きまぐれ作業用BGM紹介
近ごろ、『おげんさんのサブスク堂』がNHKでレギュラー放送している。
当方受信料を払うのが億劫なのと、そもそもTVを見る習慣があまりないので(マツコとかはTVerで観る)、NHKとはサブスク契約をしていないのだが、実家に帰ったら録画したサブスク堂を見せてもらっている。変な関係性だ。
番組内では、"おげんさん"こと星野源と、"豊豊(ホウホウ)さん"こと松重豊が、本当に楽しそうに活き活きと音楽の話をしている。
人が自分の好きなものについて楽しそうに話しているのを聞くのは好きだ。ツイッターで人をフォローする動機の8割くらいはここにあると言っても良い。
…じゃ自分もやるか。となった。
作業用BGM、とひとくちに言っても色々なジャンルがあるので、系統別にそれらは無数に存在するわけだが、今回は静かな夜にのんびり聴ける曲を紹介しようと思う。
ちょっとした小噺でも交えながらご紹介できたらと思う。
ちなみに、曲のリンクはYouTubeに公式の動画が出ている場合のみ貼っている。あしからず。
──────────────────────
【Nujabes『Light on the land』】
アニメ『サムライチャンプルー』のサントラでお馴染みのNujabesより。
最近サブスク解禁されたらしいですね。『サブスク堂』でも第5回で取り上げられていた。
ちなみに、この曲は上記アニメのサントラ曲ではなく、別のアルバムの曲。
独特の浮遊感に、夜の静けさを思わせるようなメロウな曲。サンプリングでコオロギの鳴き声のような音が使われており、そういうのが好きな人にはたまらない楽曲となっている。
あんまり意識したことはなかったが、コオロギの鳴く時間帯って夕方から夜にかけてらしいので、夕暮れをイメージして作られた曲なのかもしれない。
余談だが、映画リズのオープニング曲である『wind, glass, bluebird』の冒頭も、サントラの方では環境音としてキジバトの鳴き声が入ってたりするけど、あれもいいよね。
関連して、Nujabesはそのサンプリングセンスにも敬服するものがある。
こないだユセフ・ラティーフの『スパルタカス〜愛のテーマ』を初めて聴いたとき、なんか聴き覚えあるな、と思って記憶を辿っていくと、Nujabesの『the Final view』という曲にかの曲がサンプリングされていて、そんな所で繋がりが!と驚いた記憶がある。
余談でした。
【SEATBELTS『WALZ for ZIZI』】
先ほどサムライチャンプルー、と来たので、同監督作品『カウボーイ・ビバップ』のサントラより。
ビバップといえば菅野よう子だが、その彼女が率いるジャズバンドがこのシートベルツである。
そういえば曲名のZIZIって誰?と思って調べてみたら、ジャズピアニストのハービー・ハンコックのかつての婚約者の名前がそうらしい。
彼のアルバム『Speak like a child』のジャケには当時のハービーとジジが映っているのだが、そういやアニメビバップの18話のタイトルが『スピーク・ライク・ア・チャイルド』だった…時間差の感動
正直ジャズはあまり造詣が深くなく、アニメ視聴時は「ストーンズの曲名だ〜」とか「ビートルズの歌詞だ〜」とか、その程度しか拾えていなかったが、調べてみると新たな発見が次々現れるところにナベシンのこだわりが感じられる。
【Serani Poji『Octopus Daughter』】
セラニポージといえば、アイマスの楽曲提供で有名なササキトモコ氏が過去に活動していたバンドで、とあるゲーム内に登場する"架空のアーティスト"、という体で作られたもの。
該当の曲はアルバム『まなもぉん』より。残念ながらこのアルバムはサブスクでは聴けない。
初見で(「まなもぉん」って何だよ…)という疑問を抱くのは尤もだと思うが、そんなもん知らん。私が聞きたい。
だがこのアルバムは間違いなく名曲揃いで、スルメ曲とか好きな人には割と手放しでおすすめできる。ササキトモコ氏は作詞センスも抜群に良いため、歌詞も含めて楽しめると思う。
本曲は、くぐもった音とボーカルのウィスパーボイスがいい感じに混ざり合い、おのずと副交感神経が優位になる楽曲。おやすみ前に聴くと良い。
