かとうけんぴ

独学で芋けんぴを作り始めて16年。夫婦で7年半、国分寺でおにぎりと芋けんぴのお店をやり…

かとうけんぴ

独学で芋けんぴを作り始めて16年。夫婦で7年半、国分寺でおにぎりと芋けんぴのお店をやりました。現在はそれぞれモノ作りしながら、次の活動を模索中です。

マガジン

  • やりたいことをやったら、こうなった。加藤けんぴ店というお店

    人見知りで、やりたいことがみつからない学生時代を過ごした店主が、おにぎりと芋けんぴのお店を作りました。 『普段の日のなかで、気軽に楽しめるもの』をコンセプトに、そこでやったこと、考えたことを書いてます。 每日がつまらない、と感じてる人に、なにかひっかかるものがあればいいなと思ってます。 お店は2023年5月14日に閉店しましたが、伝えたい言葉があれば、追記していきます。

記事一覧

居場所のつくり方

違和感に居場所をつくるって、どういうことなの? 違和感というのは、特定の問題に対して感じるものではなく、そして人によっても感じ方が変わってくる、捉えどころのない…

違和感に居場所をつくる

前の投稿で書いたように、『かとうけんぴ』として、芋けんぴの製造販売を2024年10月より再開します! 今回は、そこに至った経緯、新しい事業のコンセプトのようなものを書…

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小原春香園を訪ねて、これからを考える

小原春香園との出会い 大阪福島区野田、20年前に専門学校から最初に勤めた学習机のメーカーまで、4年間住んだ場所。駅前にイオン系の大型スーパーがあって、その専門店街に…

かとうけんぴ
2週間前
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青おにぎりを訪ねて、人生について考える

京都、青おにぎり 2011年にオープンして、リヤカー販売とLIVEな握りたてのおにぎりを提供する。いろいろあって、今は「しゃべるおにぎり」のテイクアウト販売や、絵本「レ…

かとうけんぴ
3週間前
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高橋農園さんを訪ねて、サツマイモ栽培を考える

入間郡三芳町上富、通称「いも街道」で代々サツマイモを栽培されている『高橋農園』さんを訪ねました。 「富(とめ)の川越芋」というブランド芋で知られるこの地域は、約32…

かとうけんぴ
1か月前

ないとう農園さんを訪ねて、有機農業を考える

埼玉県伊奈町で有機農業をやられている『ないとう農園』さんを訪ねました。 内藤さんは大学卒業後、1年間自給自足の自然農の農家さんで研修し、その後伊奈町で就農。年間…

かとうけんぴ
1か月前
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こばと農園さんを訪ねて、自然について考える

先日、女性一人で自然栽培の農業をされているさいたま市の「こばと農園」田島さんにお会いしました。 今まで飲食業を数十年やってきましたが、有機農業や自然栽培、オーガ…

かとうけんぴ
1か月前
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いい仕事

お店を辞めて農園に勤め始めた頃、ある質問を受けました。 「加藤さんは、どういう仕事がしたいのですか?」 特に具体的に考えたこともなく、最初は、サツマイモ栽培に関…

100〜
かとうけんぴ
2か月前
1

農業という生き方

今年4月より、別の農家さんで働くようになりました 次は、規模も大きく、農業をしっかりと事業として成り立たせている会社をみてみたい、と考えました。

100〜
かとうけんぴ
3か月前

『のこいちば』ふりかえり

お店を辞めて一年間。次の目標としてこの『のこいちば』でなにが出来るか?を考えて過ごし、無事終えることができました。 もう少し投稿したいこともあったのだけど、この…

かとうけんぴ
3か月前
1

2023年ふり返り

お店を辞めてからをふり返る2023年は、5月に加藤けんぴ店の閉店という大きな節目が訪れました。 閉店までのことは、このnoteに残してきたので、それ以降の飯能に引っ越して…

300〜
かとうけんぴ
8か月前
4

種を蒔く

お店をやっている時は、「お客さんも来ないし、この店をやってても意味があるんだろうか」なんて思っていたけど、辞めてから「ちゃんと意味があった」と感じる事が多くあり…

