密かな幸せ | セルフライナーノーツ
「密かな幸せ」
幸せを歌ってみようと思いました。
けれど、わたしにとっての幸せってなんだろう?
一等地に豪邸、高級車を乗り回して、欲しいものはなんでも手に入る幸せ?
風呂無しのボロボロなアパートで、お金はなくても誰かと笑っている幸せ?
新宿の路上に段ボールを敷いて仰向けになっているホームレス。よく見ると、耳にはイヤフォンがついていて、まっすぐな目で空を眺めている。今わたしに見られていることも、通り過ぎていく雑踏も、何ひとつ気にすることなく平然と。
都会の喧騒のなかで、好きな音楽を聴いて、もしかしたらこの人は今、静寂のなかにいるかもしれない。誰も見ていない空を見上げて、誰にも奪えない自由を知っているかもしれない。同じ場所で生きているのに、わたしたちとは全く別の世界を感じているように見えた。
家があっても不幸な人はいるし、家がなくても幸せな人もいる。幸せの形は人それぞれとはよく言うけれど、幸せには姿も形もなくて、きっと、感じる心のことなのだろう。そんなふうに思った。
だからこそ、日常の些細な幸せを歌おうと思いました。
朝目覚めたら大好きな人がいて、一緒にご飯を食べながらなんでもない話をして、喧嘩しても仲直りして、そんな毎日を繰り返している。今日は天気が良いから洗濯物が乾きやすい!商店街で毎日顔を合わせるあのお店のおばちゃんにおまけしてもらった!そんなことだっていい。むしろそんなことがいい。
誰もが羨むような大きな幸せが欲しいんじゃない。
ただただ感じていたい。心に秘めている、わたしだけの、密かな幸せを。
密かな幸せ
焼けたパンの匂いと 君が朝を知らせる
起き抜けにバターを塗って コーヒーとあくびをひとつ
もうこんな時間
週末はどこへ何しに行こうか
たまにはお昼までふたりでごろごろしてるのもいいな
密かな幸せ 感じていたい
ふたりの暮らし いつまでも続け
些細なことさえ 抱きしめていたい
ふたりの恋が 実を結びますように
ごめんね 喧嘩のあと 君と夜の散歩
コンビニで甘いもの買って 仲直りの笑顔を見せて
そろそろ帰ろう
平日は仕事山積みになって
甘えて困らせてばかりでだめだめしっかりしなきゃ
密かな幸せ 感じていたい
ふたりの暮らし 嫌な日があっても
足りないとこさえ 抱きしめていたい
ふたりの夢がいつか叶うように
完璧な演出より笑えちゃう思い出がほしい
誰にも知られなくていい
飽きるまでふたりでごろごろ愛し合いたいな
密かな幸せ 感じていたい
ふたりの暮らし いつまでも続け
些細なことさえ 抱きしめていたい
ふたりの恋が 実を結びますように
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