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「晶平鍛刀道場」を訪問しました。

本日川崎晶平刀匠から依頼されていた卓上刀ケースをお納めする際に鍛冶場を訪問させて頂きました。

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①晶平刀匠とは?

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(画像転載元:晶平鍛刀道場HP

まず賞の取り方が凄いです(赤字部)
作刀承認を受けて5年以内に特賞を3回もとるという偉業…
その後も特賞を取り続け2012年にはエヴァコラボでカウンターソードを出品、現在では全日本刀匠会の理事も務められています。

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(画像転載元:https://www.akihirakatana.com/history



②場所

〒367-0105 埼玉県児玉郡美里町沼上115-2

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静かでのどかな場所にあります。
作業すると大きな音が出る事からこのゆう場所で無いとなかなか難しいようです。
小学生並みの感想ですが「空気が綺麗」



③鍛冶場見学

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一番左端には晶平刀匠の師である「宮入小左衛門行平」の文字。
こういう所にも師弟関係など現れたりしているのですね!
そして下が鍛冶場の全体写真。

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刀を作る時は赤丸のところに座ると色々な作業が移動なく出来るようになっています。

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まず目に飛び込んでくるのが左にある巨大なスプリングハンマー。
凄く簡単な作りらしいですが、製作している会社も今では減っているそうで、いずれ製作するところも無くなってしまうのではないかという話もしていました。(写真は晶平刀匠)

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正面から見るとこんな感じ。

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下のペダルを踏むとハンマーが動く仕組みになっているようです。

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そのすぐ後ろには修業時代に製作して今なお使っている物もあるという道具達。

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以下は茎をしっかり掴むようの道具だそうです。
コの字型になっているのでがっちり掴めるそう。

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そしてこちらが有名?な鉄を赤らめる場所。
赤丸部のふいごを引いたり押したりすると、赤矢印の方向から空気が出て火力を調整できるらしいです。
野鍛冶と言って包丁などを作る人の場合は下から上に向かって空気を送る方が良いのだとか。
何を作るかによって適した空気の送り方も変わるんですね。

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因みに熱して叩いてを繰り返すと以下の様なものが出来るのですが、これがめちゃくちゃ重い!
大体3㎏位と仰って軽々持ちあげていましたが、実際に持たせて頂くと腕がプルプルし持ちあがらない。
動画を見ると刀匠の方は軽々動かしてますが、あれは相当な筋力が無ければ出来ない…

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そして焼き入れ時に水をはる桶は壁に立てかけてありました。

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使わない時はこようにしまっているらしいですが、鍛冶場を作る時にもっとスペースを広くしておけば良かったとの話もされていました。
因みに全長は8尺8寸(6m近く)らしいです。
これを作った人が縁起が良いからという事でその数字で作ってくれたようです。笑
凄く巨大ですが、3尺4尺の刀を作る時はこれくらいないと出来ないので、この長さは必要だそうです。


そして、遂にあった!
刀鍛冶になったら最初にするという噂の炭切り。
同じ大きさに如何に早く切るかが問われ、刀鍛冶になると一生付き合っていくことになると噂の炭切り。

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これだけ作るのにどの位かかるんですか?と聞いたら、1日もかからず10俵は出来るとの事。
恐ろしいスピードです。
弟子入り志願に来る人も炭切を1日2日やって挫折する人は多いそうです。
川崎さん曰く女性の方が器用で根気があるとか。

尚これが炭切で使う鉈です。勿論これも手作り。

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④鉄にこだわる

以下は玉鋼に似ていますが、自家製の卸し鉄(おろしがね)。

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刀は玉鋼だけでも出来るそうですが、それだけを使うよりも卸し鉄を混ぜて使った方が良いものが出来るらしい。
卸し鉄を使う場合その工程が更にプラスされるのでその分やはり大変らしいです。
川崎さんの得意とする相州伝は何かの本で「異種の鉄を組み合わせて」と読んだことがありますが、そういう事なのかもしれません。

それでようやく出来た刀がこちら。

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地景がとにかく美しい。
相州伝は地景が見所ですが、新々刀以降の相州伝を狙った作は、地景を狙いすぎて肌が立ちすぎた作が多いように感じます。
が、晶平刀匠の刀の地景はわざとらしさが無く、地から刃にも自然に溶け込んでいて相州行光のそれと似ている気がしました。

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⑤終わりに

現在は女性による御守刀や写しの依頼も多いそうです。
晶平刀匠に依頼した場合は、「初鍛ちの儀」を出来るそう。

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(画像転載元:https://www.akihirakatana.com/services

自分が製作に関われることでより特別な想いが刀に込められそうですね。
また、今はコロナの関係で海外の方など来れないようですが、コロナ前などはツアーなども結構あったようです。
晶平刀匠の作る刀を鑑賞した後に、作刀風景を見る。
そして最後はそこで出た炭を使ってBBQをして締めるらしいです。
どうやらその為のテーブルのようでした。笑

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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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