航海の果てに

本当に伝えたいことは、ほとんど言えなかった

言わなくても良いことは、たくさん言った

傷つけたくなかったし、傷つきたくなかった

そう思うほどに、傷つけたし、傷ついた

幸せにしてあげたかったのは、きっと、幸せにして欲しかったからだ

そばにいたかったのは、絶対に、そばにいたかったからだ

「あなたのため」という隠れ蓑がわかっていたのに、笑って抱き返してくれてくれてありがとう

ありがとうさえ言えずに、ごめんね

愛が何かも知らずに、愛してくれてありがとう
愛が何かを知らないからこそ、正直に愛してくれてありがとう

愛せなかったね、きっと、愛してほしくて仕方なかったから、きっと、私は、あなたを本当の意味で愛せずに

それでも、愛していたから

もう届かない言葉だけは、するすると出てくる

もう届かないから、きっと、安心して話せる言葉があって

こんなにずるい私を決して許さないで
私はあなたを思ってここでずっと苦しんでいたい

苦しみの中であなたのそばにいられるなら
あなたを忘れずにいられるなら
届けられなかった後悔の真ん中で膝を抱えていられるなら

流れる涙が全てあなたのためならば

私を決して許さないで

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