生きてるだけで、愛。感想

趣里さんと菅田将暉さん主演の映画です。2018年の映画ですね。

あらすじは、主人公である寧子(趣里)は双極性障害と過眠があって無職。ゴシップ雑誌のライターとして働いている津奈木(菅田将暉)のアパートに同棲し、家事も何もしない生活を送っていた。そんなある日、津奈木の彼女だったという人物が表れて寧子の人生は変わり始める……という感じでしょうか。

以下ネタバレあります。

あらすじだけ読んだり、冒頭のシーンだけ見ると、寧子って自分を責め立ててくるわけでもない彼氏に養ってもらっていて、楽な人生そうだなぁって思うんですよね。

でも作品を観ているうちに違うんだって思うようになります。

それを一番印象付けるのはハンバーグを作るシーンです。

ほとんどの人にとってハンバーグを作るシーンはあんな感じにはならないんです。

だって、冷凍のハンバーグ買ってきて目玉焼き載せるとか、ネットで調べて適当に作るとか、そういうふうに対処することができるから。

けど、寧子は違う。

ハンバーグを作ることにあんなに不安を感じていたら、そりゃあ社会で生きにくいですよね、って思う凄いシーンだと思います。

あと、コンビニのバイトは面接の時に起きれなかったけど、紹介してもらった時のバイトは遅刻してしまったけれどきちんと行けたっていうのもすごく対照的なシーンだなって思いました。

やっぱり怖いんですよね、新しい環境って。

でも事前にああやって紹介されてどんな人がお店で働いているか分かると少しは行こうって思うじゃないですか。

しかも、自分の事情を説明した上で働いてもいいよって言われたら、それはもう、行きますよね。行こうと思いますよね。

というか、寧子はやり直さないとってずっと思っていて、でもやり直せなくてって感じの人なので、ここで何とかならないと何ともならないぞって思ってるんだと思います。

だから、遅刻はするけど、トイレで寝るけど、寧子なりに頑張ってた。

けれど、オーナー夫婦とバイトの子の言葉で傷ついてしまう。

でも、そのシーンでも寧子はオーナー夫妻の話とか、悪口を言わないんです。

ただ、「生きているだけでホント疲れる」という言葉を言う。

そのシーンが、辛いほど分かってしまって、思わず今感想を書いているわけです。

というか、オーナー夫妻も、そういった人を立ち直らせてサポートしたいと思っているのなら、勉強しないとだめです。

優しいだけではダメなんです。

というか、優しさが表面的すぎる。

ウォシュレットが怖いっていうのも、理解できなくても受け入れることはできると思うんです。

「そうなんだね、寧子は怖く思うんだね」って。

そう言ってもらえたら寧子だってダメだって思わなかったと思うんです。

でもわからないと切り捨てなかったけれど、でもそのことをなかったことにされたからダメだって思ってしまった。

個人的に、切り捨てないでなかったことにされるのって、その人のことを信じていれば信じているほど辛いんじゃないのかなぁって思います。

結局のところは自分を理解しようとさえしてくれないのだから。


全体的な感想としては、「いやマジで分かる。生きてるだけで辛いわ」って感じです。

ただ、生きてるだけで疲れる人っていうテーマの映画があるだけで救われた気持ちになったっていうことが書きたかっただけです。

でも生きてるだけで疲れている人におススメできるかと言うとあまりにも辛すぎてあまりお勧めできないです。

はぁ。

生きてるだけで疲れますけど。

死ぬまでは生きましょうね。

ゲームや小説やドラマが好きですがイマイチ理解しきれている気がしない、そんな日々です。