見出し画像

野犬

離れて行く事。独りとなる事。頭のなかの「安心」を手離す事。まるでソレは薬物を摂取したかのように、薬物を摂取したことはないけれど、私は戸惑いがちに空を見上げる。ソレはまるで井戸の底で、だから私は光が眩しくて、見下げられる気持ちが痛々しい。憧れを形にして生きて行く事を選ぼう。後悔のない人生のなかで、嫉妬に狂い死のう。『出来ない』『到達しない』がこれほど迄にイタイなんてと。想い知りたい。
私は私に差し伸べられた手を総てふいにしてまでも生きていこうと決心した。そうしたら総ては気の迷いのように空を飛び始めた。異空的な感覚は私自身の天命を早く床に着かせようと努力するだろうね。ソレで構わない。何よりも血をこの心に走らせないならば、誰よりも何よりもはやくに死んでやる。必死に必死に生きて死んでやる。
誰に生かされる必要があるか。誰が私に生きてと食い止めるのか。生命を賭ける価値のある私自身か。否。この私に光なし。お前は俺を知らぬ。私は私を知らぬ。私はすぐさまに燃え尽きる。灰となる。生きていけぬならば死ねばいい。生きて行く志のあるものが生きて行けばいい。死ねばいい。死の志を咲かせばいい。
私は素直となる。本音のまま生きていこう。ソレが破綻となるとしても。本能的に世界に線を引けるならば。私はこの身を遣い、線を引く。私は命を賭けて、絵を描いたと証明する為だけに。芸術、哲学、文学など視野にはない。演劇なども。すべては興味がない。私は私が私であるのかそれだけの為に生きている。ソレが答えダ!
天に届け。青空に捧げる。自然と共にある。野犬に食いちぎられて、蟻と蠅、ウジ虫に拡散する。あり得ないほどの冷たさをそのままに明日天気となぁれとサンダルを天に飛ばす!
わからない。わからなくていいんだ。塵のように産まれて、塵のように扱われて、塵のように生きて、塵のように処理されて、塵のまま死のう。ソレが灰の生き様。
ソレを枠組みのなかで処理した舞台を私は客席で目にしたい。目にした瞬間、私の人生に熱い志が花を咲かせる。
ソレを手に入れる迄、死んで堪るか。朽ちて黙るか。どうだ。やってやれ。暴れ回れ。飛び回れ。この胸に咲く花を散らばらせて。証明を。空へ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?