ところで、昨年『ユーフォ』で繋がりのあるフォロワーさんとリアルでお会いした際に、その人がTL上でセラニの話をしていた事を思い出して少し話をする機会があった。ああいうちょっとした趣味が交わる瞬間っていいな、と思う。
【Sting『Fields of gold』】
スティングといえば、映画『レオン』のED曲だったり、それ以前に組んでいたバンド、ポリスの『Every breath you take』などが有名。スティングは英国人であり、その歌声は日本人にも聴き取りやすく、イギリス特有の平易な発音が耳に心地良い。
そんな彼には、これぞ英国紳士、みたいな瀟洒なイメージがあるが、夜に聴くスティングならこれが好きである。
歌詞も秀逸で、「風が吹く」という表現に"wind blows"という言葉をあえて使わず"wind moves"と表現していたり、「黄金の畑」という表現の冠詞に"the"が付いていたりいなかったりする書き分けも、歌詞の考察のし甲斐がある1曲だ。気になった方は調べてみるのも一興だと思う。
MVも曲と同じくらい好きなので、ぜひ一度見てみてほしい。
【ブライアン・イーノ『An Ending (Ascent)』】
ブライアン・イーノといえば音楽ジャンルとしての"アンビエント"の先駆者であるが、そんな彼が米国アポロ計画の様子をまとめた映画にサウンドトラックとして提供したアルバムからの1曲。
ちなみに映画の方は観たことない。
終わりのない宇宙を漂っているような静謐な浮遊感に、落ち着くような落ち着かないような不思議な感覚に襲われる。
"80's"と呼ばれる明るいダンスミュージックとかが流行った時代に、'83年でこんな曲をリリースしてるイーノは時代を先駆けてるなーと思ってふと『2001年宇宙の旅』の公開年を調べたら'68年だった。宇宙ヤバい。
【賈鵬芳『睡蓮』】
ジャー・パンファン、と読む。中国の伝統楽器、"二胡"の名手だ。
物憂げなピアノに、二胡の情緒溢れる旋律がセンチメンタルな気分を誘う。
二胡、というと、実は私が過去に刊行した同人誌にも、大学進学した鎧塚みぞれのチームメイトの好きな楽器、という設定で一瞬だけ二胡が出てくる。
なんだか懐かしい気持ちになる。いや自分で描いてるから完全に自家発電なわけだが。
そういう意味でも、思い入れのある楽器です。
【Aphex twin 『Avril 14th』】
エイフェックス・ツインと言われると、何を思い浮かべるだろうか。
『ジョジョリオン』の敵キャラ?
いえいえ、そこはまず『苺ましまろ』であろう。
苺ましまろといえば、漫画家"ばらスィー"氏の描くシュールギャグ漫画として界隈では有名であろうが、この作品の初期には、背景の壁に掛かってるポスターに色んなアーティストのジャケが出てくる。
小学生女児がこんな変なアルバム聴いてるわけねーだろ、という面白おかしさと、でも聴いてたらめちゃくちゃ良いな……という淡い妄想が作品のストーリーとは全く関係ないところに去来する。
エイフェックス・ツインのトラックメイカーたる"リチャード・D・ジェームズ"は、英国の片田舎、コーンウォールの生まれで、生まれてすぐ亡くなった双子の兄から"Twin"という名付けがされている。
ちなみに、『苺ましまろ』に出てくるアナちゃんはコーンウォール出身である。
…分かるか!そんなニッチなネタ。
【「少女終末旅行」OSTより『君と過ごす日々』】
つくみず先生の漫画作品『少女終末旅行』のアニメオリジナルサウンドトラックにある曲だが、夜はよくこれを流している。
つくみず先生の作品を読んでると、人生に深く絶望している訳でもないのにふわっとした希死念慮がやってくる感覚がある。
私が死ぬときはこれを聴きながら死ねたらいいな、と思う。
『シメジシミュレーション』完結お疲れ様でした。
…………
曲の事全然書いてないね?????
なんだか眠くなってきたのでそろそろ締めます。
気が向いたらまたやるかもしれない。
あと、フォロワーも好きな曲とか普段聴いてる作業用BGMを教えてください。ワイは金払ってでも聞きたいです。
以上。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?