3/22の滴り「誰がなんと思おうとも私の表現に正直であろうとすること」

先日、ご縁があって
「TOKYO MODERN TIMES 2021 ~日本のジャズ・ラテン音楽アンソロジー~」
というコンサートを観に行きました。

内容はこんな感じ。


戦前日本の大都市東京に華開いたモダンタイムス、
やがて洋楽を巨大な胃袋のように消化し、服部良一の作品など
日本独自のジャズ・ラテンソングが誕生。
暗い戦争の時代を経て進駐軍時代に隆盛を極めたジャズの数々。
1950年代、日本中を席巻したラテンブームの音楽までを綴る音楽の旅。
モダン昭和を彩る豪華なエンタテインメントにふさわしいスターが大集合、
ゴージャスな大編成バンドとともに名唱をお届けします。


宝塚OGの方々がご出演されていたということもあり
お誘いのお声がけをいただいた時に、行ってみようかな~という気持ちになりました。

ご出演のOGが
榛名由梨さん 汀夏子さん 寿ひずるさん 姿月あさとさん 矢代鴻さん
ということで、現役時代を存じません。
姿月さんのエリザべートを映像で観たくらいです。
ダンサーとしてここ数年で退団されたOGさんもご出演されていましたが
メインで歌われた方々のステージは100周年のイベントで観ただけです。


榛名さんが歌われる時でした。
榛名さん、なんと燕尾服でご登場でした。
かつての男役の方はこういうイベントでは男役風にして出るものなのかどうか、
通例はわかりませんが
私はその姿を見て驚きました。

ごめんなさい、その時の気持ちを正直に申しますと、
ちょっと仮装のように見えたのです。
榛名さんはご高齢で、体型も年齢相当にふくよかでいらっしゃって・・・
でもしっかりメイクも宝塚っぽいというかやりすぎ感を感じてしまい・・・・
普通に体型や今の姿に合ったドレスやメイクの方がいいんじゃないの?
なんてうっすら思ってしまいました。

ところが、です。
しばらく経つと、私は榛名さんにくぎ付けでした。

ものすごくかっこいい!!!!!!

かっこいいんですよ!
その後、汀夏子さんが歌われ、これまたかっこいい!!!
寿さんも、姿月さんもかっこいい!!!
男役、すごい!
全身からお客様をデレさせます!オーラがみなぎっている!
「男役芸」と言われる細かい仕草や動作がそれを体現しているんだと思います。
そしてもちろん、その心意気をステージに立たれた瞬間、持たれるのでしょう。
男役は死ぬまで男役なのかもしれない・・・・と思いました。
宝塚ってすごい!

私の観た回は
水谷八重子さん、神野美伽さん、マルシアさんがゲストで出られていましたが、
皆さん、歌を愛し歌で楽しませる、という想いが出ていてこれまた素晴らしかった。

矢代さんもそうでしたが、水谷八重子さんも、そして先に歌われた榛名さんたちも、もうご高齢で
歌声も少し衰えてしまっていたかもしれません。
でもそんなこと関係なく
私は皆さんの歌声が心の奥底まで染み入っていくのを感じました。


最近、表現活動をするようになり、
今の私にできることは四の五の考えずに努力するしかないというのはわかっていても
テクニックも才能も経験もないのに年齢だけ高いなどなどで度々悩んだり落ち込んだりしていました。
でも、皆さんの姿を見てそんなの吹っ飛びました。
もちろん、テクニックも才能も経験も重要ではあるけれど、
根本的に大事なことは
自分が表現することに対する姿勢と想いなんだ、ということがわかりました

誰がなんと言おうと
自分がしたい表現を、心を込めて楽しむ。
さらに、観ている方に心地よさ楽しさを感じてほしい。
例え、誰かに「みっともない」と言われようとそんなの関係ない。
私自身の内側から溢れ出る表現に正直であれ。

そんなエネルギーをひしひしと感じた時間でした。
技術力などを含めた現時点での私で、どれだけ私らしく表現をするか。
結局はそこに想いを込めるしかない。
それをずーっとされてきたステージ上の皆さんのパワーを感じながら
大きなものをいただきました。

余談
今回のステージを見て私は
どんなに自分と合わなかろうとどんなにへっぽこに見えようと
表現している人、表現されたものを「つまんない」と切り捨てることはもうやめようと思いました。
好き嫌いはあろうとも、そこから溢れる想いはしっかり受け取ろうと
思いました。



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