」というものがなくなってきます。特に、魅力的なテラインについては、積極的に日本代表合宿で使われることになり、卒業後、数年もたつと、「既視感」しかないテラインでオリエンテーリングをすることになります。インカレエリートになるような人であれば、ある程度オリエンテーリングができるので、既視感+経験があれば、そこそこ回れるようになるでしょう。しかし、知らない大地を地図とコンパスのみで、走破するという冒険を得ることは徐々に少なくなると感じることではないでしょうか。
2. 競技会として人と競争する楽しみ
すると、そこで次に魅力となるのは、競技会としての魅力です。オリエンテーリングを競技として考える際には、絶対的な評価軸はありません。マラソンや陸上のようにタイムという絶対的な目標があれば、一人でも自己研鑽という楽しみがあります。しかし、オリエンテーリングは、他者と同じコースを走ることでの競争しかありません。つまり、大会という場で、他者と競うという競技会が欠かせません。他者と戦い、勝ち負けという物語を通じて、オリエンテーリングを楽しむことになります。誰誰さんに勝った負けたというイベントがなかったとしたら、オリエンテーリング大会の喜びがどれぐらい下がってしまうでしょうか?私個人の話とすれば、数年間のブランクで、若者の名前と顔がわかる人がごっそりいなくなっているのに気が付きました。エリートの上位層には、昔のなじみの面々がいますが、M21Aともなると、若い学生の場です。結果を見ても、誰だかわからない人たちの名前が並びます。こうなると、競争しているという感覚はなくなります。そして、そもそも日本一や、世界を舞台に活躍するということを目標にしていた自分にとって、M21Aで、入賞するかしないか?というのがどれぐらいのモチベーションになるでしょうか。
3. チームで戦う喜び
インカレに熱中する要因として、団体戦というものがあるように思います。日本古来から続く、そして、日本の文化に強く根付いた、団体戦、リレー、駅伝というイベントの原体験に紐づくのでしょうか?団体行動を良しとする日本文化を構築するうえで、集団で何かを達成するという喜びを埋め込む地雷のような仕組みかもしれません。いずれにしても、インカレで興奮する要素として、「応援される・応援する」という要素は、欠かせないと思います。それがあることで、猛烈にインカレという体験が、数倍にも膨れ上がると思います。では、どういう人をあなたは、「応援したい」と思いますか?
これらの要素がすべてではないと思います。しかし、私にとってインカレが熱狂したのは、チームで一つの目標に向かって努力をし、時間を共有して、チームメイトの走りを応援し、その結果に一喜一憂する。その過程も含めた一体感を感じることが大きいように感じました。では、それを得られる環境を自分で作っていけばよいということに気が付きました。
<応援したくなるのはどんな人?>
一つ目は、同じ組織に所属する人です。「日本代表」というだけで、無条件に応援したくなりませんか?さらに言えば、海外で戦っている「日本人」というだけで、応援したくなる人もいると思います。高校野球で、自分の出身県の高校が勝ち上がっていたら、縁もゆかりもなくても応援したくなる人もいるかもしれません。私は、スポーツ観戦が好きなので、地元のプロチームを応援するのが好きです。今は、川崎に住んでいるので、川崎フロンターレを応援していますし、トロントにいるときは。、NBAのトロントラプターズを応援していました。このように、同じ集団であると認識できる枠組みを活用して、応援することができる人もいます。
しかし、応援しようと思ったときに、選手のことがわからないと、応援にも熱が入らないことに気が付きます。その人が、どういう想いで、そのスポーツに取り組んでいるのか?どういう経緯で、どういうキャリアで、どういうストーリーでそのスポーツをしているのか?ということを知ることで、応援にも熱が入るようになる人もいるのではないでしょうか?その人がかける思いを知ることは、応援の熱を高めることに必要な要素かなと思います。同じ集団に属しているというだけでは、応援の力を最大限引き起こすことは難しいです。根本的にはその人とのかかわりの時間、深さ、つまりその人を理解しているからこそ、応援したいという強い思いが生まれてくると思います。
インカレでは、それらの多くの要素、「同じ集団に属している」「一緒に過ごした時間の長さ」「インカレにかける思いの共有」これらが、インカレを熱くしているのではないでしょうか?(もちろん、これら以外にも様々な要素があると思います)。逆に、そのストーリーを共有できない人にはインカレの魅力は届きません。インカレを卒業して、最初の数年は、自分が一緒に過ごした後輩が戦う姿を見て、心を打たれます。しかし、オフィシャルを卒業し、合宿にもいかなくなり、自分の知らない後輩が走るようになると、選手の裏にあるストーリーが見えなくなり、「昔、自分が所属した組織」という理由だけで応援することになります。それは、過去に感じたインカレの熱はさめ、そして、OBは静かにインカレとのかかわりを薄めていくようになるのだと思います。インカレという目標を失った我々が、インカレと同様の熱い思いを経験することはできないのでしょうか?
