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旅についてのお話

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日本一周、アメリカ横断、ユーコン川下り
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#アウトドア

ユーコン川のほとりでのソロキャンプは僕に人生の水準点を示してくれた

大学3年生のとき、アラスカのユーコン川を3週間かけてカヌーで下った。 ユーコン川は、カナダの北部、ユーコン準州のホワイトホースからアラスカ州を経由し、ベーリング海に注ぐ川だ。 この旅のきっかけは、前年の夏、アメリカ横断のオートバイツーリングの途中で、カナディアンロッキーのバックパッカーズ(格安のドミトリー宿)に泊まった時のことだった。 ロサンゼルスでオートバイを購入し、ニューヨークを目指す予定だったが、せっかくだからついでにロッキー山脈をオートバイで越えてみたいと、北米

犬吠埼キャンプ場のトイレを占拠する。そして、卵がゆに涙する。

大学1年生の7月にオートバイで京都の家を出てから約一か月半。 オートバイで日本一周を一筆書きする旅は、日本海を北上し、メインイベントの北海道一周を終え、東北の海岸沿いを南下しながら、房総半島に差しかかっていた。 雨の日にはユースホステルを使うことはあるものの、資金が限られている貧乏旅行だったので、基本はキャンプ場で自炊をする生活を続けていた。 犬吠埼からの夕陽を眺めたあと、千葉の最東端、犬吠埼のキャンプ場で、近所のスーパーで買ってきた豚肉とキャベツを味噌で炒めて、ビール

京都の青年 ユーコン川で人生のベンチマークを見つける

カナダのユーコン準州からアラスカに流れるユーコン川の名を日本で有名にしたのは、野田知佑氏に違いない。 僕自身もユーコン川をカヌーで旅すると決めてからは、彼のエッセイをずいぶん読んだ。 そして、ユーコン川を下るときに毎日握っていたのも野田氏のパドルだ。 ユーコンの短い夏には、世界中からカヌーイストが集まってくる。 そのため、ユーコン川下りのスタート地点となるカナダのホワイトホースにあるカヌーショップには、あらゆる国の旅人がやってくる。 僕はその川べりでカヌーの側面にぽっ