300〜

積み重ね

加藤けんぴ店は、33歳の時に始めたので、7年半経った今は41歳になろうとしています。 年齢の積み重ね。 経験の積み重ね。 始めた頃は右も左もわからないような感じでした…

300〜

毎日がつまらない君へ

学生の頃から、自分の考えを整理するためなのか、考えてることをそのまま書き出した日記のようなものを定期的に書いていた。 最初に書いたのが2000年、18歳の頃。 そこに…

1

ストイックコンプレックス

徹夜への憧れ子供の頃から、休日はダラダラとゲームしてるのが好きだったし、小学校の文集に、好きな言葉は「マイペース」と書くくらいには、自分のペースを乱されるのが嫌…

300〜
5

閉店について

先日、閉店のお知らせとその後の展開をブログやインスタにアップして、「すごいですね」とか「楽しみですね」といった前向きな意見を多くいただきました。 まともなお店な…

300〜
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居場所のつくり方

居場所のつくり方

違和感に居場所をつくるって、どういうことなの?

違和感というのは、特定の問題に対して感じるものではなく、そして人によっても感じ方が変わってくる、捉えどころのない感覚と言えます。(なのでコンセプトにしたのですが)

だから今回は、《居場所をつくる》を考えた時に浮かんだ、『多様性を認める』という言葉にある違和感について考えます。

多様性とは昨今は、ダイバーシティという言葉でも広がっている考え方。

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違和感に居場所をつくる

違和感に居場所をつくる

前の投稿で書いたように、『かとうけんぴ』として、芋けんぴの製造販売を2024年10月より再開します!

今回は、そこに至った経緯、新しい事業のコンセプトのようなものを書いていきます。

会社組織で働いてみて
お店を辞めた後、農家さんの元で働きました。
農業というのもやってみたかったのですが、個人事業主で苦しかったので、チームで働いてみたいという気持ちも強かったのです。

お店を7年半やった経験を、

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小原春香園を訪ねて、これからを考える

小原春香園を訪ねて、これからを考える

小原春香園との出会い
大阪福島区野田、20年前に専門学校から最初に勤めた学習机のメーカーまで、4年間住んだ場所。駅前にイオン系の大型スーパーがあって、その専門店街にあるのが『小原春香園』というお茶屋さんです。

家具デザインの専門学校を出て、学習机の設計の仕事に就いた社会人一年目。
なにも出来ないのに、雑誌やネットでみるデザイナーに憧れたり、何がしたいのか、誰に喜んでもらいたいのかわからない、モヤ

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青おにぎりを訪ねて、人生について考える

青おにぎりを訪ねて、人生について考える

京都、青おにぎり
2011年にオープンして、リヤカー販売とLIVEな握りたてのおにぎりを提供する。いろいろあって、今は「しゃべるおにぎり」のテイクアウト販売や、絵本「レッツおにぎり」の全国ツアー、グッズ販売などを行う。
多数のメディアにも紹介され、県外や海外の観光客や地元の常連さんなど、多くの人に知られる名店である。

店主の青松さんとは、東京のおにぎり屋で一緒に働いてた仲間で歳も同じ。性格は全然

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高橋農園さんを訪ねて、サツマイモ栽培を考える

高橋農園さんを訪ねて、サツマイモ栽培を考える

入間郡三芳町上富、通称「いも街道」で代々サツマイモを栽培されている『高橋農園』さんを訪ねました。

「富(とめ)の川越芋」というブランド芋で知られるこの地域は、約320年前の江戸時代に開拓された農地で、屋敷と平地林と畑がきれいな短冊状に整備され並んでいます。

サツマイモ栽培について

私自身、1年ちょっと農家さんの手伝いくらいの関わり方で農業に携わりましたが、栽培技術はド素人も同然。そもそも農業

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ないとう農園さんを訪ねて、有機農業を考える

ないとう農園さんを訪ねて、有機農業を考える

埼玉県伊奈町で有機農業をやられている『ないとう農園』さんを訪ねました。

内藤さんは大学卒業後、1年間自給自足の自然農の農家さんで研修し、その後伊奈町で就農。年間200品種の野菜やハーブ、果樹の栽培、農園の法人化や『さいたま有機都市計画』の副理事、固定種の苗販売、土壌医の資格やコンポストでのコミュニティ作りなど、多岐にわたる活躍をされています。