<人は、幻想の中で熱狂する>
もう一つ、気が付いたこととして、「人は、自分の眼鏡から見た世界で生きている」ということです。インカレを当事者としてみると、あれほど輝いている世界はありません。しかし、一<歩離れてみれば、それをはたから見る人からすれば、1オリエンテーリング大会と大差はないという場合もあります(近頃の演出技術の導入などは、インカレだからこその要素であり、観戦者としてのインカレは素晴らしい発展を続けています。一方、インカレを走る人という競技者の経験という観点からすると、GPSの画像を自分が見れるわけではないなど、本質的には変わっていない。のかなと思います)。インカレを輝かせているのは、インカレ参加者がそれぞれが持つ、それぞれの色眼鏡をかけてみるから、そう見えるのだと思います。
もう少し哲学的な話をすれば、人は、自分の心の中にある眼鏡をかけて生きていて、外界の情報をどのように受け止めるかは、その人の考え方、受け取り方、物の見方に依存していると思います。私は職業がら、オリンピック選手や、マイナー競技の選手などと触れ合う機会があります。その様子を見ていると、華々しい世界であっても、その裏は、我々のオリエンテーリング界と変わらない運営体制があったり、します。その様子を見続けていると、いま、世間でもてはやされている選手は、本当に魅力的なのか?という疑問に感じることがあります。例えば、e-sportsの世界チャンピオンがいたとします。その人は、その世界では(世界規模でいえば、すさまじい参加者数がいる)人気でしょう。しかし、その人を、すごいなーと思うかどうかは、人それぞれによると思います。それとともに、オリエンテーリングの日本チャンピオンは、どれぐらいすごいでしょうか?それも人によってとらえ方は違うでしょう。逆の見方をすれば、CC7に対してもすごいと思えるような色眼鏡をかけることができれば、CC7もよりストーリー感のあふれた大会になりえないでしょうか?なので、合えて、冷めた見方をせずにその舞台に、あえて酔いしれてみようと、そういう眼鏡をかけてみることにしました。
<ドラマを作るために、背景にストーリーが必要>
色眼鏡をかけるにあたって、もう一つ重要な要素があります。それは、インカレの盛り上がりの裏には、自分のストーリー、そして、チームとしてのストーリー、ライバルのストーリー、チームの歴史というストーリーがあると思います。これらの要素が、CC7の盛り上がりにも必要なんだと思います。そのためには、自分の中でストーリーを紡ぐこともそうですが、チームとしてのストーリーを作ること、ライバルとしてのストーリーを作ることが大事になると思います。それは、学生クラブの時は、会報というものが、個々人の思いを共有する物として機能していたと思います。インカレに向けた抱負、インカレを終えた後の感想。そこにあふれるインカレに対する熱が、同じチームの人たち、ライバルたちにも伝播していっていると思います。
また、プロスポーツを見てみると、盛り上がるためには、メディアの存在が欠かせません。メディアが作り出す、ドラマ、ストーリーをベースに観客は、それぞれの中にチームのストーリーを思いえがき、応援に力を籠めます。我々がCC7をより魅力的な大会にしていくためには、そのストーリーが一つ一つ必要になっていくのだと思います。「個人がかける思いを共有すること生まれるストーリー」、「チーム内で意見交換を行い、時間を共にすることで、生まれるストーリー」、「ライバルとするクラブとのこれまでの戦いの歴史」これらが発信されればされるほどに、CC7の大会としての魅力は上がっていくのではないかなと思います。
CC7は、インカレとは違うストーリーを作り出すこともできると思います。なにせ、インカレは4年間のストーリーですが、CC7は、一生をかけてのストーリーにもなるのですから。
<CC7 2021に向けて>
1. 舞台を作るのは、運営者と参加者
早々にNishiProが、来年度のテライン候補地を公表してくれました。2020年度のインカレロングが開催された矢板秘蔵のテライン。競う舞台としては、不足はない、素晴らしいテラインだと思います(地図を見ただけですが)。次は、参加者がどういうストーリーを作るかというところだと思います。ストーリーがあるところに、ドラマが生まれる。そして、そのドラマが人を引き付ける。そして、人が次のストーリーを紡いでいくというインカレが成し遂げてきたサイクルをCC7でも、今後も続いていってくれればなと思います。
