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鈍感だと勝手に決めつけてた人達が実はそうじゃないことに気づいた話(上海封鎖)

上海浦西地区が封鎖され早5日目に入った。

 お上より1回目の物資の支給はあったものの、家族構成員に合わせた量が配給されるわけではなく、1世帯に1箱であったため、正直今後も封鎖が長引くようであれば、食料も飲料も足りなくなってくる。娘のおむつもあと数日で無くなってしまいそうだ。

 Facebookで現状を書いていると、空手の先輩方や友人が日本から物資を送るよという優しいお声がけをいただいたのだが、如何せん中国国内の物流が完全に止まっている中、国際便が届くとも思えないので丁重にお断りした。

 今回私が住んでいるマンション(小区=日本で言う団地のイメージで、周りが壁で覆われている)は既に2回目の封鎖に突入したが、マンション内で抗原検査キットが配られ自分で測定を行う必要ができたので、棟ごとにグルチャが作られ、検査結果をそのグルチャに写真で上げると言うことを行うようになった。

 中国Wechatのグルチャは日本のとはかなり様子が違う。簡単に言うと、とにかくカオスである。各個人が好き勝手に発言し、自分の商売の宣伝やTiktokのフォローしてくれ的なものから、クッソ長い文章のリンクを貼ったり、面白くないTiktokの動画をあげたり、もうとにかく無法地帯の様子を呈しているのである。

 今回PCRを行う際以外の自宅から一歩も出るなというお達しもあり、皆家で大人しく過ごしているのだが、自宅で悶々としている人の中にはどうにかして身体を動かしたいという人がいるものである。一番困るのが縄跳びである。もともと壁が薄い上に、防音素材なども使って作られている建築ではない為、音と振動がストーレートにお隣さんや上下の階に伝わる。特に下の部屋にいるとストレスが溜まる。

 ちょうど私の上の部屋の人間が朝から晩まで五、六回縄跳びを行い、それを数日続くものだからいい加減頭にきて、「縄跳びやめてくれ、息子達が勉強に集中できない、娘が今昼寝している」とグルチャで名指しで指摘してやっと止まった。ただ、翌日からまた始まったが・・・

 驚いたのは次の日のことである。他の階の住人が上で縄跳びをしている住人に対してうるさいからやめてくれ、とグルチャで要望を出したことである。しかも、2世帯が違う階で縄跳び騒音被害を受けていることがわかった。

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 そもそも、何故このことに驚いたのかというと、そもそも私の認識では多くの中国人が音に対して鈍感で、多少の騒音があっても意に介さないことが多いからである。高速鉄道でよく出くわす、イヤホンなし爆音スマホの人民を日頃からよく見てきているので、これには少し驚かされた。

 無論、全ての中国人が騒音に対して鈍感なわけではない。ある一定水準の生活を送れている方々は我々日本人と同様に「音」の身だしなみみたいなものをよく心得ているし、嫌悪しているのである。

 2月末に現在のマンションに引っ越したのだが、そこはいわゆる「动迁房」(土地開発による立退きの代わりにそこに建てられたマンションに住まわせてもらう)が多く、高齢のバリバリの上海人の方が多く、他の住人に関しても以前住んでいたところと比べると正直質的に落ちるなあというのを目の当たりにしていたので、今回の件では正直自分がかなりバイアスにかかっていたなと反省した次第である。

 また、騒音に注意する人達の言い方もさすが中国人と思うような、ストレートではなく婉曲的にやめてねと言う言い回しを見て秀逸だなあと思ったのである(中国的ハイコンテクスト文化)。この辺りはうちの妻もすごい気を使っているところなので、私ももっと見習わねばと改めて思った。


では。ゼェ〜ウェー(上海語でさようなら)

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