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「MIXTAPE -ラップ調音MAD-」制作後記

※この記事は、「MIXTAPE -ラップ調音MAD-」を見て下さった方向けの記事です。

○あいさつ

お世話になっております。かすてらです。
先日の音MAD合作晒しイベントに参加した「MIXTAPE -ラップ調音MAD-」、ご覧いただきありがとうございます。
あまり制作後記は書かない方針なのですが、今回は初めての合作主催を行ったということもあり、興奮が醒めないうちに書き留めておこうと思います。

○合作立ち上げ

昨年2月頃、音MAD合作晒しイベントの開催が告知されました。
以前から、「ハードコアアニメ合作」や「ラグタイム合作」のような音楽ジャンルをテーマにした合作をやりたい!という考えが頭の中にあったため、これを機にと思い立ちました。
「ワールドミュージック合作」「渋谷系合作」「歌謡曲合作」……色々考えた中のひとつ、「ラップ合作」について、当合作の音声まとめである水無月くんから「ぜひ見たい」という声をもらい、2020年の5月ごろ、合作立ち上げを決意しました。

当時合作の形式として、下記のようなものを考えていました。
 ①使用曲を一曲に絞り、マイクリレー形式で各パートを繋げる
 ②参加者それぞれで選曲して各パートを原曲で作ってもらい、音MAD-mix風に繋げる(台詞イントネーション合作に近い手法)
 ③参加者の方に選曲をしてもらい、オリジナルメドレー音源を製作する

今回は労力・期間・尺など様々な面から②の形式となりましたが、①や③も面白そうなのでぜひ誰か主催してください。(丸投げ)

○参加者の勧誘

私をけしかけた水無月くんは強制参加させました。
また、水無月くんからの情報で同ジャンルを好んでいるというowataxさんをお誘いしました。

その後、何名かにお誘いをかけた後、いったん躓きます。
音MAD作者でラップ/ヒップホップが好きな人が思い浮かばない!

そこで、合作主催の経験もあるowataxさんと相談し、「ラップ楽曲の音MAD合作」ではなく、「ラップ”調”音MAD合作」として間口を広くし、「ミドル~ローテンポ楽曲×ラップ調の台詞合わせ(サブ垢MADの人ような)」というテーマとすることになりました。

テーマの決定後は、主に「Flower Dance」「ドゥヴァン」「SHAKER」辺りの楽曲でセリフ合わせ音MADを精力的に作成している方を探し、5月~6月にかけてお誘いをかけていきました。
また、音MADの制作歴についても、できる限りばらけるようにお誘いをかけました。(いつメン感を避けるため)
結果的に恐ろしく豪華なメンバーが揃い戦々恐々でした。
本当はもっともっとお誘いしたい方がいたのですが、合作晒しの20分に収めるためには10人が限度でした……。
(最近のアニメ音MAD作ってる人連絡先分からない人多すぎだろ)

○自パートについて

「かぐや様は告らせたい」の登場キャラ・伊井野ミコの選挙演説シーンでセリフ合わせ音MADという案は、原作を読んでいた時から温めていたネタでした。
風紀委員ということで規律に厳しいキャラではあるのですが、演説のシーンはどちらかというと「現状への不満・主張・怒り」という反抗的な要素が強く、ラップとの相性は抜群ではないかなと思っていました。

選曲はBeastie Boysの「Sabotage」です。
https://www.youtube.com/watch?v=z5rRZdiu1UE
いわゆるストレートなヒップホップというよりは、ラップロック/ミクスチャーロックに近い曲です。
合作の方向性を提示するため、音声は一番最初に出したのですが、結果的に音が若干浮いてしまって構成には迷惑をかけちゃいました。
音声まとめの手腕のお陰で、収まるべき箇所に綺麗に収まってくれて良かった……。

セリフ合わせは、かなりギチギチに詰め込む形になりました。
他のパートの音声を聴いた後だと、もう少し間を取るべきだったか?と思わなくもないですが、これはこれで勢いがあって(意図はしていないですが)合作開幕のパートとしては良かったかなと思っています。

特に動画でアピールはしていないですが、元のシーンの台詞の恩恵もあり韻も多少踏んでいます。
◇風紀→秀知(院)
◇相性ピッタリ→相性の良い二人

など。語尾もですます口調で統一されているので、押韻っぽくできたかなと。

今回使ったVST関係は下記の通りです。
・ReaEQ
REAPER付属のイコライザー。説明不要。
・Detune(https://www.kvraudio.com/product/detune_by_mda
左右のピッチとタイミングをずらして音の広がりを出すやつ。印象付けたいセリフにかけています。竹塔さんのブロマガが詳しいです。
 (○使用箇所 38秒~求められているのです!、50秒~結婚すればってくらいですよ!等)
・Degrade(https://www.kvraudio.com/product/degrade_by_mda
音声をローファイっぽくします。私の使い方はほぼDetuneと同じですが、ラップ調音MADではもっとちゃんとした活用法がありますよね絶対。
 (○使用箇所 40秒~2回目の「いるのです!」等)

○サムネイル

サムネイルの元ネタはサムライチャンプルーというアニメのOPです。時代劇とヒップホップカルチャーを融合させた異色のアニメです。
合作のラストの曲「Luv sic part3」を手掛けたNujabesが関わっていたことでも有名です。

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サムネイルの没案です。正直こっちの方がかっこいいとは思っているんですが、サムネイルとしてみると地味すぎるので没になりました。

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⑤終わりに

合作の裏テーマとして、「近年、投稿者の減少で衰退しがちなセリフ合わせで魅せる音MADを復興したい」という思いがありました。
イベントの終了後、この合作への反応をざっと確認していたところ、「こういう音MADを作ってみたい」という呟きが多数見られ、目論見はうまくいったかな、と感じています。
合作内のパートごとの雰囲気やセリフの合わせ方も、ある程度の統一感はありつつもバラバラで、ラップ調音MADの多様性/面白さを私としても再認識できてよかったです。

今回の合作を作るうえで、bilibiliに大量にあるラップ楽曲の音MADも大いに参考にさせてもらいました。ありがとうございました。(https://www.bilibili.com/v/channel/246?tab=featured&spm_id_from=333.788.b_765f746167.1

ラップ調台詞合わせにはまだまだ可能性が残されていると思います。みんなどんどんあげよう。
改めまして、お力添え下さった参加者の皆様、きっかけを下さった合作晒し運営の皆様、視聴してくださった皆様、本当にありがとうございました。