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メジロチメドリ~台湾探鳥日記

鳥の撮影は晴天がベストとは限りません。私の場合、建物や景色の撮影を兼ねているため、どうしても天気にこだわってしまうのですが、鳥や動物、昆虫は、太陽光線や温度の変化に反応しながら動いており、それぞれの種族にもよりますが、朝方に活発な動きを見せます。言ってみれば、天気がいいと、体内時計に忠実な分、早朝にしっかり活動し、昼前には大人しくなってしまいます。しかし、曇りや雨の日は、活動自体が長引き、撮影するチャンスが増えたりもするのです。

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この日、私は台北市南郊の新店(新北市)というところに赴きました。台湾北部の3月はエアコンが必要なくらい暖かい日と、ふとんが必要なくらい涼しい日が両方あり、この日はそれなりの肌寒さ。特に、私が向かった場所は大桶山というのですが、撮影地は海抜500メートルほど。しかも、終始霧雨でした。冷たい雨に打たれ、震えながらの撮影となりました。

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メジロチメドリは漢字で書くと「目白知目鳥」。眼の周囲に白い「アイリング」があり、その色合いが鮮やかな分、目が強調されている鳥さんです。体長は13センチほどで小さいのですが、目がずいぶんと大きな印象です。ちなみに、英語では「Grey-cheeked Fulvetta」、中国語では「繍眼畫眉」と言います。台湾語では「大目框仔」と記します。さらにアタヤル(タイヤル)族の人々はこの鳥をとても大切にしており、「シリク」と呼びます(機会を改めてご紹介します)。

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このメジロチメドリさん、通常は草むらの中にいて、なかなか姿を見せてくれません。しかも、とにかく動きが早く、さらに小さな体のため、探しだすのは至難の業。もちろん、撮影も難航します。しかもこの日は天気が悪く、苦労しました。

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お腹は少し黄色がかっており、頭上から後頭部、そして顔にかけて暗灰色といういで立ち。しかし、光線具合によっては紫色を帯びるので、そこが狙い目となります。メジロチメドリは台湾島の海抜300~2800メートルの森林に棲息しており、かなり高い場所にも暮らしていますが、寒い時期は低海抜地域に移動します。

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私にとっては二度目の遭遇だったのですが、前回はしっかりと撮影できず、悔しい思いをしています。とにかくじっくり、集中して撮影に臨みました。それにしても寒かった・・・。

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この場所は現場で知り合った台湾の「鳥友」(バーダーさんの意味)に教えてもらいました。ちょうど花が咲いており、しかも、背景となる緑が良い感じにしっとり濡れていました。偶然ではあったのですが、とてもかわいい子なので、ステージに立ってもらいました。ちょっとしたアイドル歌手のようになりました(笑)

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メジロチメドリとの再会。いつもながら、台湾の鳥たちに会うのは興奮しました。低地から高山地域まで台湾各地で見られる鳥なのですが、意外なくらい、撮影チャンスが限られます。また、草むらの中でお会いしましょう!

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