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-番外編『片時も。』 -

8月某日の、私の人生の中で
特別で貴重で輝かしい出来事の記録。
ずっと努力はしてきた。彼も、彼らも彼女らも。
みんな、お腹が空けば「お腹が空いた」と言い、
練習に疲れたら「練習疲れた」と言い、
悲しければ悲しみを顔身体言葉全てで表現するし、
嬉しければ泣いて嬉しいと共有し合う。
人の練習や努力の不足、ミス、拙さには
顔を合わせて変な顔をするくせに、
自分がミスを犯せば泣いちゃうようなみんな、だった。
彼は彼で、真面目で努力家で実力もあって
愛想も人情もオーラも全部持っている人。
でも面倒くさければ「面倒くさい」と言うし、
不満があれば「どうにかならない?」と言うし、
ずっと変な事、言ってる気がするし。
笑うときは笑う。悲しむときは悲しむ。
いつも、立場を理解して冷静でいる。
だから怒るときは怒るし、泣くときは泣く。
私のコンプレックスは彼が平気な顔して、
当たり前のようにたくさん持っている、
そのすべてのこと、が原因で
生み出されたものに違いない。
だから私はいつでも彼のこと、羨ましいと思う。
かっこいいなとも思う。素敵だなとも思う。
だから好きだなとも思うし、大嫌いだとも思う。
でも別に因果関係とか相関関係とか関係性とか、
そんなんは本当に心底どうでもいい。
ただ、彼であることと彼が彼でいることと、
それに目が眩んだ、という事実が大事なのだ。
ああ、すべてを刺激するんだ。
泣くにしたって喜ぶにしたって、
結局起源は彼なんだよ。言いすぎか、とも思うけど。

総ての終結部。その瞬間、
私はああ意外と泣けないものなんだなと思った。
別に予想的中でもないし、予想外でもなかったの。
鑑賞中、2人がすごいすごい言うもんだから
私はちょっと気まずいのと同時に
不安と喪失感を感じてた。
だから準備はできてたけど。
それで、みんなも泣くより項垂れるというか、
目が合っているのに心は少しも合っていなかった。
バス、今回は彼も彼女も同タイミング。
走り出す、空気の中の読めないものに
みんな翻弄されつつだったな。
静けさ、あのみんな、がだよ。
唾を飲むのも躊躇うくらいだった。
微かな、鼻を啜る音と嗚咽で、
とても青春とは言い難いものだったな。
そこで毎度恒例、彼がいつもの位置で喋りだす。
泣かないでよ、泣いたら泣くよ。私、みんな。
「夜、ご飯食べてる時に、」「寝る前に」「ずっと」
過去の言葉の節々からわかる
彼の努力が、こちらを煽るから。
そのあとの、いつもの和気あいあいの矢印は
一向にこちらに飛んでこないけれど、それもまた愛。
申し訳ないな、ほんと。私のせいでもあるんだ。
でも楽しくできた。終わると見せかけて終わらない、
それで私もより一層楽しめたし余韻の部分にもできた。

彼のことに関してはきっとこのあとも
ずっと書き続けるんだろうし、
とりあえず今日はここまでで。
絶対に言いすぎだけど、
でも絶対にわたしあなたのこと愛してる。


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