見出し画像

中国でコロナワクチン(不滅化)接種後抗体の有無検査してきたら辛い現実が待っていた話

私は中国上海在住の日本人であるが、今年の4月、5月で中国の不滅化ワクチン(国薬北京生物科技、通称北生)を接種した。接種目的については、下記NOTEにも書いたので、そちらをご参照頂きたい。

で、今回コロナ抗体の有無の確認を行うにあたって、動機について簡単に述べる。私の知り合い、友人を含めて接種後に抗体検査をしたら(風邪を引いて熱が出たので仕方なく発熱外来に行ったら、血液検査でIgm, IgG両方検査されたということ)抗体が陰性であった(要は抗体無)という話を結構な数で聞いていたからだ。

折角打ったワクチンなのに抗体がないのであれば、何の意味もないし、普段の生活でもっと気を遣わなければならない場面が増えてくると考えたからである。

もちろん、この国ではワクチンを「打つ」という行為自体は大いに正しい。この国でお世話になっているのだから、彼らの方針に従うのは当たり前だし、事実ワクチン未接種の場合、地方によってはホテルに泊めてくれなかったり、訪問を断る企業があるのも事実である。それを考慮すれば、ワクチンを接種したこと自体は間違いではない。

*私の妻の江西省の一部地域では、ワクチン未接種者はホテルや公共交通機関の使用が認められないというところも出てきている。

いざ、抗体検査へ


抗体検査を行ってもらうべく、長寧区の仙霞路にある同仁医院に行ってきた。正門から入り、ボランティアのおねーちゃんに抗体検査どこで出来るのかと聞くと、4号楼(元々は発熱外来、現在はワクチン接種会場)だと。

4号楼行くと警備員に門診(1号楼)に行けと。1号楼で再度ボランティアのおばちゃんに聞くも誰も知らない。そもそも抗体検査をしに来る人間自体が異常に少ない雰囲気だ。しかたなく、「预检」(正門入ってすぐの右手)で確認をするとここで受け付けるから、「挂号费」(受付手数料、中国独自のシステム、これを払わないと受診出来ない)払ってこいと。

1階の正面で挂号をしようとすると同仁医院のカードを持ってきていなかったので、番号だけ(同仁医院のWechat公式アカウントで携帯番号と紐づけ可能)を告げるとまた診察カードを発行され、支払いをAlipayで完了。(18元)

言われた通りに、2階の易内科」へ(2階の東北の隅にある)。

画像1

2階の2Bの右奥に易内科」はある。

画像2

ここに入って直接お医者さんに診察カードを渡し「做新冠抗体(检查」と伝えれば手続きを行ってくれるので、カードを返してもらったら外にある(至る所にある)支払機で費用80元を支払う(Wechat Pay、Alipay両方可能)。

支払完了後、支払い証明書をもらって再び1階の西北の方角に行くと「住院部」(入院専用病棟)に至る長い廊下があるので、そこに行き途中右手に「验血」(血液検査)があるので、入り口右手に番号発券機があるので、診察カードを通して番号を入手する。

画像3

順番が来れば、番号と名前(我々外人はローマ字で読まれる)が呼ばれるので、指定の番号の席に着席する。採血後30分で結果が出る。

画像5

↑検査結果報告書発行機

30分後、どきどきしながら「自动取报告机」(検査報告書発行機)に診察カードを通して検査報告書を受領する。

「んんんんん???」

画像4

結果は、「陰性」(抗体無)。


ある程度覚悟はしていたが、これはショックな結果だ。とは言え、くよくよしていても仕方ないので、再度4号楼のワクチン接種会場へ赴く。医者から今後についてどうするべきか聞くためだ。

4号楼の入り口で事情を説明し中に入れてもらい、お医者さんと看護婦さん数名に話をした。皆一様に「え〜そんなことまで知らないよ」的な感じだった。とあるお医者さんは「阴性?有什么不好呢?那是好事啊?」(陰性?何があかんの?ええこっちゃ)·とPCR検査の結果と勘違いする始末。

数名の方と話して理解したのは、

① 中国政府としてはまず接種率を高めるべくまず打ってない人を優先して打っていく
② 故に、2回目以降の接種については現在推奨しない。打って何かあっても責任はもたん。
③ そもそも、全国民に打っていくという使命感が先走り、それ以降のことについては考えていないか考えていても後回しにしている風な感がある

という点である。

抗体が出来ていない?それとも抗体はあったが消失したのか?


そもそも中国ワクチンの効果については、香港大学の研究発表にあったように、外国製のものと比べると見劣りするというというのは周知の事実である。そもそも不滅化ワクチンなので、mRNAワクチンと比べること自体がナンセンスなのかもしれない。

更に、研究によると下記のような報告も上がっている。

・シノバック(科興)の抗体はファイザーのと比べて10分の1
・抗体数:シノノバック2回接種後でもファイザー1回分の約半分程しかない
接種後40日で抗体は50%減少

つまり、私は5月に2回目を接種(シノファームだが同じ不滅化)してから今回抗体検査する9月まで4カ月(120日)あいたことになる。上記の報告が正しいとすると、私の中に出来ていたかもしれない抗体は既に消失してしまっていると考えるとつじつまが合う。

となると、現状3回目が打てないことを鑑みると、今後私がとるべき行動はこうである。

● 必要のない外地への出張を極力避ける。
● 外地出張から上海に戻るとすぐに同仁医院でPCR検査を受け、陰性であることが分かってから出社するようにする
● フィルターのある不織布マスクを常時着用し、手洗い、手指の消毒をこまめに行う。

私はこのショッキングな事実と今後の対策についてすぐに社内で共有及び協議し、会社として社員に防疫意識を落とすことなく、外地出張後には極力PCRを受けるような仕組みを構築するよう指示を出した。


今回抗体が消失しているという残念な結果だったが、今後開発が進む中国製mRNAワクチンの登場を心待ちにしている。今のワクチンが駄目でも今後出てくるワクチンの有効性が更に高まることを期待している。中国加油!

<参考>

同仁医院のWechat公式アカウントは下の写真の通り。

画像6

赤でマークした「我的绑定」から個人情報(診察カード番号含む)を入力し、携帯番号と診察カードの紐づけを行う。

画像7

紐づけ完了すると下のような表示になる。

画像8

現在は、同仁医院の「挂号」や診察費・検査費用等もこのWechat公式アカウント内で決済可能になっているのだが、身分証縛りがある為、我々外人はその恩恵にあずかることができない。仕方ないので機械に診察カードを通して支払いを処理するしかない。

各種検査結果は下記場所(「我的报告」)で確認できる。各領収書の電子版(PDF)もここでダウンロードできる。(これめっちゃ便利)PCRやワクチン接種記録については、上海であれば「随身码」で確認可能。

画像9

画像10

上海で出産を考えられている方、同仁医院めっちゃお勧めです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?