交渉担当者「経済協力は『過去の償い』ではない」

「早急に妥結するためには、韓国側に対して何らかの経済協力及び援助を行うことが不可避であり、またわが国にとっても、過去の償いということではなく、韓国の将来の経済及び社会福祉に寄与するという趣旨でならば、かかる経済協力及び援助を行う意義ありと認められます」

「対韓経済技術協力に関する予算措置について」
外務省北東アジア課 1960年7月22日

画像1

●解説
 1960年代の韓国政府は、米国、日本との関係を軸とする経済発展を、以前よりも切迫した課題ととらえていた。60年9月には、小坂善太郎外相が、日本の外相として初めて韓国を訪問、第5次会談が始まった。

 議題となったのは、韓国側が提示した請求権の内容について。会談に先立って内々に日本の交渉方針をとりまとめたのが、この極秘文書「予算措置について」である。