社員の創業を推奨するということ

私が在籍していたP&GやMcKinsey は起業する卒業生が多い。P&Gを新卒の時に選んだのは世界でマネジメント人材を輩出しているからだった。McKinseyへの転職を決めたのも、P&Gで学んだマーケティングだけでなく、経営全般を学びたいというモチベだった。若い内から多くの企業の深い経営意思決定に関わることで、それが可能だと考えた。(実際に、大いに役に立っている訳だ。ありがたい限り)

ただ、P&GやMcKinseyは、特に起業支援のようなプログラムがあったわけではない。一方、JDSCにいる社員の古巣でいえば、リクルート、DeNA、(まだ出身の社員はいないが)サイバーなどは、有形無形の起業支援がある (またはあった)。

JDSCのミッションはUpgrade Japanだ。当然、JDSCで働くメンバー自身も、仕事を通じて常識をupgradeできる人材に成長していく。会社としても、他社の上手な取り組みを学び、社員がupgradeできる人材になる上での支援を提供している。

チャレンジ精神、Entrepreneurshipに溢れた人材にとってJDSCがキャリアの中で魅力的に思えるよう、どんな社内制度があるか(もしくは目論んでいるか)紹介する。

各社の新規事業企画・起業支援企画の担当者は参考にされたい。また、2021年の新しい年に新しい挑戦に興味がある方はアプライしてほしい。

社員が起業することを支援するパターン

大きく見ると下記の3つ

【子会社ヘッド型】子会社の社長ポジションをあげたり予算を付けたりなど、在籍しながら新規事業の立ち上げリードをやりたい社員をサポートする(「辞めても良いよ」の前提にはし過ぎない) ⇒ 例:リクルートのRing、サイバーエージェントの各種プログラム

【卒業生支援型】「辞めても良いよ」の前提にした上で、卒業生に出資する仕組みを作って、直接的に起業を促進する制度を作る ⇒ 例:DeNAのDelight Ventures

【新陳代謝型】起業促進だけを目的にした制度ではないが、結果として起業したい優秀層が集まる制度を作る ⇒ 例:リクルートの当たり年退職金

順に見ていく。

【関連会社ヘッド型】

リクルート ー Ringは、社内の新規事業提案の仕組み。スタディサプリもここ発。ここで教育事業を提案した山口文洋氏は、その後事業立ち上げ、リクルートマーケティングパートナーズの代表になったもの。

サイバーエージェント ー 「あした会議」が同様の取り組み。半期に1度、1泊2日の合宿形式で行われるも。マクアケ(子会社。最近上場)がここ発。当初はかなり独立性が高く、撤退判断・増資判断なども厳しく行われたと聞く。現在ではサイバーエージェントの株式保有比率は約6割。そのためここでは関連会社ヘッド型と分類した。

なお、藤田社長自身は明確に、外部から社員に起業をそそのかす介入は迷惑だとしている。

「よく社員に『起業しろ』とあおってくるベンチャーキャピタルがいるのですが、これは迷惑です。われわれからしてみると、育てた社員が辞める上、競合が生まれるかもしれないので、マイナスでしかありません。起業すること自体は良いことだと思いますが、VCは商売です。社員を辞めさせて、起業させて……そういう人間が増えたら彼らに(資金を)突っ込んで稼ぐわけです」

「最近はうちの会社を辞めた人間がやっているファンドも増えてきました。『自分も元々社員だった』というつながりで声を掛けてくるので、私が『迷惑だ』と公言しないと社員も判断しかねます。こういうことは社員を集めて話しても姑息な感じがするので、外部に発信したほうが早いと思いました」(藤田社長)

https://president.jp/articles/-/26436?page=2


DeNA ー Delight Venturesが該当。いわゆるEntrepreneur in Residence =EIRに、投資するタイプ。EIR制度とは、社員・業務委託の立場で、特定企業内に属しながら創業準備をミッションとして働く制度や、その起業準備人材のこと。起業家側:安定した収入を得て生活基盤をもった状態で事業立ち上げができる。当該企業のリソースも活用できるので立ち上げやすい。DeNA側:事業立ち上げの能力ややる気の高いメンバーが関わるため、外部投資や新規事業プランより事業創造の確度を高められる。ソーシングコストも下がる。

