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【1問1答】法務は事業の意思決定に直接関与してはならない

法務が事業の意思決定に直接関与するというのはどういう行為を指していますか?

法務が事業の意思決定に直接関与するというのは、大きなことで言えば、ある事業のやるやらを決める判断や、小さなことで言えばある契約条件を受け入れるか否かの判断にべき論で介入することを指しています。

なぜ、法務は事業の意思決定に直接関与してはならないのですか?

  1. 法務は事業に関する意思決定の専門家ではないから。

  2. 法務は事業に関する意思決定の結果について責任を負わないから

  3. 法務の担当者は決裁権をもっていないから

上記が理由であれば、法務に限ったことではないですよね?経理だって、人事だって、あらゆる別部門の人に該当するんじゃないでしょうか

はい、あらゆる別部門の人に該当します。ですが、法務以外の別部門の人は、基本的に他部門の意思決定に直接関与しようとはしないものです。にも関わらず、法務はべき論で意思決定に介入しがちであることから、あえて「法務」を主語にしています。

法務は事業部門が違法行為をしようとしていたら止めなければならないですよね?それもNGということですか?

いえ、違法行為を止めることを目的とした介入は重要な例外の一つです。ただし、これは法務の役割ではなく、全役職員の役割です。

では、違法ではないが、不合理な意思決定をしようとしていた場合には、そのような意思決定に直接介入すべきではないということですか?

そのとおりです。正確に言えば、「法務が不合理だと判断した意思決定」ですね。

では、法務が不合理だと感じた判断を事業部門がしようとしているときであっても、法務は何もする必要はないということでしょうか?

そうではありません。法務は、法的な観点からその判断を不合理だと考えた理由(リスクが顕在化した際の影響や、顕在化する可能性など)を決裁者にできる限り正確かつわかりやすく伝える必要があります。
また、他の現実的に取りうる選択肢と、その選択肢と事業部門がしようとしている判断との差分についての説明を行うことも重要な役割です。

そのような対応をしても事業部が不合理に見える意思決定を改めない場合は、どうすれば良いのでしょう

決裁者に正しく情報が届いている場合は、その意思決定からできるだけ良い結論が導けるようなサポートをしましょう。

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