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電気代が高すぎる

  今月の電気代が一万円を超えた。一人暮らしでだ。これは、今までわたしが独り身で暮らしてきた経験に照らし合わせると異常な数値である。


  わたしがこの家に引っ越して来てからというもの、一ヶ月の電気代はだいたいいつも一万円を超えていた。だからわたしは電気代の支払い請求を見るたびに「絶対にこれなんか騙されてるわ…」と愚痴りながらこれまで高すぎる電気料金を支払って来た。

先月の電気代

ここに引っ越して来たのは1年半ほど前だから、わたしはニートのくせに1年半もの間、異常な額の電気代をただ「カスタマーセンターの人と電話のやり取りをするのがめんどくさい」というだけの理由で払い続ける大バカ者だったわけである。電力会社からすればカモネギ以外の何者でもない。


  試しにGoogleの検索窓に「一人暮らし 電気代」と打ち込むと、一人暮らしの電気代の平均は約5,482円程度であるということがわかる。何故にわたしは毎月平均の倍もの電気代を支払っているのだろうか。わたしは我が家の電気代が異常に高い理由をいくつか考えてみた。その結果
•漏電している
•盗電されている
•わたしが知らないうちに二重契約かなにかを申し込んでいる
•現在のマンションの電気設備の効率が悪すぎる
•申し込んでいる電力プランがおかしい
などが推測された。


  はたしてこれらのうちどの説が正しいのか。わたしは引っ越しをするという今になって、解約の手続きのついでに最後にこの謎を解いておきたいと思った。そこでようやく重い腰を上げ、しぶしぶ東京電力に電話をかけると「あの〜…、お手数なんですけどお、ちょっと電気代が高すぎるので調べていただけますかあ…?」と精一杯、人間らしい声を取り繕って言った。そして1週間ほどして届いた紙ペラ一枚の”調査書”によると「異常はなにもない」そうなのである。そんなわけがあるか…?わたしは最後の最後になっても解き明かされないこの謎に、苛立ちと困惑を隠しきれなかった。


  こんなイかれた額の請求を放置するなんてことを普通の人はしない。だから私は頭が少しおかしいのだと思う。結局高すぎる電気料金の謎は解かれないままだし、こんなミステリーを令和に生まれ変わったシャーロック•ホームズに依頼すれば、ホームズは呆れて「やれやれワトソン君、この依頼者は僕たちのことを生活協同組合か何かだと勘違いしているんじゃないか?」とこぼすだろう。こんなことでは私はホームズに顔向けができない。


  しかし、もう私は業者と何度も何度も電話越しにやり取りをしたくない。だから新居では全く違う電力会社に申し込むことにした。これでおそらくこの問題は解決し、私はこれから高すぎる電気代に悩まされることも無くなるだろう。それにしても一体なぜ電気代はこんな異常な数値を示していたのだろうか…。これは現代の怪異と言って差し支えないだろう。

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生活費の足しにさせていただきます。 サポートしていただいたご恩は忘れませんので、そのうちあなたのお家をトントンとし、着物を織らせていただけませんでしょうかという者がいればそれは私です。