朝焼けの思い出 「#絵から小説」
私は夜に寝れない子供だった。理由は明確で両親がいないと不安で寝れなかったのだ。
両親は共働きで、二人とも夜勤で働いていた。私は夜の間中、両親が帰るのを待っていた。
孤独な時間だった。人形と会話をし、壁の模様を数えた。
不思議なくらいとても長い時間待っているように感じた。
待っている間、私は眠くならなかった。
外が明るくなると私は外に出て、朝焼けをずっと眺めた。
もうすぐ、お母さんとお父さんが帰ってくると期待に胸を膨らませながら。
朝焼けを背に走ってくる車を私は今でも鮮明に覚えている。
その景色は私の幸せの景色でもあったからだ。
< 了 >
この小説は清世@会いに行く画家さんの「絵から小説」の企画で書かせていただきました。
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