初めて刀を持った時に抱いた感情
初めて刀を持った時のこと、覚えていますか??
私は今から約2年半前、水木刀匠と内田刀匠が開いたお手入れ講座ではじめて刀を触りました。
その時に感じたドキドキ感やワクワク感、最近刀がそばにあるせいか、少し薄れて来たような気がするので忘れないうちに書いておこうと思います。
①刀と対面。正座
床に並べられた4~5振の刀や短刀。
一通り刀の持ち方などの説明頂いた後、実際にお手入れしてみましょうという事で、白鞘から刀を抜きお手入れ(ポンポン)する所までの一連の流れを一人づつやる事に。
一振りに対して4~5人程並び順番を待ちます。
目の前に刀があるということが信じられません。
「早く持ちたい」
最初はそんなワクワク感でいっぱいでしたが、
自分の前の方が1人また1人とそつなくこなしていくにつれ、
「皆本当に初めてなのか?!手順を間違えず上手く出来るのだろうか…」
と、段々緊張に変わっていきます。
並んでいる最中に前の人の動作を見て手順を確認しまくってました。
②白鞘を持つ
いよいよ自分の番になり、刀の前で一礼して白鞘を初めて持ちます。
ここでまず1回目の感動。
白鞘は多くの人が触れていたからか少し暖かくなっており、木独特の滑らかな肌触りがしました。
そして刀身の重さを実感。
大体1㎏位でしょうか。
昔はこれを振り回していたのかと想像を膨らましました。
③刀身を白鞘から引き抜く
棟だけをしっかり当てながら抜かないと刀身にヒケ傷(線のような傷)が入る可能性があるので、ここが一番緊張した記憶があります。
(話は関係ないですが、刃に光を当てない時の刃文の見え方ってどこか水墨画のようですね)
④刀身を白鞘から外す
(画像転載元:https://www.touken.or.jp/museum/sword/preservation.html)
目釘を外し、手首辺りをポンと叩き刀身を抜きます。
よく動画などで見ていた光景で、兼ねてよりやってみたいと思っていたので感無量です。
これは多くの方が苦戦していました。
力の入れ具合が分かるまではどのくらいの強さで叩けば良いのかなかなか分かりませんが一度コツを掴めば比較的楽に抜けるようになります。
ただ短刀は強く叩きすぎると刀身が飛び出して落下する可能性もあるので、段々力の入れ具合を強くしていくなどの対応が必要です。
ポンと叩いた後にハバキ部分が少し上に上がってきたときは「本当に上がってきた!」と感動したのを覚えています。
⑤打ち粉を使って手入れ
(画像転載元:https://www.touken.or.jp/museum/sword/preservation.html)
このポンポンも時代劇などで見ており、いつかやってみたいと思っていました。
実際にやってみると、片手で刀身を持ち、もう片方の手で打ち粉を付けるのは重さもあり結構難しかった印象です。
刀身をぬぐう時は指が切れないかただただ不安。
そして刃をぬぐう際に刃肉の丸みに気が付き「刀の表面は丸いのか」と驚きました。
(ポンポンする意味が知りたい方は以下をご覧ください)
この講座では現代刀のみを5振程度並べて様々な長さ、形状のものを拝見させて頂きましたが、一振り一振り全て違っていてこの時に既に自分の中で好みがはっきり分かれていた記憶があります。
光に刃文を当てて鑑賞もしたのですが、残念ながらこの時どう感じたかについてあまり覚えていません。
ですが、一番好みだった刀が以下の一文字のような太刀だった事だけは鮮明に覚えています。
(画像転載元:http://yoshimitsu3.html.xdomain.jp/pg53.html)
その他にもこんな短刀も確かありました。
(画像転載元:http://yoshimitsu3.html.xdomain.jp/pg53.html)
・終わりに
正直な話を書くと、鑑定会などで刀を見る回数が少し増えてくると、刀を見せてもらえる事のありがたみを忘れてくる気がします。
刀が見れて当たり前の様な感覚に陥ります。
(お店や個人の御刀を拝見させて頂く際はこの限りではありませんが)
そんな時に、初めて刀を持った時の気持ちを思い出すと、「初心を忘れない」じゃないですが、刀を見れる事に感謝が出来るような気がします。
そういう意味では初めての気持ちというのは大切にしていきたいです。
今回は誰の為でもなく、自分の為に書いた記事ですが、皆さんも刀に限らず今悩んでる事や楽しい事など文章で書き残しておくと何年後かに楽しめるかもしれませんよ^^
今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はハートマークを押してもらえると嬉しいです^^
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き御刀ライフを~!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?