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日本統治時代の駅スタンプ~鳳山駅

日本統治時代の駅スタンプ

鳳山(ほうざん)駅

 鳳山は高雄に隣接した都市である。ここはパイナップルの産地として知られており、一帯はパイナップル畑が広がっており、見事な眺めとなっていた。現在は「高屏渓」と呼ばれている下淡水渓を挟み、屏東(へいとう)平野と並ぶ一大農業地帯となっていた。現在も、パパイヤやナツメ、バナナなどの栽培が盛んだ。


 清国統治時代、この一帯には曹公圳(そうこうしゅう)と呼ばれた灌漑用水路が整備されていた。土地の高低差を利用した簡素なものだったが、台湾最古の灌漑用の水路とされている。

 この水路は鳳山に赴任した曹謹という人物によるもので、その功績は広く知られている。日本統治時代に入った後も、第四代台湾総督の児玉源太郎が水路を視察しているほか、曹謹を祀る曹公廟には、今も第五代台湾総督の佐久間左馬太が揮毫した扁額が残されている。

 鳳山駅が開設されたのは一九〇七(明治四〇)年一〇月一日。当時は打狗と呼ばれていた高雄(現高雄港・打狗鐵道故事館)と九曲堂間が開通したときに設けられている。台湾製糖株式会社の後壁林工場や新興製糖株式会社の工場に向かう軽便鉄道の接続駅でもあり、終日、積み卸し作業で賑わったという。

 スタンプは明快な印象を与えるデザインである。この地の特産品であるパイナップルをそのまま外郭としている。駅名と日付はパイナップルの葉の部分に記されているところにもセンスが感じられる。

030100鳳山


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