アニソンの未来を切り拓く一曲:今年のAnimelo Summer Live テーマソング「heartbeat-axelator」に注目した
おはこんばんにちは、かたきりむしと申すものでございます。
Animelo Summer live 通称アニサマのテーマソング「heartbeat-axelator」を聞いたら非常に興味深かったので、考察として書いてみました。
テーマ・テーマソング概要
毎年、アニサマにはテーマがあります。今年のテーマは「AXEL」です。
そして、今年のテーマソング名は「heartbeat-axelator」
心臓の鼓動、生命力と言った意味がある heartbeat に
調べても出てこなかったので多分 axel と ~する者って意味がある ator を合わせた造語 axelator (ここでは恐らくアクセルを踏み出す者) を組み合わせています。
心臓の鼓動をトップギアで再開させる。アニサマの新章開幕に産声を上げろ!と言ったところでしょうか。
AXELというテーマにピッタリで最高の曲名だと思います。
力強いドラムから始まり曲名を象徴する
「その心音(おと)は、衝動 Axelate, drive!」と言ったフレーズから始まります。絶望に苛まれた主人公が覚悟を持って立ち上がり再び強敵に足り向かうような力強い楽曲だと感じました。
過去のアニサマを全て感じられる歌詞
注目したいのは以下の歌詞です。
2番Aメロの歌詞で、なんと歴代のオリジナルテーマソングのタイトルに関連する言葉が全て含まれているんです。比較しやすいように今年の曲名も含めて並べてみます。
テーマ テーマソング
2005 THE BRIDGE ONENESS
2006 OUTRIDE OUTRIDE
2007 Generation-A Generation-A
2008 Challenge Yells 〜It's a beautiful life〜
2009 RE:BRIDGE RE:BRIDGE〜Return to oneself〜
2010 evolution evolution 〜for beloved one〜
2011 rainbow rainbow
2012 INFINITY∞ INFINITY 〜1000年の夢〜
2013 FLAG NINE THE GALAXY EXPRESS 999
2014 ONENESS ONENESS
2015 THE GATE ハジマレ, THE GATE!!
2016 刻-TOKI- PASSION RIDERS
2017 THE CARD Playing The World
2018 OK Stand by...MUSIC!!!
2019 STORY CROSSING STORIES
2020 COLORS なんてカラフルな世界!
2021 COLORS なんてカラフルな世界!
2022 Sparkle Sparkle
2023 AXEL heartbeat-axelator
歌詞と関連するタイトルをそれぞれ抜き出してみると以下のようになります。
2013年 「FLAG NINE」 のテーマソングである「THE GALAXY EXPRESS 999」に関しては見当たりませんが、この楽曲は劇場アニメーション『銀河鉄道999』の主題歌であるゴダイゴさんの「THE GALAXY EXPRESS 999」をカバーしたものです。
2013年 「FLAG NINE」は人が集い、導くための目印であり、新たな展開を示す合図(フラグ)と言った意味合いが込められています。
2015年にアニサマの創設者である太田豊紀さんへのインタビューで以下のように語っています。
アニサマの目指す場所はレーベルや作品、音楽のジャンルや国境も超えて、みんなでアニソンを楽しむことだと思います。
そして、「THE GALAXY EXPRESS 999」は旅立つイメージを象徴する楽曲です。
アニサマアレンジは本家ゴダイゴの「THE GALAXY EXPRESS 999」よりもサビである英語歌詞パートの繰り返しが多く、より旅は続いていき輝いていくであろうことを強調しているように思えます。
レーベルや作品、音楽のジャンルや国境も超えて、みんなでアニソンを楽しむことをこれからも続けていき彩のある世界を目指していく意思は焦点を当てた歌詞部分全体から伝わってくる内容であるため入れずとも伝わってきます。
より世界にアニソンを広げたいという思いを改めて感じました。
また、ラップ調に歌われています。
ラップと言えば「相手に本音をぶつけられる、本当の想いを口にできる」と言った印象を与えられるものだと思っています。
歴代アニサマのテーマソング、伝えたい思いが全て詰まっている。
過去の思いを全て背負って再びみんなを輝かしく彩のあるアニソンの世界へ連れてってやるぜ!という思いをより強調しているんだなと思います。
漢気のある非常にかっこいいパートでした。
Music Video
今回のMVは全体的に白黒、モノクロチックで取られていました。
モノクロは映画で言うと下記のような表現・印象を持つようです。
このMVでいう「フレームの中だけの世界」はコロナ渦で開催が中止になり、翌年に入場制限で開催した COLERS、昨年声出しが禁止された状態で開催された Sparkle を指しているのではないかと思いました。
アニサマはアーティストだけでなく、観客も一緒になって声を出し盛り上げるのが醍醐味。いわば参加型の大型フェスです。
入場規制したとしても声出しが禁止されたとしてもペンライトでの参加はできていますが、全力ではありません。
COLERS、Sparkleが全然盛り上がっていなかったわけではありませんが、そんな不完全な盛り上げを「フレームの中だけの世界」として捉えているではないかと。
MVの光源(ライト)の明るさは後半になっていくにつれて段々と強くなっていくように感じました。
特に落ちサビ辺りからが顕著かなと思います。
モノクロの別表現として
と言った意味合いもあるようです。
ここでもコロナ渦で音楽業界、アニソン業界が厳しい状況だった闇の深さを出しているように思えます。
闇から全力で抜け出してく、長い長いトンネルから光が見え引き続き全力疾走で走り出していくような感覚です。
サビの歌詞も1番が見ていくと
1番では昨日(過去)を振り切り
2番では夢(思い)を振り切り
ラスサビでは今日(現在)を振り切り、走り出しています。
drive も drive on に変わっており光に向かって駆け抜けていっている状態なんだなと感じました。
合わせて後奏のドラムにフィルインが入っており、疾走感が極まっていますね。
しかし、MVを最後まで見てもカラーにはなっていないんです。
テーマソングは主要な命題を音楽によって表現、あるいは暗示するために作られた曲であり、イベントそのものではありません。
テーマソングでは光に向かって走り出している状態で止まっているのです。
本当に彩られたフルカラーの世界はアニサマ当日に訪れるわけです。
私たちアニサマ参加者はこのMVで「今年のアニサマはきっとこんな素晴らしい景色を見せてくれる」と言った開催当日のカラーの世界、現実に起こる世界を想像するでしょう。
コロナ渦で入場制限されたアニサマじゃない、声出しが禁止されたコールアンドレスポンスがないアニサマじゃない、コロナ前と同じいやそれ以上の景色が現実であることを証明してくれるはずです。
最後に
全体を通して、2020年からのコロナ渦を大変深く受け止めているんだなと感じました。そして、アニサマの本気を見ました。
約4年ぶりとなる声出し解禁のアニサマ。
この記事を書いている時からワクワクが止まりません。
参加者全員が度肝を抜くような素晴らしいステージを期待しています。
bye for now
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