【感想】あの花が咲く丘で、また君と出会えたら。
【映画】「あの花が咲く丘で、また君と出会えたら。」アマプラにて視聴。
〜感想〜
昭和の特攻隊員と令和に生きるJKが
時空を超えて、恋をする王道の物語。
結末が容易に想像出来る。
ポスターを見ただけでネタバレ。
でも涙が止まらない。
それは何故だろう?
まずは、キャラクター付けから。
女子高生の百合は、現代、令和時代の少女。いつも何かに苛立っている。
思春期・反抗期(!?)という便利な言葉でくくることの許される世代。
実際私が、日常の中で見聞きし、自分も体験している。リアリティに限りなく近い。違和感もない。
そして、特攻隊員の彰。
戦時中、昭和時代。戦後生まれの私の想像の世界に生きている。
容姿・性質ともに、あの時代を生き
特攻隊に志願した青年のイメージを全く裏切ることなく、スクリーンに存在している。
ただ彰は「お国のため」と、あの時代の若者が志高く、喜んで死にに行くことが本意とは、決して思えない。
映画の中で、彼の経歴として
大学で哲学を専攻しているとある。
いつも哲学書を携えている。
哲学者にも、平和を唱える人物が間違いなく存在するわけで、彼が誰の本を持っていたのかは、明らかにされていない。
また映画の中で、彰が本音を吐露するシーンがある。
空襲の炎の中で、百合を必死に救い出した後、米と交換する為の「着物」を忘れて来てしまったことを、真っ先に気にする彼女に対し
「ばか! 命が1番だろう!」
と叫ぶのだ。
愛する女性を前にして、思わず出た本音。
あの時代の隊員さんの中には、もしかしたら時代に翻弄され、疑うことなく、出撃した若者も居たかもしれない。
しかし、彰の所属していた部隊の面々は
「愛するものの為に生きたい」と
敵前逃亡しようとしている18歳の板倉を見逃している。
そして...
「僕らの分も生きて欲しい」と
自分たちの想いを板倉に託す。
このシーンで私は(いっそ、隊のみんなで逃げろ! 逃げてくれ! それもありじゃん)と思った。
が、彼らにはその選択肢、発想すらない。
それが、あまりに悲しい。
ー出撃の朝ー
妻と、一度も会うことのなかった幼い娘。二人の写真を機内に飾る寺岡。
お互いに好意を寄せている、千代ちゃんが作った人形を、懐に入れる石丸。
そして、一輪の百合の花を胸ポケットに挿す彰。
愛する者と共に生きるという選択肢のない隊員たちが、それぞれの想いを抱え、沖縄の空へ旅立った。
私は、2人の子供たちに
「今の時代は幸せ。だから感謝しないと」
なんて、チープな台詞を、軽々しく口に出すつもりは毛頭ない。
ただ、自分たちが死ぬことと引き換えに、必ず得られると、明るい未来の日本を信じて
散って行った彼らの歴史を、無念を、決して忘れないでほしい。
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