DeNA側から出資する際も、株式のマジョリティではなくあくまでマイノリティ出資。(そうしないとEIR側からは魅力が乏しいため)

遠藤崇史氏の創業したRoute06など、素晴らしい起業家がDeNAのEIRとして現れている。

【新陳代謝型】

リクルート① ー フロンティア制度
「退職後、さらなる成長を応援する支援金制度」 で、5~6年勤続したあと、給与の1年分を払ってあげるよというもの。自分が起業する際、1年収入を気にせずチャレンジができる。自分の新卒就活時もバズっていた。「社会人経験を積んで5~6年ビジネスの仕方を学んだら、1000万もらって起業できるんだ~、すごいな~」と思い印象的だった。

リクルート② ー キャリアアップ支援制度 通称「当たり年」
「当たり年」が、35歳から47歳までの間3年ごとに発生。退職に一定金額を上乗せ支給するもの。組織内の説明方法はどうあれ新陳代謝が真意だろうが、起業したい時に考える明確な時間を提供している点は興味深い。これをきっかけにリクルートを退職し、JDSCにジョインしてくれたメンバーもいる。

【JDSCの新規事業企画・社員の起業支援】

JDSCが、力をつける成功の場であってほしいと思う。
よい制度は積極的に取り入れたい。JDSCのミッションはUpgrade Japan(日本をアップグレードする)であり、それができる人材がここから巣立つ、常識をupgradeできる人材輩出企業だと自他共に認識することが不可欠だとすら考えている。

そういった観点で、JDSCが社員の起業支援の制度を作ったので紹介する。現時点でプロジェクトがすでに具体化しているものや、具体化はまだで目論見段階も含めている。JDSCが起業にコミットしているのだという想いが伝われば幸いである。

①JDSC社員への創業支援

上記の、【関連会社ヘッド型】と、より自由度の高い【卒業生支援型】の両方が含まれている。業界の常識を根本から覆す、Upgrade Japanの発想の提案を推奨している。実際に事業責任者が生まれ、リソースを付ける例がでており、詳しくは書けないが、関連会社のヘッドとして、経営の意思決定や、それにまつわる大変な体験をしてもらいたいと思っている。
潜在力のある人材に、大変な思いや意思決定の経験を多くさせることが能力開花に資することにはエビデンスがあり、前時代的に聞こえたとしても、こうした経験の機会を提供していく。

1 JDSCの事業開発能力やAI/機械学習の技術力を最大限活用できる、
2 資金面でのサポートが得られる、
3 将来事業が立ち上がった場合には独立を検討する
…というバランスの取れたリスクリターンの設計が可能、等のEIR的なメリットがあるように思う。

②副業も認めているケースが多い

当たり前過ぎて発信していなかった。そういえばJDSCは副業を許可されているメンバーが多数存在する。
自分自身、これまで消費財、コンサル、製薬、IT、教育など様々な事業ドメインを経験してきた。自分の商売感覚は、多様な経験から掴み取れてきたものだと思う。
とりわけ創業、ほぼ0から立ち上げる時の経験値は大きい。
もちろんJDSCのメンバーになるからにはJDSCの本業で最大の成果を出すことが大前提。また、会社組織なのでどんな状況でも守られる既得権という勘違いが生まれてはいけないと思うが、ビジネスと組織の両方の経験を社員にしてほしいと思っている。すでに副業で自分が社長をしているメンバーも多い。

③元JDSC社員(xDSC)出戻り制度

リスクを取ってもらうため、2年以内であればまた戻ってきて良いよというチケットを渡すというもの。新しいチャレンジをしたい人が、より積極的にアイデアに向かえるようにする意図を持っている。

④EIR Entrepreneur In Residence

今後制度化する。JDSCは一社単体ではなく、JDSCグループとして社会に関わる構想を描いている。これは、単体ではなく複数企業体の集合の方がUpgrade Japanに達する近道だと考えるため。

2021年という新しい年に、上記のような制度があるJDSCで常識を根本から覆す挑戦がしたいと思ってくださった方は、是非連絡をしてほしい。Twitter DMもいつでも歓迎。

現在募集中のポジションはこちら↓。全方位で人がビジネス拡大に追いついていないので、逆提案も大歓迎です。


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