やめなきゃ潰れない。


私は福岡で約30年エステサロンを経営しています。
福岡はとにかく『消費者の目が厳しい都市』です。
これは以前海外の新聞でも書いてあった様に記憶しています。

福岡は出身女優さんを見てもらっても分かる位、とにかく美人が多いですし、身なりにとても気を遣う人が多いです。
ですので『美容業』はとても盛んで、美容室は向かい同士やお隣に並んでいる事もよくあります。

私が生業としている『エステティックサロン』の経営ですが、この仕事は特別な資格や許可などが要らない為、何となく「キレイ」なイメージだし、勉強すれば自分も綺麗になれるし、お洒落なサロンを作って楽しくお仕事したい!
という感じで始められる方がとても多いです。

どこかのエステスクールに通い、手技を習い、家の一室などで先ずは始められる方が多いと思うのですが、先ずは『資金』が問題なのです。
『資金』は誰が出すのか?幾ら準備するのか?運転資金は幾ら準備するのか?
それが重要です。

私がお話を聞いてきた中で一番多いのが資金を『親に出してもらう』事です。
親からすれば娘が可愛いし、借金をさせたくないという思いになるでしょう。
そして家の一室だったら孫にも寂しい思いをさせないで済むしとお金を出してあげる親が多いのだと思います。

結果から言えばこのパターンが廃業している人が多いように思います。

このパターンの何がいけなかったのでしょうか?
私が見聞きして一番に思ったのは『運転資金』をどの位使っていいのか分からないからではないかという事です。
そもそも廃業する、しないは『オーナーが決める』事です。
どこまで資金を使うか?というところに寄ると思うのです。

では私はどうだったかと言うと、別に詳しくは書きますが、取りあえず顔見知りの営業さんがいる銀行に融資の申し込みに行きました。

そこで分かったのは担保がなければ直接銀行は融資をしてくれないので、県や国の保証機関に保証をしてもらい銀行からお金を貸してもらうということです。
後から分かったのですが、福岡市で女性の最年少での借入れだったらしく、前例を作りたくなかったようで相当に意地悪され、何度も挫けそうになりました。

その経験が生きて、その後少しづつ融資枠が増えていくのですが、そんな事を知らない方も多いと思うのです。
思い返せば、それが私の『経営者』としての始まりだった様に思います。

もちろん資金を誰が出そうと、経営は良い時も悪い時もあるのですが、要するに『やめなきゃ潰れない』のです。
その為には『運転資金』や売り上げを増やす為の『投資』が必要になるので、公的資金などの『借入れ』も必要になってくると思います。
少しハードルは高いですが『助成金』や『補助金』を利用する手もありますが、無謀な資金繰りはいけませんが、長く経営を続けていく為には、必要以上に『借入れ』を恐れなくて良いと思うのですが、初めの一歩に勇気がいるのかも知れません。

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