Put Dynamics Ahead of Mechanics

リーダーに必要な資質 ー PDAM

PDAMは Put Dynamics Ahead of Mechanicsの頭文字。日本語が難しい。仏を彫って魂入れず、の逆? ちょっと違う。(日本語が難しくて、誰かいいアイデアがあったらほしい)

先日の、CEOへのフィードバックのエントリでもこの項目を入れていたので、今日はその補足をする。CEOだけじゃなく、リーダー全員に必要。

Mechanics と Dynamics

ゲームの例で考えるといい。ゲームはルールの束で構成される。それがmechanics。それをやる中で叫ぶ、笑う、悔しがるのが体験の本質だよね。アドレナリンが出るほど興奮するとか、寝食も忘れて没頭する経験が、ユーザーから見た体験。この心の動きや、対戦相手とのやり取りがdynamics。

指スマ(親指2本で、「いっせーのーで」の掛け声で合計何本指が上がるか当てるアレ)でさえ、ルール mechanicsは極めてシンプルだけど、興奮する = dynamicsよね。麻雀やサッカーなど、何でも同じ。mechanicsとdynamicsがある。

どちらが大事ということはなく、同じゲームの違う位相がmechanics と dynamicsなんだが、組織運営ではmechanicsを意識しがち。だけれど見るべき本質はdynamicsなんだよね。これをリーダーは深く理解すべき。

大企業でもベンチャーでも大事なPDAM

期末に近く、予算を達成しなければいけない状況にあるとする。大企業であれば、そのためのmechanicsが整っていることが多い。会議体設計、インセンティブ、昇進・降格制度、研修、規定...等々。これで「頑張る」とか「一致団結」というdynamicsを担保しようとする訳だ。

大企業ほど、また、自分が役員上位層に近いほど、mechanicsが目につく。紙に落として報告される。客観的に分かりやすいし。人事制度などの提案を外部から受ける時もこういう話が(少なくとも表面は)多い。官僚制度は、複雑な国際環境や様々な法規制下でビジネスを行う以上、今の所取り入れざるを得ない組織形態だが、まさにmechanismの束と言える。

大企業が如何に制度疲労や動脈硬化を起こしているかは、皆さんよくご存知だろう。特に官僚制度はdynamicsを極端に蝕む。官僚制度は、複雑な国際環境や様々な法規制下でビジネスを行う以上、今の所多くの組織で取り入れざるを得ない組織形態だ。必然的にdynamicsが弱まるため、この問題はかなり根深い。

常に、dynamicsを維持する方策を考え続ければならない訳。なお中国のメーカー(改め総合サービス企業)のハイアールはこの点で興味深い取り組みをしてる。要はマイクロエンタープライズを作っている。参考にされたい。

一方、まだ未成熟なベンチャーには、mechanicsは少ない。そして異常なdynamicsがある事が多い。IPOするぞ! という掛け声で、何もわからないまま、全力で突っ走れる若さが組織にある。なので、イノベーションや、旧来の常識を突破するイニシアチブの確度は、オッズ比で大企業を上回る。
ベンチャー諸賢は、mechanicsを新たに作るとき、dynamicsをどう維持や加速させるか考えてほしい。私は、小グループ化(ハイアールはマイクロエンタープライズと言ったり、京セラはアメーバと言ったり、トヨタはセル生産方式と言ったり様々だが、要は機能的な小グループに分ける)が解の一つと考えている。

JDSCのdynamics

JDSCは設立して3年に満たない若い組織だが、急速に様々なmechanicsが整備され、私としては常に危機意識がある。dynamicsが損なわれていくに違いない。

規程類だけで、これだけ作っている。

監査役会規程
規程管理規程
株式取扱規程
内部者取引防止規程
関連当事者等管理規程
適時開示規程
内部監査規程
組織規程
業務分掌規程
職務権限規程
稟議規程
会議体規程
経理規程
勘定科目取扱要領
原価計算規程
固定資産管理規程
予算管理規程
販売管理規程
購買管理規程
外注管理規程
債権管理規程
与信管理規程
文書管理規程
印章管理規程
反社会的勢力対策規程
コンプライアンス規程
コンプライアンス・リスク管理委員会規程
内部通報規程(公益通報者保護規程)
個人情報保護管理規程
知的財産管理規程
職務発明規程
情報セキュリティ管理規程
ソフトウェア管理規程
ソーシャルメディア利用規程
就業規則
賃金規程
育児介護休業規程
旅費規程
人事考課規程
借り上げ社宅規定

繰り返すが、これはベンチャーが組織の質と量において成長、拡大してエンタープライズ化する上で、必要な施策だ。(これだけ全てリードしてくれているコーポレートチームみんなはすごい。)ただ、mechanicsは強力にdynamicsを毀損する。そのため、常に様々な事を考えている。

ではCEOとして私が最も力を入れるのは何か、だが、皆さんならこうした環境下でどうするだろうか?答えは一通りでなく、書いてもよいのだが、敢えて書かないことにする。読み手の思考にdynamicsを励起できれば幸いである。

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