この記事を通じて、より多くの人が、CC7に対してモチベーションを高め、より激しい戦いが繰り広げられることを心から願っています。
「ES関東Cにぜひ!」という気持ちよりも、みんなが地域クラブに入って、CC7に対して熱を持ってくれて、CC7により多くのドラマ・ストーリーが紡がれることを願っています。個人的にはそのストーリーを味わいたいし、その味わいこそが次のオリエンテーリング体験をより華やかにしてくれるものだと思っています。なので、Ok-Infoでも、FORSTAなどのウェブメディア、O-towerや、ONNなどのオリエンテーリングラジオなどのメディアにも、期待していて、それぞれのクラブにあるストーリーを語り、共有する場に発展していってほしいなと思います。
2. 私の野望
個人的には、そういう応援する楽しみもCC7の楽しみの一つです。個人的な目標として、CC7の3冠があります(あくまで、個人的な野望です)。応援を楽しむためにも、クラブメイトのことを知りたいし、クラブメイトとかかわりたい。オリエンテーリングをうまくなりたい、オリエンテーリングで何かを達成したいという人を応援するのはとても楽しいことです。なので、ES関東Cでは、技術力向上プロジェクトとして、隔週で技術講習会をZoomで開催中です。やはり、卒業してからもオリエンテーリングをうまくなりたい、早くなりたいというモチベーションを維持し、実際に成長を実感できるような仕組みは、日本オリエンテーリング界が盛り上がっていくためにも必要だと思います。その下地は、地域クラブにあるべきかなというのが私の理想です。
最後に、リレーのドラマ性を高めるのはクラブ内選考というものは、ドラマに不可欠ですし、強い競争意欲を掻き立てることができます。それに伴い、クラブ全体の競技力向上につながればよいと思います。個人的に、一番オリエンテーリングが伸びたのは、インカレ団体戦メンバー入りをかけて争っていた2年生の1-3月だったと思います。やはり、身近なところにライバルがいるのが一番燃えますね。そういう意味でも、ES関東Cも新入会員を大募集中です。今年も多数の新入会員が入ってくれて、来年のCC7メンバー入りに向けて、熱い選考が行われそうな気がするので、その選考レースが今から楽しみです。20歳も下の若者たちと競争するのも、また、新しい楽しみになればと思っています。
<終わりに>
CC7には、競争環境というだけではない、一年に一度、皆が集い、旧交を温めるという忘年会的、同窓会的な圧倒的な価値があります(優勝を目指して、CC7を走っている人は、全体の一握りでしょう)。それでもあえて、CC7の中でも競技的な要素にフォーカスして、振り返ってみました。CC7を一つの契機としてとらえることで、日本オリエンテーリング界の競技力向上につながればと思っています。やはり、競争が激しくなればなるほど、様々なストーリーが生まれますし、上達する喜びを感じる環境も増えていくのではないか、そして、ひいては、日本代表の世界での活躍にもつながっていくものだと思います。
来年のCC7も、とても楽しみにしています。個人的には、今年、優勝して、「CC7は、何度優勝してもよいな」と思った反面。これは自分で走らなくても、チームが優勝するのを、応援できれば、それはそれで楽しいなと思った自分もいました。今年の優勝した経験を踏まえて、ES関東Cの若手は、かけがえのないノウハウを体得したと思います。負けることは、勝つことよりも多くの示唆を与えてくれますが、勝つことでしか得られない教訓というものもあるので。来年以降も、私が走らなくても素晴らしい戦いを繰り広げてくれるものと思います。なので、私にとってのオリエンテーリングの新しい価値を見出すための旅を始めました。やはり、何事も一人で楽しむのではなく、一緒に楽しむ人がいれば、その楽しみは倍増していくものだと思うので。来年も、CC7にかける各クラブの思いを知り、参加者の皆さんが紡ぎだすCC7というドラマを味わえることを、楽しみにしています。