これまで、有機やオーガニックという言葉がどちらかと

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こばと農園さんを訪ねて、自然について考える

こばと農園さんを訪ねて、自然について考える

先日、女性一人で自然栽培の農業をされているさいたま市の「こばと農園」田島さんにお会いしました。

今まで飲食業を数十年やってきましたが、有機農業や自然栽培、オーガニックといった言葉を声高らかに言う方にあまりよいイメージがなく、過激な思想なんじゃないかとすら思っていました。自分を正しくみせるために他者を悪者にするような、対立を煽る感じが苦手なのです。

そんな僕が田島さんに会いにいったのは、働き方、

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いい仕事

いい仕事

お店を辞めて農園に勤め始めた頃、ある質問を受けました。

「加藤さんは、どういう仕事がしたいのですか?」

特に具体的に考えたこともなく、最初は、サツマイモ栽培に関われて、お給料がいただければなんでもいいです、といった感じでした。
でも、その質問が頭に残り、僕は一体どんな仕事がしたいのだろうとグルグル考えていたら、ふと「いい仕事がしたい」というワードが浮かび、自分でスッと腑に落ちたのです。

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農業という生き方

農業という生き方

今年4月より、別の農家さんで働くようになりました
次は、規模も大きく、農業をしっかりと事業として成り立たせている会社をみてみたい、と考えました。

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『のこいちば』ふりかえり

『のこいちば』ふりかえり

お店を辞めて一年間。次の目標としてこの『のこいちば』でなにが出来るか?を考えて過ごし、無事終えることができました。
もう少し投稿したいこともあったのだけど、この半年はひたすら『のこいちば』の準備を進めていました。

『のこいちば』とは

東京都青梅市、奥多摩に向かう途中にあるnoco bakery&cafeさんで開催されている、年に一度のマルシェです。
「加藤けんぴ店」時代から誘っていただき、毎年

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2023年ふり返り

2023年ふり返り

お店を辞めてからをふり返る2023年は、5月に加藤けんぴ店の閉店という大きな節目が訪れました。
閉店までのことは、このnoteに残してきたので、それ以降の飯能に引っ越してからのふり返りをします。

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種を蒔く

種を蒔く

お店をやっている時は、「お客さんも来ないし、この店をやってても意味があるんだろうか」なんて思っていたけど、辞めてから「ちゃんと意味があった」と感じる事が多くありました。

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積み重ね

積み重ね

加藤けんぴ店は、33歳の時に始めたので、7年半経った今は41歳になろうとしています。

年齢の積み重ね。
経験の積み重ね。

始めた頃は右も左もわからないような感じでしたが、お店での経験を重ね、そして多くのお客さまと接したことで、年齢の重ね方に見えてくるものがありました。

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毎日がつまらない君へ

毎日がつまらない君へ

学生の頃から、自分の考えを整理するためなのか、考えてることをそのまま書き出した日記のようなものを定期的に書いていた。
最初に書いたのが2000年、18歳の頃。

そこに書かれてるのは、大体「やりたいことがない」「毎日が暇でつまらない」「このままじゃダメだ」といった内容だ。

人見知りで友達も少く、学校生活でみんなが楽しそうにしているのに馴染めず、なにも嫌なことが起こらなかったから、まあまあいい日だ

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ストイックコンプレックス

ストイックコンプレックス

徹夜への憧れ子供の頃から、休日はダラダラとゲームしてるのが好きだったし、小学校の文集に、好きな言葉は「マイペース」と書くくらいには、自分のペースを乱されるのが嫌いでした。

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閉店について

閉店について

先日、閉店のお知らせとその後の展開をブログやインスタにアップして、「すごいですね」とか「楽しみですね」といった前向きな意見を多くいただきました。

まともなお店なら、お客さんにそういう明るい側面だけを見せてればいいのだろうけど、加藤けんぴ店はちょっと違います。

ここでは、次のステップに進む明るい話じゃなく、閉店を決めた時の、葛藤や考えたことを書いていきたいと思います。

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