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李登輝先生、旅立ちから一年

李登輝先生が天国に旅立たれて一年が過ぎました。激動の時代を牽引した人物であり、国民党による一党独裁時代から民主主義の行き届いた台湾に導いた功績で知られています。「日本語世代」と呼ばれる戦前生まれの台湾人がどのような人格を持っていたのかという側面も興味深く、また、旧制中学・旧制高校の卒業生らしい生きざまを貫いた方でもありました。

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私は2011年、2012年にご縁をいただき、李登輝先生をインタビューさせていただきました。初めてのインタビューは2011年8月11日でした。この時は台北郊外のご自宅でお話をうかがいました。東日本大震災に心を痛めておられましたが、苦しい中でも秩序を守り、助け合う日本人の姿を称えておられました。そういったお話から、日本人とか何か、日本人の美徳とは何か、そして、日台の友情とは何かというお考えをうかがいました。

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二度目の取材は2011年10月21日。この時もご自宅でのインタビューでした。この時は主に「リーダーとはどうあるべきか」というお話をうかがいました。この時は90分の予定だったのですが、3時間以上もお話をいただきました。三度目は2012年4月2日でしたが、この時は日台関係や台湾の歴史、そして、ご自身の人格形成史をうかがいました。この時が最も長い時間、お話をうかがいましたが、西洋近代哲学、特にヘーゲルやカントの話題を楽しそうにお話されていました。

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こういった取材は宝島社から出ている 『日台の心と心の絆~素晴らしき日本人へ』という本にまとめています。この本は李登輝先生の論文や講演録を片倉が整理させていただき、まとめたものです。後半にはロングインタビューが入っています。もしよろしければ、どうぞご覧ください。

李登輝先生は天国に旅立たれましたが、台湾を愛する一人の外国人として、この国があるべき姿になること、そして、台湾のみならず、アジア全体が平和に暮らせる時代がやってくることを祈りたいと思います。これからもしっかりと台湾を見つめ、学んでいきたいと思います。

李登輝先生、どうぞ安らかにお休みください。

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